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悲哀なラタトスク  作者: 高槻葵
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1話 出会い恋

はじめまして、高槻葵です。この作品は、物語の開始と終盤での空気感が異なります。作品を読むにつれ、この作品の世界観、僕の想いを是非感じていただけたらなと思っています。

愛している人に好きだと伝える事が辛いと感じた事はないだろうか?

僕にはある。

好きで好きでたまらないのに、君の幸せを考えると君に想いを伝えるのが正しいのか分からなくなる。


「あぁ、僕の可愛いラタトスク。君の全てが愛おしくて殺したい」


2018年、4月…


僕は生まれて初めてアルバイトを始めた。自宅から電車を使って約30分の距離にある喫茶店。そこで彼女に出会った。彼女は僕の1つ年上で、1年前からそこでアルバイトをしてた。僕は一目惚れをした。今までは何となく綺麗だから、ウマが合うから、友人に言われたからといった理由で恋人を作っていた僕には、衝撃的な出会いだった。彼女とは家が近く、すぐに打ち解けられた。初めはクールな印象だった彼女は、実はとても子どもっぽく、可愛らしかった。そこでまた彼女を好きになった。そして彼女とシフトが重なった3度目の日、僕は帰りの電車の中で彼女にキスをした。驚いた表情で僕を見つめる彼女に、僕は告白した。僕は彼女を見つめながら、何かを考えていた。すると彼女はこう言った。「来週、友達と旅行に行くの。帰ってくるまでに考えるから、待っててくれる?」僕はその時、多分うん、と言ったと思う。


2018年、7月…


あれから約3ヶ月、彼女からの連絡はなかった。シフトも被っていなかったから、直接聞くことも出来なかった。僕は振られたんだと思いながらも、彼女への想いを無くせずにいた。彼女にキスをした時の事を思い出しながら、僕は眠りについた。その日の夜中、僕は目を覚ました。携帯の着信がなっていたのに気がついたからだ。残念な事に僕が目を覚ました時には、その着信音も止まっていた。眠い目を擦りながら誰から来ていたのかを確認した時、僕の眠気は完全にこの世から消えていた。彼女からだった。僕は急いで電話をかけた。3コールしてから、可愛らしい声が聴こえた。

「もしもし?」

「もしもし、○○さん?夜遅くにごめんなさい。さっき電話が来てたから、かけ直したんだけど」

「私の方こそ夜遅くにごめんね」

「ううん、○○さんの声聴きたかった」

「そっか、よかった。」

「うん」

「ねぇ、4月に私に告白してくれたこと、覚えてる?」

「勿論覚えてるよ」

「私の事…まだ好きでいてくれてる?」

当たり前だ。そう出なかったらキスの事を思い出しながら寝たりしない。

「うん、僕の気持ちは変わらないよ」

「そっか」

「うん」

「旅行から帰って来てから、君から連絡が来るかなって思ってたんだけど、ずっと来なかったから…」

どうやら彼女は、僕からの連絡を待っていたらしい。こんなことなら、僕の方からすぐに連絡すればよかったと自分を責めながらも、彼女との通話を続けた。

「ごめん、○○さんの方から来ると思って、ずっと待ってた」

すると彼女は笑いながらこう言った。

「じゃあ、私達ってお互いの事待ってたんだね」

あぁ、僕は彼女のこういうとこに惹かれたんだった。

「そうみたいだね」

「明日、バイトが終わったら少し話さない?」

「うん、喜んで」

「じゃあ、今日はもう遅いし、また明日ね」

「うん、また明日」

「おやすみ」

「おやすみ」

彼女との通話を切り、僕は叫びたい気持ちを抑えながら、また眠りについた。

1話を呼んで頂きありがとうございます。この作品は、毎週日曜日から月曜日の間に1話ずつ投稿していきます。是非2話も読んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。

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