カメの必殺奥義
「おいカメー!さっきの技は効かんぞー!」
そういって王と乙姫は大きな盾を取り出した。せっせと地面に固定をはじめ、みるみるうちに重厚になっていった。
「おいカメ、さっきの技はもう効かないらしいぞ。」
「大丈夫です太郎さん。」
「カメ・・・。」
カメは自信満々だ。
「必殺奥義!」
カメは独特なモーションでエネルギーをチャージしていく。だんだんとその動きに残像が現れ始め、カメは稲妻を体にまとい始めた。
「あれはまさか・・・禁断魔術!?」
そう。この竜宮城にいる誰もが、代々習得を避け続けてきた伝説の禁断魔術が今、開放されようとしていた。最強のエネルギーをため込んだカメは叫んだ。
「魂電永年死罪法!!!」
「こ、魂電永年死罪法!?」
限界までチャージされたエネルギーボールは表面に青白い稲妻を何本も走らせており、今にも炸裂しようとしていた。
「時よ止まれ!!」
乙姫は謎のまがまがしい本を開き、時間の流れを止めた。
「おまえ、そんなことができたのか。」
「なっ!?」
しかし、浦島にだけは効果がなかった。
「時間停止魔法が効かないだと・・・!?」
「悪かったな・・・。おれ、時間に縛られない男なものでね。」
度重なる寝坊と遅刻。そしてそれらを全く反省しないふてぶてしいメンタル!時間に縛られない男浦島は時間停止を無効化した!
「アンチ・タイムバインド!!」
ダメな生き様を周りに見せつけ、まじめな人間の真面目な人生のモチベーションを削ぎ続けた堕落の道連れスキルが覚醒し、全ての時間停止を解除した。
「なんだこの男は・・・?」
「たとえ俺が人生に立ち止まっても、時間は進み続ける!」
「馬鹿やろー!!!」
次の瞬間、カメの魂電永年死罪法が発動され、莫大なエネルギーが解放された。見たこともないような眩しい閃光が空を照らし、少し遅れてとんでもない破壊力の衝撃波が、めくれ上がる地面の破片を抱え込んで近づいてきた。
「だから止めたのにいいい!!!」
「うわあああああ!!!」




