第五話 狼との戦い前編
side-ファティ
戦いが始まりとまず狼が咆哮をする。その爆音と音風で動きが止まりその隙を炎を纏った爪で突かれるがなんとか変態神(転生の時の神を主人公はそう呼んでいる)謹製の刀はすごく,なんとか受け流せた。
が,反動でそこそこ飛ばされる。追撃に炎の魔術,ついでと言わんばかりに私の苦手な聖の魔術を放ってくる。なんとか魔力干渉で結界を張って防ぎ体勢を立て直し攻撃を避ける。
反撃に血霊鬼の魔眼で攻撃を始め,闇の魔術を使い攻撃する。この感じだと詠唱系の魔術は使用不可。魔力干渉や七素魔術で対応するしかないか…。近づかないと刀で斬れないんだ。なら相殺だけに力を裂くか…。
「ッ!」
なんて考え事をしてると狼が青白い炎を纏いものすごい速さで私の前に来て爪で切り掛かってくる,それを受け止めきれず右腕に当たる。利き腕に当たったのはヤバいな〜なんて思いながら反撃をするが普通に防がれる。
「血鬼魔術:血の花」
魔術を発動させ傷を癒す。すぐに刀に闇魔術を纏わせ斬りにいく。
防ぐ,防がれるの攻防を数分続けると狼が聖魔術で私を捕らえ,光線を浴びせ,さらに口からなんか吐いてきた。多分ブレスかな?なんて悠長なことを考えてる暇はない。今は重症。なぜかステータス的にも近づかれてる。なんとか刀の性能で勝ってる感じか?にしてもさっきの魔術は詠唱が必要なはずなんだが…していた様子はないか。ただ発動には時間がかかるんだろうな。ここは博打かな…
ー我新たなる鬼の一族の霊であるー
狼が驚愕し足を止める。そりゃそうだなんせ詠唱魔術を使うとは思っても見なかっただろう。まぁこの隙は有難いので斬る。さらに闇魔術の準備もする。
ー新たなる時代を開く鬼の霊ー
動揺からすぐに立ち直り,傷を治し終えている狼。もちろん反撃もあり炎魔術が飛んでくる。発動準備をしてた闇魔術でそれを相殺。相殺できなかったやつは剣風でかき消す。
ー新たなる鬼の一族の発展を望み安泰をもたらす鬼の霊ー
神聖魔術も混じってきた。それは基本避け,剣風でかき消す。闇魔術だと相殺できないので風や雷の魔術を使う。爪での攻撃もあり,この状況を保つのが精一杯。頭がパンクしかねない。
ー鬼は災いをもたらし力を誇示するー
ブレスを放ってくる。厄介なことに聖の属性が含まれてるので魔力干渉で結界を張ったり風魔術の結界を張る。魔力干渉は相手が邪魔してきて強度が不安なのだがブレスは放たれる。
ー鬼の霊は神門を開かんとし進みー
結界だけでは耐えきれずまたもや剣風に頼る。が,魔術の嵐の中かなり体力を消耗しており,脳が耐え切れるか怪しい。まぁ気合いか…。
ー鬼道華仙に辿り着くー
攻撃が当たり始めてきたので結界を張る。風の結界はスムーズにいくが魔力干渉の方は厳しい。でもやんないと簡単に結界突破されるからやらざるおえない。けど狼の詠唱魔術はそろそろ完成してもおかしくない。発動が間に合うかどうかでこの後の戦いに影響してくる。
ー神守鬼門を開き我が一族に鬼の霊の守護をもたらしー
MPの消費がキツくなってきた。けど狼の炎の威力は上がってきてる。それに結界を張っており,攻撃が通らない。こっちは後ろからくる魔術の対応もある。相当不利か。
ー不屈の力を手にし栄光の華を捧げるー
狼は神聖魔術の発動準備が完了し,私の周りに魔法陣が展開されてく。鎖が出てきて私の行動を制限していく。けど,間に合った。
ー鬼神風波・守護結界ー
その瞬間,私を中心に風が発生。結界を構築し狼の魔術を飛ばしていく。この結界を張るときには衝撃波と風の刃の嵐が起こるので攻撃にもなる。それにこの結界はMP30000を込めているので狼の詠唱魔術でも収束させた攻撃じゃない限り破れないし,収束させたら避けられる。次はこっちの番だ!
狼さんは念話使うとMP減るので喋りません。そもそも戦闘の時にしゃべれるのがおかしい。特に実力が拮抗又は上回れていたら尚のこと。というわけで詠唱魔術以外は基本喋りません。自分を鼓舞するとかの目的ではあるかも?