【第5回】3度の飯をより好きなアレ
3度の飯より『伏線』が好きなんです!
最近1番やられた『伏線』と言えばドラマ『MUI404』だろう。第4話『ミリオンダラーガール』だ。
何がどう『伏線』だったかは言えない。『ネタバレ』になるからだ。本当にアレにはやられた。大好きだ。
あ、『伏線』について説明してませんでしたね!
『伏線』というのは『後から重要になる情報を先にあたかも些細なことのようにして説明する』です。推理小説には必ず出てくる。
張り巡される伏線!鮮やかな回収!!
が3度の飯を取った上でさらに欲しい。飯は3度食べたい。
『伏線』で忘れられないのが『シックスセンス』だ。主演の『ブルースウィリス』が「絶対に結末を言わないでください!!」て宣伝してたやつね。
ハーレイジョエルオスメントが子役ででてたやつ。うまかったよね。ハーレイ。
ブルースウィリス演じる主人公は何もかもうまくいってない人だ。特に夫婦関係は壊滅的。
『シックスセンス』つまり『霊が見える』ハーレイジョエルオスメントを助けるうちにある秘密が明かされる。
この秘密がわかった瞬間に!!今まで見てた映像の意味が180度変わってしまうのだ!!!
『シックスセンス』はミステリーとしても名作だけど、実は『愛の映画』だった。
私は映画館で「ああーっ!!」ってなりましたよ「ああーっ!!」って。
頭の中で映像を最初から巻き戻して見ましたよ。
あそこ!あそこ!あそこも!!全部違う意味じゃん!!騙されたわ!!!
あの快感ね。伏線大好き。死ぬほど好き。
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小説で『伏線』というと真っ先にあげられるのが乾くるみ『イニシエーション・ラブ』だろう。『○○○○が伏線』という信じられない小説だ←ナイショ
あんなんよく考えついたな。てか、よく書いたよな。『解説』読まないとわかんないくらい周到に張ってある。狂気の沙汰。
天才か!と思ったよ。天才なんでしょうけれども。
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この『伏線』は決まるとほんとーーに気持ちいい。麻薬の30倍は気持ちいい。いや、麻薬やったことありませんけれども。
こう……脳内から……ドーパミン?ドーパミンがドバドバーッと出る感じがする。
しかしだ。
すごく怖い。
以前SNSである小説を連載したことがある。10回だったかな?そのくらいの連載量だったが、最後は推理合戦になったりしてとても楽しかった。
が、結末を予測されるのではないかと毎日怯えた。
1人でも結末を当てられてしまうとオシマイ!である。
インターネットはそこが怖い。1人でもわかると全員にバレる。
『バレませんように。バレませんように』と毎日震える思いで祈っていた。
伏線てゆーのはさー。『もう1度読み返したときに破綻なく整ってないといけない』わけ。
『結末に齟齬がある』段階でダメなわけ。
つまり『手品のタネ』を最初に見せといて、タネと気づかれずに手品するのが『伏線』なわけ。
『見せといて隠す』わけ。難しすぎる。
特にだ。小説は読めば読むほど伏線がわかるようになってくる。小説なんていうのは「パターン芸術」なわけで「あ、あれね!」って学習していくからね。
(あのね。『小説家になろう』なんて本当に怖いよ。小説書く人が読む場だよね?そんなんどんだけ小説読んできてると思ってんの?毎回アップする度小鹿のように震えてるよ)
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手前味噌になるけど東野圭吾の小説。『容疑者Xの献身』。
読み始めたばかりで『なんかヘンだな』って思ったんだよね。さりげなーく書いてあるけどやけにこの場面詳しく書くなと。
東野圭吾が1行足りとも無駄なこと書くわけないからね。違和感をずーっと持ってたらやっぱり伏線じゃん。
グルメが食べれば食べるほど『美味しい物が狭まっていく』ように小説は読めば読むほど『結末が見えない小説』が狭まっていくわけ。感動と興奮が減るの。厄介だね。
私も江戸川乱歩の『少年探偵シリーズ』に驚いてたころには戻れないわけですよ。
『また。あの手品かーーーい』ってなるわけですよ乱歩先生。
『前の作品でも小林少年がビビってましたーっ』つてなるわけ。何回騙されてんだ。学習しろよ。小林。
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しかし作者というのは読者に比べて圧倒的に有利なものがある。
それは時間です。
時間をかけて考えて、考えて、考えて書いて。
『伏線』を当てられる前に小説が終わってしまえば良いのだ!!!ハハハハ!気づいた頃には『終わり』って書いてあったろう。『計画通り!!』だわ。夜神月だわ。『新世界の神になる』わ。
外すと悲惨です。
作者が!1年かけて!調べて書いたものを!読者は!2時間で読んだ上に!『つまんねぇ』とか言いやがって!!ドバイの王子か!!!
我がまま野郎が!!!私ですごめんなさい!!!!!馬鹿でした!自分が書くようになって死ぬほど反省しました!!!
伏線は張るの難しいし『バレたらどうしよう』ってビクビクオドオドするし。今インターネットが普及しちゃってるから変な単語出すと一瞬で検索されてバレるし。
伏線はつらいよ。
でも決まると麻薬より快感物質がでるから今日も『伏線』を考える。
『検索』を逆手に取るって方法もあるからね。『検索』することで更に混迷を極めるような小説書きたいよね。考えただけでニヤニヤするよ。
ググったことでパニックになる読者。
最高じゃん。この知恵比べ最高。
伏線は、時間だけが味方。
【次回】3度の飯より好きなアレ【その2】
【2020年9月30日初稿】
■『ググったらさらにパニックになる小説』→最近で言うと『三体』(リュウジキン)調べたところでパニックになるだけ。一切結末わかりません。凄すぎ。作者の脳味噌どうなっているのか。