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⑤R指定が厳しめなのに、他は緩すぎる

 さすが映画大国ということだけあって、今は10ドル程になっているらしいが、当時は映画館で5ドル程で映画が見れた。日本の料金と比べたらかなり安い。映画好きな私は当時のアメリカの映画館で10個近くの映画を見た。もちろん字幕なんてない。マジで何言ってるか全く分からない。そこで学んだのは、アクション系の映画は言ってることが意味分からなくても結構楽しめる、ということだ。サスペンス系などセリフが重要になる話になると、本当にマジで意味がわからないまま何の物語だったのかさえ分からずに2時間が終わる。その中で聞き取れる英語とかがあればかなり嬉しい。英語の勉強にはもってこいだと思われる。このアメリカという国は日本に比べて映画のR指定がかなり厳しい。例えば日本で15歳のR指定ならアメリカでは12歳のR指定などになっていることがほとんどだ。R17だった「エクソシストビギニング」を当時見に行った私は、黒人のスタッフに「君、17歳になってないよね?」と怖い顔で言われ入場場所で止められた。21歳です、と答えどうにか入ることは出来たが、ここにアメリカの映像に対するR指定の厳しさを痛感した。アジア人はアメリカのような西洋人の国へ行くとかなり幼く見られる。これがいいのか悪いのか分からないが、困る時が多々ある。そんな厳しさを持ってはいるのに、衝撃的な緩さだったのはバスの運転手。一人でバスに乗ってハリウッドへ向かっている時、バス停でもない場所で急にエンジンが止まり、停車した。もちろん大勢の客達を乗せている。バスの運転手がアロハシャツを着て運転しているという事だけでも衝撃的だったのに、その運転手のおじさんが急にバスから降りコンビニへ入っていったのだ。何が起こったか分からない私はかなり戸惑い「どうしよう!! 何かの事故!?」と心の中で叫んだ。しかし、ここでおろおろしても仕方ないし、とりあえず様子を見守るに事にした。他の客達は何事もなかったかのようにその場で静まりかえっている。まるでいつもの日常といった感じだ。そこで戻ってきたのがコーラを片手に持っているバスの運転手。するとそのおじさんはコーラをプシュッと開け、一口飲むと何事もなかったかのようにまたバスを発信させたのだ。何が起こったのか私は考えた。一瞬ではどういう状況なのか全く分からなかったのだ。アナウンスも流れないし、流れても英語だからきっと分からないけど。そしてやっと数分後にこれはきっと、ゆるゆるアメリカンスタイルか!!と気が付いた。今思えば、時刻表に合わせた時間調整だったのかもしれない。けれども日本では到底考えられない光景だった。だってもし日本の運転手が時間調整でその辺の自動販売機にいきなりバスから降りて行って、コーラ買い出したらどうする? 一歩間違えればニュースになりその会社の存亡も危うくなる危機かもしれない。しかし、アメリカではそれが当時の当たり前だった。今もそうなのかは分からないが、そういう文化の国なのだ。もちろん誰も文句なんて言わない。当たり前のようにじっと待っている。今でもテレビや映画では、アメリカの警察が制服のままハンバーガーを食べているシーンなどをよく見かけたりもする。日本じゃ考えられない行動だ。両局面にいいところ悪いとこがあるのかもしれないが、自分の根本的な今までの価値観が打ち下されていくものだった。

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