>責任
中世型国家だと
「御恩と奉公」の考え方で
義務と責任を国に対して負うのは
利権を持つ征服者階級だけで
農民や平民といった階級は
義務と責任を負うという考え自体がなかったのですが
建前だけの民主主義が横行したせいか
「権利と義務」が「役割と責任」と混同され
国民全てが国家に責任を持つべきという「ファシズム」の誤魔化しが現代でもよく騙られますからねぇ。
民主主義が本当に実現された「自由と平等と平和を尊ぶ権威のない人類統一社会」でなら、「国民全てが国家に責任を持つべきという民主主義の在り方」は正しいですが、権威主義社会でそれを言えば「単なる上位者の下位者に対する責任の押し付け」です。
サラリーマンが感じる事の出来る「その理不尽」を正しいとするのが、「権威主義議会選挙制国家の「国民全てが国家に責任を持つべきという誤魔化し」です。
ゴブリンは現代の一般人らしく
その誤魔化しに引っかかっているわけですね
成功すれば褒章を得る代わりに
失敗すれば罰を与えられる
責任という「役割を果たすための契約」が
いつの間にか
「役人の道義的責任」を
一般の道徳や道義に拡大解釈し
「自助努力」と「責任」を混同させた理屈で
褒章とセットでないのに責任が問われる
「役割を果たせない弱さが責められる仕組み」へと変ってしまう。
そう、ブラック企業の理屈です。
そんな悪意ある誤魔化しで
「役人ですらない一般人」が
国に対して責任を取るのはあたりまえと権力者が吹聴したせいか
「自己責任」なんて言葉が、国外でのテロ問題で使われるようになった昨今。
そんな誤魔化しによる矛盾をテーマとしたエピソードなのでしょうか。
ゴブリン=社会的弱者とするなら
今のところ
権力者の誤魔化しではなく
個人の考え方に焦点を与えた話ですが
筋の違った「理屈という誤魔化し」ではなく
誤魔化しのない筋の通った理で造られた世界。
そんな社会的弱者の努力が報われる世の中が来れば
理想的なハッピーエンドですが
現実では難しい話なので
御都合主義と感じる読者もいそうですし……
どんな結末が待っているにしろ
最後まで目が離せませんねぇ




