表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/9

④人目を気にせず、今を楽しんでいる

 これはとにかく目から鱗というものだった。それ程にびっくり衝撃だった。このホームステイ期間中、ユニバーサルスタジオやディズニーランドのテーマパークに足を運んだ私は、ここでの衝撃は今まで生きてきた人生の価値観を揺るがすものだった。アメリカ人はとにかく「今」を楽しむ。年齢など関係ない。ノリがいいと言えばそれまでだが、そのような一言で済む事ではなかった。大人から子供までとことんその場所を楽しんでいるのだ。例えば、私が見たのは、「ウォーターワールド」のショーでの客席。それは客席にも水がかかるショーだ。日本でも見たから分かる。全くと言っていいほどノリが違う。自ら水にかかりにいく客達。客同士で水鉄砲を打ち合う者達。日本人が「ひーー!!」となるならば、アメリカ人は「イエーーイ!!」なわけだ。それもめちゃくちゃ嬉しそう。なんだこの国は。

 他にも衝撃を受けたのが、そのテーマパークの中でエスカレーターを逆走するパンク頭の少年。そのツンツン頭の細い少年は、とにかく一生懸命エスカレーターを逆走している。もうめちゃくちゃに頑張って走っている。恐らく見た目からして反骨精神が強い少年だったのかもしれない。エスカレーターなんか便利な物に乗って楽々上になんて行きたくないぜぇ! と声が聞こえてきそうな少年だった。ほとんど進んでないけど。そんな少年だけでも衝撃を食らったのに、もっとぎょっとしたのは、周囲の反応。なんと周りの大人達が彼をめちゃくちゃ応援しているのだ。それは日本人の私にとって考えもつかない光景だった。「ヒューヒュー」と言いながら拳を突き上げ、そのパンク少年をめちゃくちゃに後押しをしている。「もっと行け!! 走れ、突っ走れ!! どんどん行けぇ!!」なわけだ。もしここが日本だったら……想像はつくだろう。

 この光景を目にして、私は思った。アメリカ人ってめっちゃ楽しそうやん……と。ここがテーマパークという場所だったというのも大きいだろう。けれども、その場所をとにかく楽しんでいる、楽しむ度合いは大人も子供も全く関係ない。見ていてこちらも楽しくなる程の盛り上がり方。感情を表に表現すること、言葉に出すこと、その場所をとことん楽しむこと、私ももっとやっていこうと心底思ったのはここからだ。エスカレーター逆走、万歳!! ここはテーマパーク。それぐらいの気持ちがあってもいいじゃないか!! いや、危ないからやらないでね。

 体いっぱいでその喜びを表現する。そうダンスの文化もある。どこでも踊る人々。どこでもクラブ状態。子供も大人も関係ない。楽しむ場所ではとことん楽しむ文化。私はそれからたくさん踊るようになった。ライブでもそうだし、一人でもそうだ。適当にただ音楽に合わせて体をゆらす。酔っぱらえば一人で踊りまくっている時もある。ここは日本だし、ダンスの文化もないが、ええじゃないか。だから誰かが一人で踊っていてもそんな目で見ないでほしい。私かもしれないし。

 喜びも体いっぱいで表現するが、それは悪い時もそうだ。ドジャース戦を見に行った時は、敵チームにバッドポーズをして「ウーー」と言っている。とにかく表現方法が激しい国、アメリカ。見ていて面白い。

 人目を気にするなと言われても気にしてしまうのが日本人だと思う。けれども、この国へ来て私は変わった。自分が楽しいならそれを我慢せずにガンガン表現する。その瞬間は今しかないのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ