【短編】スキル『遡り』では役に立てないと思い、パーティを抜けようとするものの、皆に全力で止められました。
初めての短編小説に挑戦です!
暖かい目で読んで頂けると嬉しいです。
それでは、お楽しみください!!
「あの……私、パーティを抜けようと思うの!」
・・・・・・・
「 「 「 「ファッ!?!?」 」 」 」
休日の昼下がり、拠点である宿屋にてパーティのメンバーは素っ頓狂な声をあげて驚いた。
まさか自分達のパーティから抜けたいと言う人が出るとは思っていなかったのだ。
「ま、待ってくれ! 理由を、理由を聞かせてくれ!
今まで同じ村の幼馴染み同士、ここまで頑張ってきたじゃねぇか!」
焦り気味に問いかけたのは、このパーティ『絆の誓い』5人のリーダーであり、剣士のディノだ。
他のメンバーも同様に問いかけようとする。
「その……私、ポーターとしても二流だし、それにこのパーティはもうすぐAランクになる……
せっかくのスキルだって全然使えないし、足でまといになっちゃうよ……」
「ミラティ……そんな事、誰も思ってないわよ。
ここにいるみんなでAランクにならないと、意味が無いじゃない!!」
「そうですよ、アリアの言う通りです。
どうか考え直してください、貴女が抜けたら寂しいじゃないですか……」
自信が無さそうに答えるミラティに、魔法使いのアリアと回復役のリーリエが宥めようとする。
「あの…さ、ミラティのスキルの、『遡り』……だっけ?
アレって対象物を過去の状態に戻すスキルだったよね?」
そう聞いたのは最後の一人、重戦士のグランである。
「うん……そのせいで、せっかく上がったリーリエちゃんのスキルレベルを前回の遠征の時に、下げちゃって……」
前回の失敗を思い出し、暗い顔をするミラティ。
「あんな事、気にしてないって言ってますのに……」
「ごめん。僕は別にそんなつもりで言ったんじゃなくて、その『遡り』を僕のスキル『咆哮』に全力で使ってみてくれないかな?」
グレンの提案にパーティの全員が首を傾げていた。
そんなメンバーにグレンは問いかける。
「皆はさ、古代魔術って聞いた事ある?」
「まぁ、アタシは魔法使いだし、知識としては多少知ってるけど、詳しい訳じゃないわ……」
「俺は聞いた事あるけど、その程度だな」
ミラティとリーリエは知らないと、首を横に振る。
「これは本で読んだんだけどね、僕らの持っているスキルって言うのは、古代の魔術が後代に受け継がれる度に劣化していった物らしいんだ」
「 「 「 「 (コクコク) 」 」 」 」
全員が頷いたのを確認し、グレンはそれで、と続ける。
「僕のスキル『咆哮』はみんな知っての通り、魔獣の注目を集めるスキルだ。
みんなに危ないから使わないようにって言われてるからほとんど使うことが無い。
でも、これにミラティの『遡り』を使い続けたら、もしかすると何かしらの古代魔術になるんじゃないかと思うんだ」
「なるほど、それは考えた事無かったわね……
でも、やってみる価値は充分あるわ!」
「面白そうじゃねぇか!
ほらミラティ、やってみないか?」
「う、うん。やってみる!」
こうしてミラティのスキル検証が始まった。
◇─◇─◇─◇─◇─◇─◇─◇
スキル検証のために、『絆の誓い』の5人は王都の外れにある比較的魔獣が少ない森の前まで来ていた。
「よし、じゃあ僕がスキルを発動させるから、それと同時にミラティも『遡り』を使ってね」
「分かった……!」
何かあると行けないという事で、ミラティとグラン以外の3人は近くにある岩の影に隠れて様子を見ている。
「【咆哮】!!」
「……【遡り】!」
グランの『咆哮』とミラティの『遡り』が発動した。
すると、グランの『咆哮』が徐々に聞こえなくなる。
「なんか、音が聞こえなくなったわね。
どういう原理なのかしら……」
「正直、当事者じゃねぇから分かんねぇな」
「最終的にどうなれば成功なんですかね……」
岩陰に隠れている3人は心配そうに2人を眺めている。
『咆哮』が聞こえなくなってしばらくすると、少しずつではあるが、また『咆哮』が大きくなってくる。
そして次の瞬間……
「グォァァァアアア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!」
「キャッ!!」
グランを中心にとてつもない衝撃が辺り一面の空気を震わせる。
その衝撃により、1番近くにいたミラティは吹き飛ばされてしまう。
「ちょっ、な、何よアレ!
ヤバいわよ! これ大丈夫なの!?」
「すげぇな、ちょっとブルっちまったよ……」
「それよりミラティは……!
あ、いました! 【外傷回復】!」
岩陰に隠れていた3人も『咆哮』の衝撃に驚いた。
リーリエだけは吹き飛ばされたミラティを回復させる。
衝撃が収まると、グランは吹き飛ばされたミラティの元に駆け寄り、嬉しそうに告げる。
「やったよミラティ!!
僕のスキルが見た事のないスキルになってる!
大成功だよ!! ほら、皆も見てみなよ!」
興奮したグランは自分のステータスボードをパーティのメンバーに開示する。
今まで『咆哮』だったスキルがこう書かれていた。
『終焉の咆哮』
「なぁ、これ大丈夫なやつなのか?」
「魔法学園にいた頃に文献で読んだ『竜の咆哮』ってやつよりも遥かにヤバそうなんだけど……」
「でも、これで証明されましたね。
ミラティ、皆のスキルにも『遡り』使ってみませんか?」
「い、いいの……?」
パーティメンバー全員からの賛成を受け、それぞれのスキルへ『遡り』を使ってみる事が決まった。
その結果は次の通りである。
【 『遡り』前 】
〜ミラティ〜 | 〜ディノ〜
|
・『遡り』 | ・『属性付与』
|
・『重力軽減』 | ・『超加速』
────────◇────────
〜グラン〜 | 〜アリア〜
|
・『咆哮』 | ・『索敵』
|
・『鉄壁』 | ・『二重詠唱』
────────◇────────
〜リーリエ〜
・『外傷回復』
・『状態異常回復』
【 『遡り』後 】
〜ミラティ〜 | 〜ディノ〜
|
・『遡り』 | ・『剣神の加護』
|
・『無限収納』 | ・『時間超越』
────────◇────────
〜グラン〜 | 〜アリア〜
|
・『終焉の咆哮』 | ・『転移』
|
・『絶対城壁』 | ・『混合魔術詠唱』
────────◇────────
〜リーリエ〜
・『蘇生』
・『聖女の加護』
全員のスキルへの『遡り』が終わった。
その結果、『絆の誓い』のパーティメンバーは皆、一喜一憂していた。
「なんで『超加速』が『時間超越』になるんだよ……
それにこの『剣神の加護』ってスキルなのか?
聞いた事すらねぇし、リーリエも加護になったよな?」
「ええ、『聖女の加護』というスキル? になりました。
それと、もう1つのスキルなのですが、『蘇生』ってなかなかどうして、禁忌に触れてると思うのですが……」
「細かい事は気にしてもしょうがないわよ!
そんな事より見てて!!」
アリアはそう言うと、新しくなったスキルを皆に披露しようと前に出る。
「行くよ〜! 【転移】!!」
スキルが発動した瞬間、アリアはメンバーの前から一瞬で姿を消した。
しばらくすると、アリアがまたメンバーの前に突然現れた。それも、大量の串焼き肉を持って。
「すごい! すごいよこのスキル!
これね、ついさっき拠点の近くの串焼き屋で買ったの!
あ、これ皆の分の串焼きね!」
アリアは全員に串焼きを配り、貰った人からその場に座って串焼きを頬張る。
「それにしても、皆かなり強化されたね、本当に良くやったよミラティ。君のおかげだ!」
「あ、う、うん! ありがとう……」
ミラティは初めて皆の役に立てたと、照れてはいるが内心では大喜びしていた。
そんなミラティにディノが声をかけた。
「そんな訳でだな、ミラティ。
リーダーの俺からもお願いしたいんだが、これからも一緒に俺達と冒険してくれねぇか?」
「うん、うん、一緒に行く! 私のスキルも強くなったし、これならいっぱい役に立てる。
不束者ですが、これからもよろしく!」
そのミラティの発言を聞いて、他のメンバーは胸を撫で下ろした。
「ミラティも無事にパーティに居てくれるって言ってるしさ、アタシ早く依頼受けてスキルを試したい!
ね〜え、行こうよディノ〜!」
「分かった! 分かったからそんなに揺らすな、さっき食った串焼きが 「こんにちは」 しちまうだろ!
ただ、皆のスキルを試したりしないと危ないから明日な」
「は〜い……」
なんだかんだあり、翌日に冒険者ギルドで試しに軽い依頼を受ける事になった。
その後も、辺りが暗くなるまで全員が自分のスキルの試し打ちを繰り返すのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
翌朝、冒険者ギルドにてディノは依頼を探していた。
「なんて言うか、スキルを試せそうな依頼がねぇな……
オーガの討伐依頼でもありゃ、受けたんだが」
「おはようございます。今朝は随分とお早いのですね。
何か依頼をお探しでしょうか?」
ディノに声をかけたのは、冒険者ギルドの受付窓口にいる女性、通称"受付嬢"である。
「実はさ、かくかくしかじかで……」
「かしこまりました。実は丁度良い依頼が何件かあるのですが、ご覧になりますか?」
「頼むよ、何件か見せてくれ」
「かしこまりました。では、こちらの窓口へどうぞ」
ディノは案内されるがまま窓口へ向かい、受付嬢から渡された依頼数件を見てみる。
「ロックリザード、ゴーレム、面倒臭い奴ばっかだな……
おっ、これならいいな。受付嬢さんこの依頼受けるよ!」
「ありがとうございます。
では、手続きをしますので、もうしばらくお持ちください」
そう言うと、受付嬢は手際よくいくつかの事務仕事をこなし、窓口に戻って来る。
「では、こちらの依頼が受理されましたので、こちらの書類は無くさないようにお持ちください。
依頼された場所への乗り合い馬車は、本日は午前10時と午後3時の2本ですので、お気を付けください」
「ああ、ありがとう!」
ディノが受付嬢から貰った書類の内容は以下の通りだ。
──────────────────
〜〜討伐依頼〜〜
・ワイバーン1体の討伐または撃退
【報酬】
・討伐 金貨30枚
・撃退 金貨10枚
【特筆】
・住処の近くに町があるため、混乱を避ける為にギルドは信頼のできる冒険者にのみ、この依頼を開示する事。
・依頼を受けた冒険者は、当依頼書の内容はパーティのメンバー以外の者に無闇に公開することを禁ずる。
──────────────────
その他は細かい注意事項や、ワイバーンの住処の場所等が書いてある。
「よし! んじゃ、皆を起こして馬車に乗るか!」
◇─◇─◇─◇─◇─◇─◇─◇
時は昼前、『絆の誓い』のメンバーは乗合馬車に揺られながら、作戦会議などをしている。
乗合馬車とは言うものの、滅多に人が訪れる事がない目的地なので、実質貸し切り状態である。
「うぇぇぇぇ……朝ごはんが 「こんにちは」 しちゃう……」
「相変わらず馬車に弱ぇよな、アリア……
昼頃には目的地に着くだろうから、絶対ぇ出すなよ?」
「アリアちゃん、お茶……飲む? 【無限収納】」
ミラティは『無限収納』から水筒を取り出して、アリアに渡す。
「ありがとうミラティ……ただね、飲んじゃうと、確実に 「こんにちは」 しちゃうから耐えるわ……」
馬車に揺られること数時間、パーティメンバーはワイバーンが住み着いたとされる森の前に到着する。
「まずは手っ取り早く住処を探すわ! 【索敵】!
は使えないんだった、どうしよ……」
今まで使い慣れていたスキルが『遡り』により変わった事を思い出すアリア。
ここで、以前『転移』を使った時の事を思い出す。
「そうだ! 【転移】……をキャンセル!
よし、分かったわよ! ここから南西に真っ直ぐ向かった所にいるわ!」
「さっきのは何をされていたのですか?
『索敵』はもう使えないはずでは……?」
「これはあくまでアタシの予測でしかないんだけど、元々アタシのスキルだった『索敵』は『転移』を使う工程の1つだった。
それが長い時を得て、一番最初の『索敵』の工程しか残らなかったんだと思うわ!」
だから『転移』を途中でキャンセルすれば『索敵』と似たような事ができるのだと言う。
「なるほど、もしその仮説が本当なら、以前の僕達のスキルは無くなりはしたけど、使えるかもしれないという事になるね……」
「実は言うと、私の『聖女の加護』も『状態異常回復』が使えるの。
それ所か、どういう訳か回復系のスキルが全て頭の中に入っていると言いますか……」
「リーリエもか、俺の『剣神の加護』も似たような感じなんだよ。
まぁ、小難しい話は置いといて、まずはワイバーンの方へ向かうぞ」
リーダーのディノを先頭にグラン、リーリエ、ミラティ、アリアの順に隊列を組み、森を進行して行く。
しばらく歩くと、1箇所だけ木々がなぎ倒された少し広めの空間を見つける。
「ここだな……いたぞ、ワイバーンだ。
んじゃ、作戦通り行くぞ」
「 「 「 「 (コク) 」 」 」 」
5人はお互いに目を合わせ頷く。
こうして、ワイバーンとの戦いの火蓋が切られた。
最初に駆け出したのはグランだ。
「行きます! 【絶対城壁】!
よし! 発動したな、リーリエ!!」
「はい! 【聖結界】!
皆さん結界から出ないでくださいね!」
リーリエが回復系のスキル『聖結界』で常時回復効果のある結界を作り出す。
結界が貼られた事を確認したグランは『絶対城壁』により作り出した、恐らく最高峰の防御スキルの壁前に走り出す。
「これなら大丈夫ですよね。【終焉の咆哮】!」
スキルが発動した瞬間、前回とは比べ物にならない破壊の嵐がグランを中心に巻き起こる。
「グロォァァァアアア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!」
『グギュァア!?』
ワイバーンは突然全身を打ち付ける衝撃に訳が分からない様子で暴れる。
「よし、今です! アリア! ディノ!」
「時間稼ぎは任せたわよ! 【混合魔術詠唱】!」
「任せろ! 【全属性付与】!」
ディノがスキルを発動すると、両手で持っている剣が青白く輝き出す。
「行くぜぇ! オルァア!!」
『ギュァアン!!!』
ワイバーンは身の危険を感じたのか、その長い尾で目の前のディノを凪払おうとする。
「来ると思ったぜ! 【反撃】!」
『グギャン!!??』
グランの一撃が尻尾の先端の鋭利に変化した鱗を切り飛ばす。予想外の一撃にワイバーンが大きく仰け反る。
「アリア、行けるか!?」
「えぇ、待たせたわね! 【雷撃】!」
アリアは『混合魔術詠唱』により、本来はであれば火、水、風、土の4属性しかない魔法を組み合わせる事によって、新たな魔法を生み出している。
今回の『雷撃』も水と風を混ぜ合わせた氷魔法と、風と土を混ぜ合わせた嵐魔法を合わせたものである。
アリアの魔法によって生み出された雷撃は、ワイバーンの翼に直撃し、撃墜させる事に成功した。
『ギュァァァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!』
地に落とされたワイバーンは、目の前にいる人間を近付けさせまいと、近場に倒れている木々を咥えて投げつける。
「ミラティ!」
「うん! 【無限収納】!」
ミラティは飛んでくる木々を全て収納してしまう。
「これは、お返し! 【無限収納】」
『ギュグァァ……』
収納した木材を全てワイバーンの頭の上から落とした。
すると、ワイバーンがようやく大人しくなる。
「【広域外傷回復】皆さん、大きな怪我はありませんね?」
「サンキュー、リーリエ! んじゃラストは頂くぜ!
まだ使ってねぇスキルもあるしな! 【時間超越】!」
スキルを発動させたディノはゆっくり歩いて、ワイバーンの首元に向かう。
「マジで不思議な感覚なんだよな、『時間超越』とは言うものの、ホントに超越できる訳じゃねぇし……」
この『時間超越』は本人の思考速度と身体能力を極限まで高めた結果、スキルを使用した本人が止まった時の中で動いているような錯覚を生むのだ。
「よいしょっと……」
ディノはゆっくりと剣をワイバーンの首に振り下ろす。
すると、剣はまるでバターでも切っているかのごとく、ワイバーンの首を両断する。
ディノはゆっくり振り下ろしているだけでも、実際の速度は光速に等しいだろう。
あくまで身体能力を上げているだけなので、ディノ以外の人間には突然にディノがいなくなり、ワイバーンの首が切れたように見えた事だろう。
ドズゥゥゥン…………
「……やったの?」
「急にディノは消えるし、ワイバーンの首切れるし、訳わかんないスキルよね……
それと……」
4人はディノの方に視線を向ける。
「痛ってぇぇえええ!!! もげる! 全身が飛び散る!」
急激な全身の強化の代償に悶え苦しんでいた。
「何をしているんですか……【外傷回復】」
「すまねぇ、リーリエ! 助か………ってねぇ!!
まだ痛ってぇぇぇえええ!!」
「……? もしかすると筋肉痛の類ですかね?
そうであれば私のスキルは無意味ですね……
気合いで頑張ってください、ディノ」
そんな……と、この世の終わりのような顔をするディノ。
なんとも締まらない最後だが、これが『絆の誓い』らしさでもある。
全員でひと笑いした後、ワイバーンの解体に取り掛かる。
「この大きさを解体するのはなかなか骨だね……
ミラティ、行けるかい?」
「うん、任せて! 【無限収納】」
ワイバーンが丸々一体収納されてしまう。
「ミラティのスキルもなかなかヤバイわよね……」
「大陸中の商人が欲しがるでしょうね……」
「行かないからね……」
「絶対渡すもんかよ……俺たちは5人で一つだ!
今までだって、これからだってな!」
「筋肉痛で死にかけじゃなければ格好良かったのにね……」
その時に流れた『絆の誓い』リーダーの涙は誰にも見られなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
無事にワイバーンの討伐が終わり、依頼主にも討伐完了のサインを貰い、一行は拠点がある王都に戻ってきた。
「はい、ワイバーン討伐お疲れ様でした。
討伐証明部位、確かにお預かりしましたので、報酬の受け渡しまでしばらくお待ちください。
それと、『絆の誓い』の皆様のギルドカードを拝借してもよろしいでしょうか?」
一行は王都に戻ると、まず初めに討伐の報告をするために冒険者ギルドに来ていた。
受付嬢を待ってしばらくすると、
「お待たせしました。ワイバーン討伐による報奨金、金貨30枚と、こちらは皆様の新しいギルドカードになります。
今回の討伐を得て、皆様の冒険者ランクがAランクへ昇格となりました。おめでとうございます。
これからも『絆の誓い』の皆様のさらなる発展を願っております」
「ありがとよ!! これからもよろしく頼むよ!」
そう言うと、受付嬢は深々と礼をして、5人を見送った。
所代わり、『絆の誓い』御一行は行きつけの小さな酒場を貸し切って、宴を開いていた。
「それじゃ!! ワイバーンの討伐成功と『絆の誓い』Aランク昇格を祝って〜!」
「 「 「 「 「 かんぱ〜〜い!! 」 」 」 」 」
彼らにはこれから多くの困難が襲いかかる。
ミラティが悪徳商人に誘拐されたり、リーリエのスキル
『蘇生』を巡り教会と一悶着あったりと波乱に満ちている事を彼らはまだ知らない。
『絆の誓い』はその後、大陸の英雄達と名を連ねる大偉業を成すのだが、それはまた別のお話……
(了)
読んでいただきありがとうございます!
いかがだったでしょうか!?
面白い! 他の短編も読んでみたい!
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感想を書いてくれた方にはウキウキしながら返信させていただきます!
まだまだ至らぬ所はあるでしょうが、これからも短編を少しずつ投稿していこうと思っています。
乞うご期待なのです!!
連載中の小説『ライフ イン ライブラリ』もよろしくです!