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>善意の破壊者

>善意の破壊者


ドラマなどで偽善者や独善的な人間が

「善意でやってるのに──」などというシーンが多くあったせいか


最近はそういう間違った使い方が正しいと思う人が増えてきているようです



善というのは本来、利己的でなく客観的かつ普遍的でなくては善とはいえない


つまり

自分の利益を優先して行うのなら‘ 偽善 ’で善ではなく

自分が正しいと思うのみなら‘ 独善 ’で善ではなく


特定の誰かや誰か達の利益を望む行いなら

厚意であっても善意でない


そういう意味を持つ言葉でしたから


そういう善意の意味を間違える人間達は

結果的に善意の持つ意味を間違って伝えるので


はた迷惑な本人も

それを善意故の行為と信じる周囲の人間も


「善意と厚意を混同して他者を害する」ような‘ 偽善 ’意の「破壊者」というだけではなく


「善意という共存原理を存在しないかのように扱って暴力原理の利己的悪意を広める」ような「善意の破壊」者なのでしょう。




最近は間違った意味で「善意」を使う事が多く


軍人のせいで

かつては尊敬語だった「貴様」が乱暴で敵対的な意味の言葉になったり


役人のせいで

正しく間違いないやり方という意味の「適当」がでたらめで手抜きという意味の言葉になったように



若い人の間ではそちらの意味が主流になりつつあります


けれど

善というのは日本文化の根幹となる言葉の一つなので

「GOOD]とは違うし


正義も「JUSTICE]」とは違う意味があるという事を

理解して伝えてほしいので


善意は厚意に変えたほうがいい気はします


なぜなら

「善意でやってるのに──」などと考えたり口にするような人間というのは善人ではないからです



自分の行為が結果的にどんな問題を引き起こすかということを決して疑わない人間は客観性を持たない独善的人間で


解っていて解らないふりで

周囲に損害を与えて裏で自分の利益を追求するなら偽善者で


独善も偽善も悪の一種で

決して善ではないのです


ちなみにここでいう「悪」は「EVIL」ではなく

「人間の持つ業」で「動物的欲求に起因する利己性」という意味の日本的な「惡」で


独善的人間は無邪気な悪

偽善者は限りなく利己的な邪悪


非道で利己的な邪悪は悪魔的邪悪で「EVIL」


といったようなニュアンスに分かれています



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