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35話 変態、お嬢様にいっぱいお話しされて話オワタ

今作は、色んなやりたいことを詰め込んだある意味オムニバス形式でお届けしております。

今回は、いつかやりたかったお話です。

今、俺の目の前に金髪ふんわりウェーブ髪お嬢様がいらっしゃる。


「更科夏輝様、お迎えにあがりました」


彼女はそう言った。

めちゃくちゃ高級そうな制服に身を包んだ彼女は静かにほほ笑み、カーテシー、だっけ? なんかスカートつまんで挨拶してきたんですけど。

瞳はブラウンでめちゃくちゃ大きく、ほかのパーツは小さくフランス人形みたい。見たことないけど。イメージイメージ。



多分、変態だ。

俺の前に現れた美女がこんなまともなはずがない。



「少女漫画のヒロインになりたいが為に幼馴染を偽造する女、弟の食べた後の串をパッキング&ラベリングしてコレクションする姉、兄を盗撮した写真で部屋を埋め尽くす妹、肌色の写真を送り続ける姉妹、あなたはどれですか!?」


俺の出せる最強の手札変態ファイブカードで勝負をかける!

あれ……なんだろ? 目から水分が……

そんな水分まみれの目でお嬢様を見つめるとお嬢様は顔を真っ赤にして白くて小さな手で仰いでいる……え?


「は、肌色の写真って、その、は、はだ……言えません!」


まさか……これが噂に聞く普通の女か! オレハジメテミタ!


「す、すみませーん! ウチの女性陣がとっても変なもので警戒してしまっていましたー!」

「まあ、そうでしたか。うふふ……確かに変わっていらっしゃいますね」


奇跡が、起きている……! 変態を認識できる美女に生きてる間に出会えるとは。


「あ、あのぅ……あまり見つめないでください……照れます」


ヤッダーバァアァァァァアアアアア!

7ページ半なんてレベルじゃねえぞぉ! 約9万文字にしてようやく第一普通の美少女発見! え? 普通の幼馴染美少女? りりさんのことは思い出させないで泣くから!


「申し遅れました。わたくし、御剣帆乃夏と申します。以後お見知りおきを、更科夏輝様」


丁寧。そして、適切な距離! 眼鏡も見習え! この慎まし気な距離!

そして、何も獲ろうとせず、撮ろうとせず、幼馴染だと言い張らず!


「お会いできて嬉しいです。その、ずっと会いたくて、夢にも出てきて下さるくらいでしたから」


普通に適量、頬を赤らめる美少女。俺、この話が終わったら彼女と……。


「それで、いつ結婚します?」



え? なんだって?



「あらやだわたくしったら先走ってしまいました。でも、こういうことは早めに考えておいた方が良いと思うんです。わたくしはもう準備万端ですわ。二人の愛の巣ももう用意してあります。愛の巣はちょっといやらしい感じがしますわね。二人の帰る場所というべきですね。もちろん庭付き一戸建てです。だって、子供達を育てるにはやはり庭は必要だと思うんです。夏美は女の子なのに活発ですし、夏彦も家で本ばかり読んでないでたまには外で元気いっぱい遊んでほしいですものね。でも、わたくし思ったんですけど、旦那様はちょっと子供たちを甘やかしすぎではないかと思うんです。夏美がバスケットゴールが欲しいと言ったら、買ってあげたり夏彦に旦那様も大好きな◯カチュウのあのゲームと機械を一緒に買ってあげてたでしょう。わたくし、◯mazonで調べたから値段とかも知っているんですよ。全くもう……。もちろん子供たちを大切にする旦那様は素敵ですわ。でも、やっぱり、そのぅ、妻も大切にすべきだと思うんです。お付き合いしたての頃はいろんなところに連れて行って下さったじゃないですか、初デートは映画館で恋愛映画なんてベタなチョイスだとわたくし実はちょっと思ってしまっていたんですよ。でも、あなたがあんなに一生懸命恋愛映画を見て涙を流して、本当にかわいいと思って、思えばあの時すでに惚れ直していたんでしょうね。二回目の水族館ではわたくしに大きなスナメリのぬいぐるみを買ってくれましたね。二人の部屋にあるアレです。さみしいといけないからって三か月記念日にもう一匹買ってきてくれましたよね。あなたのそういう優しさ本当に素敵だなと思います。あなたのくれたものは全部とってありますよ。指輪も手紙もわたしが元気ないときに折って話しかけてくれた折り鶴だって……あらやだ、脱線してしまいましたね。つまりは、わたくし、その、旦那様とデートに行きたいんです。子供達もたまには二人で行ってきたらって。ふふ、夏美はちょっとほっぺた膨らませてましたわ。あのぐらいの年頃の子はお父さんが理想の男性像だったりしますからね。あ、わたくしの理想の男性像はずうっと旦那様です。わたくし、旦那様の動画を見つけてからずっとすべての動画を夢中になって見て、旦那様の事一生懸命知ろうとしていたんですからね。あ、これはずっと秘密にするつもりだったのに……でも、もう結婚して二十年ですからいい頃合いかもしれませんね。そうなんです。わたくし、学生の頃から旦那様に夢中でしたの。鋼の勇者様との共闘は胸が熱くなりましたし、他の女性を優しく助ける姿には嫉妬もしました。一般の方が撮られた大発生の時片腕をなくされた映像には心臓が止まるかと……でも、他の方の動画で無事を知りほっとしました。新しく動画を作られるのを止めた時は本当にショックでした。でも、まさかご家族がそんなことになっていらっしゃるなんてあの時は知らなくて、でも、それを知ってから益々思いは強まりました。旦那様の力になりたい。そのためにもっといろんなことを学ばなきゃって……旦那様の隣に並び立てる女になる為に頑張りました。並び立った時の妄想なんかも、ちょっと、ほんのちょっとですよ。したりしました。きゃ。言ってしまいました。で、でも、破廉恥なことは想像していませんよ……ほんとぅですよ? そ、それは勿論結婚した時点で状況は変わりましたけど、それは旦那様も同じでしょ? でも、わたくしはうれしかったですよ。それに……夏美と夏彦とも出会えたわけですし。家族って本当に素晴らしいですわね。……でも、わたくし心配もありますの。家族思いの旦那様だから、またわたくしの制止を振り切ってダンジョンに潜ることがあるということは分かっていますし、覚悟もしております。でも、やはりそれでも心配なのです。わたくしがダンジョンでボスにとらえられた時の旦那様のあの表情を見ると……嬉しくもあり怖くもありました。無理だけはしないでください。わたくしは旦那様の妻となった時点で、いえ、旦那様を愛すると決め、御剣学園にお誘いすべくお迎えにあがると決めたあの時から、わたくし自身が弱点になってはいけないと心身を鍛えてきたのです。勇者である旦那様の為に。うふふ。あ、やだ、わたくしったら、顔が熱くなってきてしまいました……。あ、そ、そういえば、二十年の記念旅行はどこにしましょうか? 新婚旅行と同じ海外にします? でも、あの時みたいに急なダンジョンの発生に立ち会うのは御免ですわ。それもまた一つの思い出ではありますけど。三年記念の京都? 五年記念の北海道? 十年の時の出雲そば食べ歩き旅行もいいですわね。旦那様おそば大好きですものね。十五年の時の沖縄も悪くないかもしれません。ちょっとグレてた夏美が、あの時久しぶりにお母さんって呼んでくれた思い出の地でもありますからね。それか、毎年の夏の家族旅行で行ってる千葉にします? ほら、夏彦が珍しく興奮してたターザ◯アとかいいんじゃないですか? 旦那様がダンジョン以外の場所でも活躍するの見てみたいわ。大丈夫ですわよ、まだまだ現役冒険者ですもの。うふ……二十年か、お付き合いして、結婚して、子供が生まれて、家を建てて、わたくし、幸せいっぱいすぎておかしくなりそうなくらいの人生……という、わたくしのイメージトレーニングはバッチリですので、いつでもお付き合い結婚できますわ。ご安心ください。ただ二人の明るい未来の為に、是非御剣学園で冒険者としての能力を高めていただきたくお迎えに上がりましたわ、夏輝様、いえ、旦那様」





え? なんだって? マジで。

お読みくださりありがとうございます。

いつかやりたい話がいい話だといつから錯覚を……すみません、やってみたかったんです。楽しかったです。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


よければ、☆評価や感想で応援していただけると執筆に励む力になりなお有難いです……。


よければよければ、他の作者様の作品も積極的に感想や☆評価していただけると、私自身も色んな作品に出会えてなおなお有難いです……。


いいね機能が付きましたね。今まで好きだった話によければ『いいね』頂けると今後の参考になりますのでよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] めだか箱www
[良い点] 御剣帆乃夏さんの話の半分も頭に入ってこなかったけど、この流れはすっごい面白ろかったです!
[良い点] 長い!長い!長いぃぃwww
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