>顔見知り殺させる機会を用意するなんてイカレた考えだと言われそうだが勇者として生きようと思えば同じような選択を迫られることなんて一度や二度ではない筈だ。なら早いうちから知っておいた方がいい
>顔見知り殺させる機会を用意するなんてイカレた考えだと言われそうだが勇者として生きようと思えば同じような選択を迫られることなんて一度や二度ではない筈だ。なら早いうちから知っておいた方がいい
基本的に
これは犯罪組織の方法論で
軍だと非合法戦闘に従事する人間の理屈ですねぇ
でも、これをやると
現実だとPTSDを起こす米軍兵士達のようになりがちです
意図してのシーンならいいのですが
「現実と悪徳」を混同させて
実感できない
「目に見えないものの価値」
を貶めているような話になってしまっている
とかが「なろう」ではテンプレ化しているので
現実的とキャラが考えてる事が
実は悪徳になっている展開なんですよねぇ。
どういうことかというと
拙作のホラーでもテーマとして扱いましたが
理想の反対は悪徳であり
現実は常に理想と悪徳の狭間にあると考えないと
人は現実的に振舞うつもりで悪徳を行い堕落していきます。
殺人を例にとるなら
初めから殺す前提で行動基準を設定する事と
命を護るために命を奪うのは仕方ないと覚悟を決めるのとは別の行動基準です。
言うまでもなく
前者が悪徳で後者が現実の一つです。
理想は当然、殺そうとしてきた者を無力化して悔い改めさせることですが
「命を大切にする」という大前提がそこにあります。
逆に
「命を粗末にする」のが悪徳の大前提ですね。
その二つの狭間で必要悪としての法的な殺人や正当防衛や
軍としての活動などの現実があります。
現実的に考えるとは
命に優先順位をつけるものであって
「まともな軍人」は敵味方関係なく「必要悪」と考えてこれを行います。
けれど命を奪う事を当然と考え行動するのなら、それは悪意であり
それを薦めるのは「悪徳」です。
「殺す覚悟」を得るのに命を奪う必要はありませんし
殺したからといって得られるものでもありません
誰かが誰かを「殺しに慣れさせる」行為は
犯罪組織が裏切り者を殺させ共犯意識を作る方法などと同じ行為であると
生き死にが人の身近にある人間ほど知っています。
かつての日本はそういう「敗戦による大量虐殺」と「外国の侵略による理不尽」を知る人間達の造る国でした。
それも今は昔で時代が変わり「現実」も常に変ります。
誰かが誰かを「殺しに慣れさせる」行為は
犯罪組織が裏切り者を殺させ共犯意識を作る方法などと同じ行為と知らないのは
中世だと武家のような「殺人が生業」でありながら
人の生き死にを戦場に行くまで実感できない者達くらいですが
現代人は先進国の都会で生活しているものほど
そういった「武家の感性」を持ちがちです。
なぜなら現代の資本主義社会は「武人を商人が下克上で従えたシビリアンコントロール」で造られたもので
その感性は「武人と商人」が「農家や職人」の感性を持つ生産者を従えるのが当然という「暴力原理の崇拝」で利権を確保する事で成り立つからです。
だから人の生き死にについて深く考えずに生きると
「中世の残酷な理屈を信じ込んだ坊ちゃん武士」のように
この手の軍事プロパガンダ由来の誤魔化しを受け入れやすくなって
そういう者達が「命に真摯に向き合わないまま」戦争に行くと
「戦場帰りのPTSD」で犯罪者になったり「「共存原理で造られた平和な社会」に適応できなくなります。
だから、現実を知らない甘えた者が創った「イカレた考え」に陥らず
現実を知って「必要悪」という悪に成っても「ただの悪党」には成り下がらないという「覚悟」が必要なのです。
それを理解したうえで「主人公が誤った考えに陥った」と示す物語だと好いのですが。




