図工室
「思ってたより普通だね」
「そりゃ昼間はただの銅像だからな」
俺たちは今二つ目の七不思議「深夜動く二宮金次郎」を確認するため像の前にいる…のだがさっきの花子さんとは違い全く反応を見せない
「しょうがないなぁ」
パスクが右ポケットからおもむろにライターを取り出しカチカチと火をつける
「…一応聞くが何するつもりだ?」
「銅像のふりしている可能性があるからあぶってみようと思って」
こいつバグにはほんとに容赦ないな…
「っていうかなんでライターなんかもってんだよ?」
「よく師匠がタバコ吸ってたから日頃からつけやすいように常備してるんだよ」
さっきのこともあり師匠のことに触れづらく黙っていると金次郎が大切そうに持っていた本に火をつけた。
パスクはフーフーと風を送り火の勢いはどんどん大きくなっていった
「アッッツ!!」
金次郎がそう言いながら動いたその時
「ほらやっぱり動いた」
そうつぶやく目にも止まらぬ速さの右足蹴りで金次郎の上半身と下半身を引き裂き10mほど吹き飛ばした
「ハイつぎー」
…ほんとにやばいな。一撃で上半身を
それからも「死者が現れる踊り場の大鏡」では死者らしき人が写った瞬間に瞬間鏡を殴って壊し、「死者の手に引きずり込まれるプール」では逆に死者の手を引っ張り返し引き上げるなど次々と解決していった。
「花子さん、金次郎、鏡にプールこれで残りは三つ。
深夜に流れる無人の放送送、校内をうろつきまわるテケテケ、人喰いモナリザ。感だけど今からの3つは今までと違って強敵だよ」
パスクが腕を組み直す
「そうなのか?放送室とか簡単そうに見えるけど」
「多分放送室が一番簡単だと思う。放送室、モナリザ、テケテケの順でやって……」
「ピンーポンーパンーポンー」
あまりのことにパスクが話を終える。1番に攻撃すると名言した途端相手の方から先手を仕掛けてきたのだ
「テケテケが現在職員室付近を移動中です。お気をつけください」
小学生女子のような声が流れてきた。
放送を聞くなり眉を細め作戦を変えた
「やっぱり作戦変更。モナリザから行くよ」
「流れてきたからって変えなくてもいいだろ。別に放送室でもいいんじゃないか?」
「きっと今から放送室に行っても何も出来ない」
「どういうことだ?」
俺がそう聞くと冷静にパスクは説明を始めた
「私が思うに放送室の能力は2択「相手の位置を放送する」これだったらなんの問題もないんだけど放送室から感じられる異能力量的に多分違う」
俺が大きく固唾を飲み込む
「じゃあなんなんだ?」
「「相手を放送した位置にワープさせる」これだった場合私達にほぼ勝ち目は無い」
「勝ち目はないってどういうことだよ?」
「落ち着いて。とりあえず今できることをしよう。テケテケと違ってモナリザは絵画の中だからきっと位置が固定されているから先にモナリザを殺すよ」
結局何がやばいのかは分からなかったがどう見ても俺よりパスクの方が戦闘経験に優れているので正しいことなんだと思いただ頷きその場を後にした
パスクが言うにはトイレからの移動中図工室の看板があったらしいので行ってみると本当に図工室はあった。
「あったね」
「あぁ、さっさと済ませよう」
「ピンーポンーパンーポンー」
またもやアナウンスが流れてきた
「テケテケは現在第1体育館を移動中です。お気をつけください。」
「体育館って言われても位置がわからんな」
「校内の地図写真撮っとけばよかったかな」
「まぁとりあえず終わらそうぜ」
端を見れば蜘蛛の巣とホコリ、高そうな原木出てきた机に背もたれのない椅子。これぞ小学生と言わんばかりのワンパクな絵などごく一般的な普通の図工室だ
「これといって変なとこないね」
「だな。って言うかまずモナリザの絵が無い」
辺り一面見渡しても絵画など飾っていない。
「あっあれじゃない?」
パスクの指さす方には小さな扉があり上には「図工準備室」と書いてあった。
中は細長くさっきよりも蜘蛛の巣とホコリが張り巡らさていて長年人が出入りしていないのがわかる
「うわー汚」
服に着いてしまったホコリをパッパと振り払う
「おっ多分あれだな」
1番奥には布が掛けられている1枚の絵画があった
「さっすがはじめ。それじゃ殺…」
モナリザの顔付近の布が少しずつ凹凸が現れはじめどんどんと俺たちに近づいてきた。
「はじめ、来るよ」
拳を握り戦闘態勢を構える
1メートルほど凹凸が伸び布がもう取れかかっている
(そろそろ来…)
「ピンーポンーパンーポンー。」
3度目のアナウンスが鳴り響く
「テケテケは現在あなたのうしろです。お気をつけて」
今まで通りのアナウンスだったが放送している少女の声が笑っている気がした
後ろから聞こえる「テケテケ」という擬音。
布が落ち絵画から飛び出していることがはっきりと分かるモナリザ。
2人の化け物が同時に笑みを浮かべた
---ある人達物語---
「へっくしょん、寒いなぁ。ミントの作った鍋食べたいな、」
プルプルプル
「お疲れ様です。パスクです。」
「おう、ひさしぶりじゃのう」
電話の向こうからはよわよわとしたおばあさんの声が聞こえてきた
「実はマームさんに頼みたいことがあって……」
パスク、???




