【第7回】物語にはロマンが必要だ
浪漫お好きですか?
何年か前に子供にねだられて映画『のび太の南極カチコチ大冒険』を見に行った。
割と初めの方でカッチコチに凍った『地球』の画像がでてきた。ドラえもん(水田わさび)が重々しくつぶやく。
「スノーボールアース………」
マジかよと。
何かすっごい難しい概念出てきたと。
どうすんだよドラえもん!!
その概念さぁ!子供たちに説明できんのかよ!!
『ドラえもん』を見にくる子供なんぞ。
☆泣いてる
☆すぐ「ママー。トイレ!!」
☆スクリーン前で2〜3人跳ね回ってる
こっっっっんなお子様ども相手に!!
NHKスペシャル『生命の起源〜かつて地球は氷の星だった〜』的な。
1時間番組で詳しく説明した上にラスト「地球はまだ見ぬ神秘であふれています………」的にしめるタイプの概念やる気かよ。
本気かよドラえもん!!!
とセリフとセリフの間0.1秒くらい焦った。
すると当のドラえもん(水田わさび)がやはり重々しく
こっっっ難しい概念をこっっっっ難しく説明しやがりやがったんである。
やりやがったなドラえもん!!!!
『アッチャー』である。もう『アッッッチャー!!』である。どうすんのさ未就学児置いてきぼりでよー。
家に帰ってから即ググった。私の趣味はネットサーフィンだ。
ふむふむ。
【スノーボールアース】
全球凍結。地球全体が完全に氷床や海水に覆われた状態。地球が22億年前に1回と7億年前後頃に2回全面的に凍結したのではないかという【仮説】それが原因となってカンブリア爆発(跳躍的な生物進化)をもたらしたとされている。
ナショナルジオグラフィックかよ!!!!
1000歩譲って『カラパイア(サイト名)』かよ。難しすぎるだろうがよ!!!!
だが結果的に言えば何の問題もなかった。
スクリーン前でピョンピョン跳ねてるお子様たち(うちの子含む)は誰も『スノーボールアース』について気にしちゃあいなかった。
子供たちは疾走するソリに。次から次へと出てくる『ひみつ道具』に。絶体絶命のピンチに。ドラえもんたちの友情に。ワクワクし、ハラハラし、涙していた。
『スノーボールアース』という概念は「なんかカッケー!!」以外の意味を持っていなかった。
さっすが『ドラえもん』『のび太の南極カチコチ大冒険』興行収入44.3億円。
エンターテイメントをわかっていらっしゃるわ〜〜〜。
物語には、ロマンが必要だ。
なんか。わかんないけど。『カッコいい概念』が必要だ。
スノーボールアース
相対性理論
11次元
ファラオの呪い
ファティマ第3の予言
ムー大陸
「なんかわっかんないけどワクワクするしカッコいいわー!」っていうのは人を惹きつける。
それで私もせっせと『なんかわかんないロマン』を探すんだけどなかなかうまくはいかない。
最近はNHKBSで『男と女は実ははっきり分かれてなくてスペクトラム状になっている』という事実を知った。
これなら書けるのではないだろうか。『なんかよくわかんない概念』である。男と女の境目がわからなくなるような小説はアイデアとして面白いのではないか。ただこれ『ロマン』ではないな。夢でも冒険でもないしな。
でもこれを元にロマンあふれる話は書けるのではないか?
『サナギ』も私を惹きつける。なぜイモムシが脳までドッロドロになったのに蝶に変われるのか。遺伝子がどのように働くとそうなるのか。
イモムシの『自我』はどのようなもので。
ドロドロの状態の時の『自我』とはどのようなもので。
蝶になったときの『自我』とは何か。
脳までドロドロなら記憶は保持されないはすだが、もし「イモムシの記憶」があるならどこにクラウド保存されているのか。
逆にドロドロのとき『自我』がないならそれは『死んで生き返っている』ということなのか。
イモムシと蝶は『別人』なのか。
これを人間に変えて小説にしたら面白いのではないか。
子供から大人になるとき『サナギ』になる人種が仮にいたとして。その人たちの『私という認識』はどんなものになるだろう。
あ、ごめん。これもやっぱり『ロマン』じゃねえわ。夢でも冒険でもなかった。間違えた。忘れてください。いつかしれ〜っとこれをテーマに書きますよ。やったるわ。ロマンではないけど。
そうだなぁ。
『ツタンカーメン』かな。
『ツタンカーメン』は『忘れられた王』だ。
おとーさんがかなり強硬な宗教改革をした人で、ツタンカーメンはとばっちりを喰らった。
名前も変えさせられてるし、『王名表』からも削られている。
そのため『いなかったこと』になってて結果的に墓が盗掘されなかったのである(正確には1回だけされてる)
偉大な王様になるとめちゃくちゃ盗掘されるし、中にはミイラになった後両腕を切られた王女までいる(腕になんらかの宝飾品をつけていた可能性もあるし、ミイラは薬になるから需要があるんですね)エジプト王家も大変なんである。
このツタンカーメンで1つ悲しい話を書いたら『ロマン』なのではないだろうか。
それと『マダムタッソー』も面白いと思ってるんだよね。
蝋人形師。
この人も相当波乱な人生を送った。
ルイ16世の親族の家庭教師になったかと思えばフランス革命で投獄され、あわや処刑される寸前までいってしまう。
これを翻案して王朝との関わり合いを話にしたら面白い。
デュマの『三銃士』的テイストが出せれば最高だろう。あの小説こそ『ロマン』だ。
いつかお台場の『マダムタッソー』に行けたらいいなー。
ロマンが好きだ。アイディアよ降ってこい!『スノーボールアース』を超えるようなロマンがあるなら是非書きたい。ドラえもんに負けてなるものか。
【次回】『ファンタジーはどこまで作り込むのか問題』
■サナギ→書きました〜。
『セトの星』
https://ncode.syosetu.com/n9034gn/
10月16日朝7時。予約投稿済み。
■ツタンカーメン→王在任中に名前が変わっている(トゥトアンクアメン→トゥトアンクアテン)のは事実だが本人が変えたのか周りから変えせられたのかはわかっていない。王になったのが年端もいかない少年のときであったこと。父王の死去の後名前を変えていることから『私は』「周りの圧力だな!」と推測しているのである。1次資料があるわけではない。
そもそも死んでるのが若干19歳なんで、、。
『アメン』も『アテン』も神の名前。おとーさんが強引に変えた信仰する神をおとーさんが死んだから圧力で戻されたのだと『私は』推測している。
■マダムタッソー→ルイ16世の奥さんはあのマリーアントワネットですよ!
【2020年10月7日 初稿】