>トロッコ問題
トロッコ問題というのは
基本的に「最初に答えがある机上の空論」です。
トロッコは絶対に止められない
進路上の人間を逃せない
線路に細工は出来ない
現実には無数に存在する解決方法を故意に排除しているからです。
単純な状況下での人命の取捨選択というのは起こり得るので
それを「人命救助」などや「災害医療」でトロッコ問題の考え方を使うのは詭弁ではあ りません。
けれど
「戦争」というものは「人間が起こそうとして起こるもの」で
「どうしようもなく起きてしまう自然な現象」ではないので
「殺人教唆」を行う組織の上層部に末端の人間が従う
「暴力組織」を動かすような
「極めて反社会的な利権の衝突」で
本質はヤクザの抗争と大差ない「人災」です。
そういう意味から
「まだ起こっていない戦争」に
「最初に答えがある机上の空論」を使うのは
マインドコントロールの一種なので
●●●が戦争文化のマインドコントロールを受けて
それが「現実」と信じ込んでいるか
戦争のためのマインドコントロールをしているんだなという感想ですね。
「現実」が多くの人間の意志によって造られる以上
「戦争」は私達の意志で起こされます。
つまり
「戦争を止める意志」を纏められるなら
起こらない場合もあるわけです。
もちろん起こる場合もあるので
歴史は戦いに溢れています。
けれど
起こらなかった戦争も歴史には無数にあるのが「現実」です。
その「起こらなかった戦争」を故意に意識から外してしまうのが、「トロッコ問題として語られる戦争」。
つまり
トロッコ問題で戦争を語るのは
理想と悪徳の狭間に「現実」がある事実を否定して
理想の反対語が現実だという虚構の上で成り立つ空論で
だから詭弁なのでしょう。
対して
「二重遭難」の危険性が高いので捜索隊を引き上げさせたり
「災害治療」で救急隊が「ブラックタグ」をつける
というような事に
トロッコ問題で「現実的な限界」の例示を行うなら
それは詭弁ではありません。
この違いを理解して混同しない事が大切なのですが、巷にはこの類の混同が溢れています。
この物語の場合
●●●が全てを見通せている「神視点」を持つキャラでない限り
「戦争は絶対に止められない」というのは「現実」ではなく
「誰かが集めたデータによって導き出された推測」に過ぎず
「最初に答えがある机上の空論」で主人公を説得しているだけです。
作者=神として「戦争を回避できない」と言うのなら
この場合●●●の意見が正解なのでしょうが
「現実」の場合、神は存在しないので
イラク戦争のように
「大量破壊兵器はある」という虚構のデータで戦争は起こされてしまいます。
前回の感想は
「戦争を起こしたい」という人間の意志が働き
「戦争は止められない」と多くの人間が考える事でしか
現実の戦争は始まらない。
という事実を認識して考えるかどうかの
物語ではない「現実」ならというような感想ですね。
物語に対する感想じゃないという意見もあるでしょうが
神視点でない一読者としては
戦争が本当に止められないのかが解らないので
「現実」視点での感想になるということで
作品に対する感想ではあるので御容赦を




