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>この世界では奴隷だからといって必ずしもひどい目に遭っているとは限らないのだ >奴隷は価値ある財産であり、無暗に虐待したり殺害したりするようなことはめったにない。

>この世界では奴隷だからといって必ずしもひどい目に遭っているとは限らないのだ

この世界の奴隷は特別に酷い目にあっているとばかり思っていたが、実は地球の奴隷制度と大差ないようだ。


のほうがいい気がします。


何故なら


「この世界では」と特筆して書くと

暗に私達の世界の奴隷制度と異世界の奴隷制度は違うものだという表現に見えるからです。


けれど、この後の一連の描写を見る限り

二つは一緒でしょう。



であるなら次の部分も「財産」でしかない以上は


>奴隷は価値ある財産であり、無暗に虐待したり殺害したりするようなことはめったにない。


奴隷は人としては扱われないが、家畜としてはそこそこの価値があるので、無駄に虐待したり殺害して

使い潰せば損になるため、普通は必要最低限の暴力しか振るわれない。


という表現が妥当でしょう。


昨今の労働条件の社会問題をあってあたりまえと思う風潮からか

読みようによっては奴隷制度への擁護にも見える描写ではあるので

ここらの表現は考えたほうがいいかもしれません。




ペットや家畜として動物を扱うように人間を扱うのが奴隷制度で

基本的人権を持つ対等の存在として扱われないのが奴隷である事は変わりないでしょうから


奴隷制度は

「人を道具や動物やペット」にして良いという制度です。


個人のモラルや状況で扱いが違うだけであって

それは異世界でも何ら変らないでしょう。


暴力を振るわれたりという悲惨な境遇を巻き起こすことは

本来、福次的な奴隷制度の弊害ですが

「人を人として扱わない」のならば


ミルグラム実験やスタンフォード監獄実験のような状況下に

奴隷が置かれる頻度を考えると


どこであろうと起こりうる状況でもあります。


要は「酷い目にばかりあう事はない」

「無暗に虐待したり殺害したりするようなことはめったにない」


というのは


「キモデブオタクだからといってもモテないとは限らない」とか

「ロシアンルーレットをしても死ぬとは限らない」とか

そういう類の意見です。


人を犬や猫のように扱うとなれば

確かにペットを可愛がるように奴隷を可愛がる者もいるでしょう。


けれど、基本が家畜扱いである以上

中世レベルの文明だと人間扱いでさえ過酷な労働が多いでしょうから

多くの奴隷の待遇はそれ以上ではないはずです。



現代人視点の主人公や地の文として書くなら


奴隷制度を認めている立場でないのなら

基本的に否定のニュアンスで書いたほうがいいかと思います。



要は


思ったより扱いは好いんだよという表現より

思ったほどの酷い扱いではなかったけど、けして好いものではないという表現で書いたほうがいいという話ですね。



「愚民は選民に家畜として飼われるのが幸せ」という

カルトな「権威主義」の考え方に侵されていなければ

たいていの人間はそっちの表現を好むと思います。


日本ではあまり報道されませんが

なにせ、現代でも人身売買被害者は東欧だけで数十万人以上存在しますし

貧しい国だけでなく数は少ないですが日本人も被害にあっています。


また犯罪でなくても日本だと

借金のかたにソープ勤めさせられたりとかもバブルの陰ではよく聞き

最近では出稼ぎ労働者のビザを取り上げ、奴隷並の扱いをするとか

ブラック企業で過労死するまで働かせられるとか


自分達さえ良ければいいという官僚と政治屋が

米国型大企業のいいなりに

労働基準法を派遣企業を認めたさせて骨抜き化したせいで

労働条件は悪化されていっています。


「それくらいいいんじゃないの?」


そういうものが積み重なると世の中は十年もあれば

酷い状況に変えられるものです。


「私達は精神的に実質的な奴隷になりかけているのでは?」


そういう自問自答と奴隷化を拒む意志を示し続ける事は

常に必要な気がします。


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