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>偽善かもしれないが、許したいと思う。だって少し間違えれば俺も同じような事をしてただろうから。


村人を許す事ができましたか

先ずはヒーローの資格を主人公が一つ得たというところでしょうか



人間が嫌いな者ほど

苦難の中で

自分以外の悪を許す事ができずに

強ければそれでいい力さえあればいいと捻くれて


「悪の循環」に堕ちていくものですが

人として踏みとどまれる心の強さと優しさを持っていれば


苦難を力に変えられるもの


強さという面では

一度、死を選ぼうとした事で未だ未熟であるけれど


未熟な主人公が様々な選択で精神的に成長していくのは王道展開


次は「虐め」と「裏切り」に対して主人公がどう動くかで

その人としての価値感や器の大きさが示される場面ですね。




子供達同士の個人間の問題でなく

イジメを社会問題として捉えるなら


「個人間の関係」「親と子の関係」「社会や制度とイジメの関連」

とを分けて考える必要がありますが


それは考える人間の視野の広さを示す事であり

同時に


「個人の責任」「親の責任」「社会と制度の責任」

を問う事にもなります。



「社会と制度の責任」は

未だ「無能差別」を広めたのが


魔族の陰謀とかの洗脳の類なのか

権力者の保身とかの制度問題の類なのか明らかになってませんが


個人的には


「村社会の責任」を描いたシーンで

「責任をあやふやな何かにして原因を追究しなかった展開」

を見ると


踏み込んで描かれてはいないから

前者に近そうに思えます。


ただ

そうしてしまうと

「個人間の関係」「親と子の関係」や

「個人の責任」「親の責任」も

またあやふやにしてしまうので


そこをどう描いていくかが気になりますね。



18話の「歪み」で


 >彼らは変わらないだろう。

 最初から歪んでいるのだから。


 という一節がありますが


脳や発達異常という遺伝子面の異常を除いて

精神面を考えると


歪んだ社会の正義を生れた時から刷り込まれて育った子供は

そうならざるを得ないものです。


 赤ん坊に人格はなく

「家族との関係」が嗜好や性質という基本人格を形成し


ある程度の成長で「社会との関係」で社会人格を形成するのが

人間という動物の心理特性だからです。


 ですから

彼等をそう育ててしまった親と社会の責任があやふやなら


 哀れで愚かな子供にすぎない彼ら自身の責任もあやふやになってしまう。


「原因は関係ないから」

 そう断じてしまうのは容易いのですが


 原因を無視して「個人の責任」だけを責めるのなら

それは「私怨」を晴らすだけでしかない「ざまぁ展開」でしょう。



 いわゆる「勧善懲悪」とは違い

「ざまぁ展開」というものは「個人の責任」については描くものの「社会の責任」や「制度の責任」には触れず


単なる「力関係の変化によるイジメの逆転」としか見えないものも多くあり


「卑屈が裏返った傲慢」を主人公が得るような

みっともない話になる場合もありますので


 子供の視点でしか物事を見れない器の小さな独善的な主人公なのか


「愚かさも含めて人間そのものが好き」なヒーローになれる主人公なのか


主人公の今後がどうなっていくのか気になるところですね。




 自分が一番大事で、自分が気持ちよく生きられればよく、自分の周りしか見ず


社会や思想なんて絵空事だと敬遠して蔑み、力だけを信じて生きるなら


どんな綺麗事で飾ろうと

それはヒーローのふりをした小悪党。



何が正しいかを自分で考え、自分が誰かにとってどういう存在かを知り、自分達が皆の中の一人でもある事を見据え


社会は自分達が造るものと覚悟し、思想を自分達の在り方を探す道標として活用して、人と共に人として生きるなら


それは

どんなにみっともなく

力を持たなくともヒーローの資格を持つ人間。



物語が王道をいくなら主人公も王道をいくのかそれとも……


先の展開が楽しみです^^



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