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社内恋愛にチャレンジ

雄二です。


今は名古屋に帰る新幹線の中。

連休中のできごとを振り返る。


葵とのデートは盛り上がった。


基本的には昔話ばかりしていたが、楽しかった。


それに、葵はやっぱり可愛い。すごく視覚的に楽しんだ。写真もいっぱい撮らせてもらった。


(これは、宝物になるな。あとで、見よう!)なんて思ってしまう。


でも、葵に惚れたわけではない。

あくまで、友達の感覚でいるつもりだ。

やはり恋愛対象にはなり得ない。


これからは可愛い女友達ということで大事にしよう。


葵とは2カ月後の7月の2家族合同食事会で

また会える。


さて、俺は本気になって、名古屋で彼女を作ろう!

いい加減、彼女が欲しい。


実は名古屋に赴任して1カ月。

社内にいいなと思える女性社員を見つけた。


過去の反省を踏まえ、アイドル的な美人社員に手を出すのはやめて、

地味だけど感じのいい子を探していたら、

いい子がいた。


総務課の栗原さんだ。


メガネをかけてて、大人しくて、

声も小さくて、顔も地味なような感じで

最初はノーマークだったんだけど、

ある研修で隣の席に座ったら、

感じがいいし、優しいことが判明した。

メガネを取ったところを見たら、

美人というほどではないけど

愛嬌のある顔だった。

そして、意外に巨乳だ。


男性社員同士の会話ではほとんど出てこない

子だから、これは掘り出し物だと思った。

今なら誰も手を出していない感じだ。


これは口説かないと。


よし、頑張るぞ!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



葵です。


連休が終わってしまいました。


明日からの出勤に備えて、早めにベッドで横になっています。


ついに、友達の雄二にカミングアウトしてしまいました。

今まで、男性時代の友人には全く会わないようにしてたので、大きな事件です。


しかも、おしゃれしてデートまでしてしまいました。

雄二は私のことを可愛いと思ったようで、私の顔や全身をじろじろ見てました。

写真もいっぱい撮ってました。

写真を撮っているカップルを見つけては、

写真を撮ってあげて、見返りに私たちのツーショット写真を撮ってもらうということを

繰り返ししてました。

二人一緒に写っている写真は20枚くらいになったと思います。


でも、私に恋愛感情は抱いてないようです。


私は男性に何度も言い寄られているのでわかります。


雄二は私を友達のカテゴリーに抑えようとしてました。


まあ当然ですね。

元男性で、生殖機能がなく、

ホルモン投与を継続しなければならない

私を恋愛対象にしたくないのでしょう。

わかります。


とはいえ、仲良しに戻れたのは大きかったです。

やはり、

男性の友達がいると楽しいから。


まあ、雄二に彼女ができたり、結婚相手ができたら会えなくなっちゃうでしょうけどね。


割り切ろうっと。


7月になったら、また会える。

楽しみにしよう!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



雄二です。

大型連休から3週間以上経過して6月だ。


俺は彼女候補ナンバーワンにした栗原舞について、

徹底的に情報を集めた。


浮いた噂はない。

栗原さんは俺の2個下で、その同期の男女にも何気なく聴いた。

彼氏はいないだろうという答えだった。

さらに、栗原さんの上司の総務課長にも

ある飲み会で酔ったついでに聴いてみる。


「確認したわけじゃないけど、

あの子は地味だから彼氏いそうもないな。でも、良妻賢母型でいい子だ。おススメだぞ。」

なんて答えが返ってきた。


女に詳しくて、俺のメンクイをたしなめてきた大阪支社にいる同期の太田にも相談した。

深夜に電話をかけて、相談に乗ってもらった。

太田はモテる奴で、

社内のすごく可愛い子と年内に挙式予定だ。


学生時代、あらゆるタイプの女性と付き合ったらしい彼は、

女心には詳しい。



「ほほう、メンクイの菅野が地味めの女の子に興味持ったか?

それはいい傾向だ。

堅実だよ。

でも注意した方がいい。

地味な子でも、

菅野がいいなと思ったんだから、

同じようにいいなと思うヤツがいると思う。

彼氏がいないと決めつけるなよ。

もし、二人きりになれる時があったら、まず、付き合っている男がいるか最初に聴くんだぞ。

その辺をあいまいにすると、無駄な時間を増やす可能性がある。

女っていうやつは、男がはっきりたずねないと答えないぞ。

自ら、彼氏がいますなんてまず言わないからな。

ちやほやされたいという女心を舐めるなよ。」


「おお、そうだな。

俺はいつも、そのへんをはっきり訊かないで、何度も食事とかに誘って、

そろそろ本格的に口説こうと思って、つきあってくれないかと切り出すと、

彼氏がいることが判明するパターンが多いからな。

もしくは、彼氏がいなくても、困るとか言われたりするよ。

食事に誘った段階で、断れってくれればいいのに。」


「女性は相手の気持ちがわかっていても、大嫌いでなければ、食事くらいは付き合うんだよ。

相手が、意思表示をはっきりさせたら、そのときに本音を言うんだ。

はっきりものを言わない男性は損するよ。

まあ、最初っから、好きだから付き合ってくれと直球で言うのもどうかと思うけど。

彼氏がいるかどうかは訊いてもいいんじゃないか?」


「ありがとう、そうするよ。」


俺は、力強いアドバイスに感謝した。


でも、その時、俺は、まさか栗原舞に彼氏がいるなんて、全く想像もしなかった。

ほぼ80%の確率でフリーの女の子だと思っていた。



俺は、6月の下旬、会社帰りに栗原が一人になる瞬間をとらえて、

声をかける。


「栗原さん、ちょっといいかな?」


「ああ、菅野さん、いいですよ。」


「あの、話したいことがあるんだけど、今度一緒に食事をしてくれないかな?

都合のいい日でいいから。会社帰りに。」


「二人だけですか?

うーん、ちょっと考えてみます。

メルアド交換しましょ。

あとで返事します。」


「ありがとう。よろしく。」


ちょっと、困ったような顔をした栗原だったが、脈は十分あると感じた。

ここからが勝負だ。


俺と栗原はメルアドを教え合った。






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