放
「…なんだ敵って」
「そのままの意味」
指指さしたままどんどん俺の方へ近づいてくる……
「動いたら殺す…」
指していた右手が少しづつ変形していきやがてピストルのような形へと変わった。何も出来ずその場に立ちすくんでいるとアライは引き金を引いた
「指鉄砲……」
アライが発した直後、銃口周りがどんどん青色に光っていっている…
「…バン」
ばげしい音が耳に達した瞬間青色の光が尋常じゃ無い速さで俺の頭スレスレを飛んで行った…
「1人目」
今度は俺ではなく俺の足元に指を指す。見ると…腕がとても鋭利になっている人型バグが死んでいた
「あと5」
「これって…」
「散弾魂」
左手に緑のスライムみたいなやつが集まりだしアンパン程の大きさになったとき手から滑り落ちた
スライムは空中でパン!と弾けると5つに分裂し様々な方向に飛んで行った…
「よし、おわった」
汚れていない手をパンパンと払いスマホで時間を確認する。ちょうど電車を告げるアナウンスと音楽が流れてきた
「はじめ君電車来るよ」
「…はい」
電車の窓からホームを見つめる……分裂したスライムは矢形になっており、しっかりそれぞれのバグの頭蓋骨を貫いていた…
一日の2回しか来ない4車両列車、北心町線。
手入れも全然されている様子もなく窓や座席汚い
そんなのことお構い無しに近くの席に座った
再び気まずい空気に入る前に今度はアライから話しかけてきた
「……はじめ君いくつ?」
「…17」
「…そうなんだ」
「…何歳なんだ?」
「…18」
「… そうなんだ」
昔聞いた話だが会話に困ったら年齢を聞くのがいいらしい。だが女性相手だとたまに地雷になるから気をつけろと翔が言っていたな………年齢を聞いてくる……アライも気まずいって感じてるのか、
電車の中ははじめとアライを除き誰1人おらずガタンゴトンと揺れる音だけが2人の沈黙を救ってくれる。
こんな時にパスクさえいればしょうもない話で楽しめるんだけど…
「…そういえば何で天上部に入ったの?」
「わからない…気がついたら入ってた」
「そうなんだ。そういうのが1番楽しいね」
少し悲しみのかかった顔をしほんのり微笑んだ
「アライはどうして入ったんだ?」
アライは窓を見つめながら答えた
「親戚が元天上者だったり天上部と結構関わりがあってね。無理やり入れられた。…入りたくなかったのに」
「…何で入隊を断らなかったんだ?」
「……断れるような状況じゃなかったから」
「今世は捨ててるからいいの。来世にかけるから。私の来世はお嬢様なの。オムライスが好きでじいじには迷惑かけてばっかだけど結婚して出ていく時に泣きながらハグするような自分勝手な人生。それが私の来世」
少し元気にそう話すがこの人生に生きる希望はないと言っていると同じようなものだ
自分に諦め電車に引かれようとしていたあの日の光景が頭の中にフラッシュバックとして蘇る
「……今を必死に生きないと来世なんかないぞ」
「いきなり感情的になった。なにか過去にあったのかな」
図星をつかれビクリとする俺を見てアライは微笑みを浮かべた
「…まっそんなことよりも任務をしよう」
席から立ち先頭の1号車に向かって歩いていく
「どこに行くんだ?」
「敵を倒しに。着いてくる?」
パスクとは違うベクトルのの安心感のある顔を見せながら俺の方を振り返る
「お言葉に甘えて」
揺れで足元がおぼつかない俺と違い華麗な立ち姿のままアライは歩いてく
「敵はどこにいるんだ?」
「分からないの?」
さも当たり前かのように仰られてますが、ここ電車ですよ?
「すいませんね。新人な物でして」
「新人か、ならしょうがないね。」
アライも入ったばかりの新人が死者の三大宝探しに来てるとはさすがに思わないだろうな…
「異能力は分かる?」
「異能と異能力は違うのか?」
アライは腕を組み微かにため息をはいた
「異能力はエネルギー、異能は力。簡単に言うと異能力はガソリン、異能が車みたいな感じ。天上部じゃない人でもだいたい異能力は持ってるから」
そう言い俺の胸元に手を当て優しく押してくる
「どうすれば……」
「ここに異能力を貯めて、そして……出す!」
大声と共に胸元を思っいきり押された……
心臓がハッした…その時。体から何かが出てくる気がした……
「…なんだこれ」
「これが放。異能力を貯めて放出するの」
感覚がいつもよりいっそう無になり神経が研ぎ澄まされる気持ちになる、
そしてこの列車の中に体の感覚全てが移った気がした……それと同時に列車の中に違和感を感じた…
「その違和感の場所。それがバグのいるところだよ」
「………車掌席」
---ある人の物語---
「なんでまた俺たちが行くんだよー」
「隊長、言ってた」
「それ従わなきゃだめーー?」
「当たり前。従わないならアイとは敵」
「ならしょーがないなー」
???、???




