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不死鳥の召喚士  作者: 張田ハリル@スロースタート
序章 力を求めて
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馬鹿と天才は紙一重、なわけない

 イズのダンジョンというのは洞窟の中にある。もちろん監視をする存在もいて兵士らしき人も数名いる。

 ステータスも軒並み高い。アルでさえ五百なのだが彼らは千超が普通だ。もちろん、握手をしてみたがステータスの上昇はない。

 不具合か、と、思い他の兵士と握手することで試したが同様の結果を得た。つまりはなにかが影響して上昇しなくなるようだ。

 可能性としては三つ。

 一つ目はステータスにおかしな点が見られたため。これは普通にステータスを見れる点から無いと思う。

 二つ目は単純に模倣の失敗。理由はないとすれば納得は出来ないが理解は出来る。ただこれもないように思う。今までどのような相手でも使えたためこれもないと確信している。

 よって一番に考えられるのはステータスが大幅に違う点。今までとても高い人との接触はない。あってもシオンくらいだが模倣出来ないのは当たり前だと思っていた。なにせ力の差がありすぎる。アルでさえいくらか行動が見えていたがシオンに関しては一切見えなかった。多分それと同様なんだと思う。

 模倣や真似というのはいくらかその行動が見えるからこそ出来るものだと仮定しよう。だがシオンのような人を俗に人外という。未だ人の域から抜け出ていないものと人外、模倣出来ないのは当たり前だろう。

 偉人の思想を真似しようとしても出来ない。文豪の真似をしようとしても所詮は真似事で終わってしまう。それと同じなのだろう。

 そう思うことで無理やり納得させ剣に迷いが出ないようにする。アルはいつも戦ってる最中に考え事をしないようにしているらしい。それを一度見習ってみる。

 確かに考え事をしながら、と言うのも必要な時はあるが色々試してみる方が後々良い方向に傾くことが多い。

 水木との関係も後々良い方向に傾けばいいが。まああいつが折れない限りは無理だろう。なにせ、十中八九嫉妬から俺に攻撃してるしな。

「ゴブリンが出た。僕が相手をするから他の者は見学。三体くらいなら楽勝さ」

 考え事をしている最中にアルの声が洞窟で響いたため、驚きから顔を上げた。

 それを訝しげに見ていた人も少なくないがシズが大丈夫、と優しい言葉をかけてくる。俺は子供じゃねえんだけどな、と言いながらも心では感謝をした。

 剣を構えたアルがゴブリンを征するのは一分とかからなかった。三体からの攻撃をかわし続けて三十秒ほど、その後に構えた剣で首だけを切るのに十秒ちょいだ。

 手加減しているのはわかるが、やはりシオンとは比べ物にならない。シオンは手加減していても、見えていたとしてもどこに攻撃するかわからなかった。

 流転、そんな言葉が正しい。もしシオンの戦い方がスキルなら万物流転、そんな言葉をつけるだろうか。無理やり全ての行動を流転させる。……案外間違ってないのかもしれないな。どちらにせよ、ステータスを上げとかないとスキルすら見ることが出来ない。

「このような要領で攻撃と守りを上手く使いながら戦うんだ」

 アルの倒したゴブリンの場所にはアイテムが落ちておりこれをドロップアイテムと言う。強ければ強いほど良いアイテムを落とすらしい。

 そしてその戦い方を真似するのが水木だ。戦い方がわからない以上、真似するのが得策と考えたのだろう。

 班ごとに出てきた魔物と戦い戦闘能力をアルが測る。

 おー、という声を皆があげたのは水木班の先頭の時だった。水木の聖剣術による光の剣、オーバーキルをしたとしてもダンジョンの壁には傷一つつかない。

 俺を見てニヤニヤしている水木を無視して自分の番を待つ。ゴブリンが四体出てきて戦おうとした時だった。

「君が入るのはここではない。やるならもう少し後だ」

 ゴブリン四体をシズたちに任せた。石井が思いのほか早いゴブリンに動揺して傷を負ったがすぐにシズが治している。少し頬を染めているところを見るとシズのことを好きになったのかもしれない。

 そうして二階層目に下がる階段を降りる一歩手前にある重厚そうな扉。それを開けた時アルの目が輝く。

「君にはこれと戦ってもらいたい」

 アルが指さしたのは一階層目のフロアボスであるゴブリンソルジャー五体。

「俺なら出来ます」

 そう言って走っていく水木。

「セイクリッドソード!」

 五体に聖剣術で作った光の剣から出る光の閃光をゴブリン五体に当てようとした。砂埃を上げ水木はやったか、と声を出す。だが結果は、

「グフッ」

 水木が倒せたのは一体のみ。攻撃を撃った後の反動で動けない水木の腹を殴る。まるでネズミをいたぶるネコのように水木をボコボコにしていく。

「自分の力を過信して戦えばこうなるのは必然。そして僕の話を聞いていなかったようだね、彼は。悪いけど彼の命はどうなってもいいからゴブリンソルジャーの全滅を頼めるかい」

 俺は仕方ないか、と頷き剣を取り出す。真っ白い剣だ。

 近付いてから剣を縦に薙ぐ。戦ってる最中に触れることも忘れない。一回の薙で殺せたのは一体、よってほかの三体が攻撃を仕掛けてくるのは目に見えている。

 剣の柄に乗り俺の後ろから回ってきたゴブリンソルジャーの顔をぶん殴る。その間に剣を地面から抜き二体を横薙ぎで殺す。

 グギャギャギャ、と汚い鳴き声をあげながら向かってくるゴブリンソルジャーに水木の真似をしてみる。

「せっセイクリッドソード、だっけ」

 ゴブリンソルジャーの血を吸って真っ黒くなったダーインスレイヴから出てくる真っ白い光の閃光。そこにいたはずのゴブリンソルジャーを消し去りアイテムだけを残した。

明後日になったらまた「イヤフォン」の更新を行います。ご了承ください。


これからもよろしくお願いします。出来ればブックマークや評価等もよろしくお願いします。


今更ですがブックマークの数がモチベーションの向上になるんです(笑)

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