告白
どうしよう。このままデート続けたいんだけど、ダメよね。久太郎に連絡しないと、
「晴明、ちょっとだけ別行動していいかな。私もおじいちゃんからお買い物頼まれていたの思い出しちゃった。さっきの公園の馬に乗った人のいる銅像のところで30分後会いましょ」
「いいよ、じゃああとで」
意外とすんなりということを聞いてくれた。あんまり楽しくないのかな晴明、いやいやそんなことない。早く見つけなきゃメダルの持ち主。
「この公園から気配を感じるんだけど?どこにもいないわ、気のせいだったのかしら」
とたんさらに強い反応を感じた。
「やだ、変身したわどこにいるの?公園の下から感じるんだけど地下に潜んでいるの」
当惑する晴海は自転車に乗るおじさんに聞いた。
「この公園って地下があるんですか?」
「ああ、駅から区役所に向かう地下通路があるよ」
そのまま走り去っていった。
「もう、どこから行くか教えてよ」
とりあえず電話をしながら駅に向かった。
「久太郎、湊川公園よ。早く来てメダルホルダーがいるのもう変身してるかもしれない」
「わかったよ。パトカーで向かうから五分ほど待って」
駅から人が大勢こちらに走ってきた。
「ダメだよお嬢ちゃん!この先に行っちゃ、化け物が出たんだよ」
行く先をふさがれてしまった。それでも晴海は人を避けながら前に進んだ。
「私が行かなくっちゃいけないのよ。もう」
思うように先に進めない。やっとの思いでその地下通路の入り口にたどり着いたが爆音と熱風が吹き荒れている。
「塗壁君!行くわよ」
錫杖を取り出し
「いくわよ。水無瀬晴海!せっかくのデートを邪魔する妖怪お祓いしちゃうわよ!」
三回地面を叩き、遊環を揺り鳴らした。
髪はもり盛り上げられリボン、フリルのあるゴスロリの法衣へ厚底の編み込みブーツ姿へとキラキラと晴海が輝きだす。錫杖は小さな黒い日傘へ、遊環の四つが離れ手足に巻き付き、晴海を変えた。
晴海の脇を何者かがすり抜けていったが気がつかなかった。
奥へ進んだ晴海が見たものは根角が気を失って倒れて姿だった。
「根角が倒されいる。どういうこと」
パトカーのサイレンが聞こえてきた。
晴海は根角を調べてメダルがない小に気がついた。久遠が駆け寄ってくる。
「晴海様、すごい!もう倒しちゃったんですか」
「久太郎違うの倒されていたのよ。私が来るまでに瞬殺よ。参っちゃう」
根角は警官たちに連行されていった。
「誰がこんなことしたと言うんですか。晴美様見てなかったんですか」
「私が来たときにはほかに誰もいなかったわ!!!大変デートの途中よ。久太郎あとは任せた」
晴海は大急ぎで去っていった。
楠木正成の銅像のところへ行くと晴明が立っていた。
「ずっとここで待っててくれたのごめん」
「いや、今来たとこだよ。用事は済んだの」
「ええ、よくわからないけど終わったわ」
「それはよかった。でもあんまり危ないことしちゃダメだよ」
「?!」
「ごめん変なこと言って」
湊川に沿って北上していく二人
「素敵な山並みね」
「きっとこの景色が好きで清盛さんはここに住んだんだろうな。千年たっても変わらないや」
「変な晴明、千年前もここにいた見たいじゃん」
「晴海、ほんとのこというけど、驚かないでね。ピコーナ!」




