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葵の恋愛感

島田葵です。


友だちの雄二に再会する話の前に

私の恋愛感、

結婚感を

お話しましょう。


私は幼い頃から女性になりたいと強く

思っていましたが、

別に男の子に恋したりしませんでした。


よく芸能人のニューハーフが言うように

好きな男の子がいたってことはありません。

いわゆる一般のニューハーフの典型とは違うかもしれません。


かといって、女の子を好きになったりもしてません。女の子はなりたい存在であったから

憧れはしましたけど、恋愛感情を抱く対象にはならないのです。


それで…


私は性転換を終えるまでは、つまり女性に生まれ変わるまでは恋愛などしないと思ってました。

肉体が中途半端のままでは恋愛などできないと考えたのです。


じゃあ、性転換手術をして戸籍を女性に変えた後はどうだったかというと…


残念なことに、

やっぱり恋愛は・・・できませんでした。


まず、元男性とカミングアウトして男性と付き合うのは嫌でした。

ニューハーフ好きの男性は好きになれないと思ったのです。


私は、普通の女性として恋愛したかった。

生まれつきの女性のふりをして、

普通の女性として男性に愛されたかった。

まあ、無理な話なんですが・・・


それで、正体を隠して恋愛しようとしたんですが、

今度は男性を騙すような罪悪感が生まれてしまいました。


結局、大学時代が終わる頃には

恋愛と結婚は諦めるようになってたのです。

男性と付き合う事はありませんでした。


念願の女性になれたんだから、それ以上の願いは叶わなくても仕方ない。

仕事と趣味で頑張ろうと決心しました。


でも・・・皮肉なことに、

学生時代から社会人にかけて、けっこう私はモテてます。

美人とか可愛いとか評価をいただき、男性からのアプローチはずっと続いてます。


それを断るのは本当に骨が折れます。


断る時は最初、好きな人がいるからと言ってましたが、しつこく口説く人がいるので、

地元に彼氏がいるって言うようになりました。


嘘なんですけどね。


効果はあって、楽に断れるようになりました。


ただ・・・

家族は恋愛や結婚をあきらめるなと言うんです。

最近では母親にはいい人見つけなさいなんて言われるようになりました。

驚きです。


母親は私を普通に娘として扱ってくれてるんです。

姉が婚約して私に目が向いたのでしょう。


「あなたは綺麗なんだから、

ずーっと独身なんてもったいない!」

なんて言います。


しかも、菅野家の同級生である雄二を勧めてきます。


「雄二君がいいんじゃない?

昔から知ってるし。」


とニコニコ笑いながら勧めてきた時は本当に驚きました。


お母さん、それは無理だよ。

大体、雄二は私が女性になったこと知らないんだよ!と反論すると

これからあなたの姿を見せて説明すればいいじゃない?

なんて答えるんです。


もう〜、お母さんったら、お気楽です。


雄二の気持ちを考えてみてほしいな。


でも、2家族合同の食事会で母親だけでなく、菅野家のメンバーにも同じようなことを言われるようになって、私は驚きました。


どうも、雄二には彼女はいないようです。


だからといって私とくっつけようなんて、

無理な話です…と、菅野家の長女で私の二個下の翼ちゃんに話したところ、


「だって、葵さん、お兄ちゃんの好みにどストライクだよ。

身長158センチで、太ってなくて、

胸が大きくて、ロングヘア!

まつげが長くて、目が大きい!

唇、色っぽい!

服の好みは女の子っぽいフェミニン系。

可愛いくて、完璧にお兄ちゃん好み!」


「えっ、

そうは言っても…」


と私が抵抗しようとすると、



「それでね、お兄ちゃんたら、

すごい面食いで、綺麗で可愛い女の子ばかりにアプローチするの。

お兄ちゃんもけっこうモテる方なんだけど、

そんな誰もが認めるアイドルみたいな女の子には振られてばかり。

かわいそうでしょ?

葵さんが相手になってあげて!

葵さんの美貌と可愛さなら、

お兄ちゃん、一目ぼれだよ。」


「あ、私、そんなに綺麗じゃないし、

可愛いくもないよ。」


「謙遜しないで。

私は、すっごく素敵だと思う。」


「あ、ありがとう。」


こんな会話になってしまいました。


私は自分を客観的に評価できません。

でも、

高校卒業以来綺麗になろうと日々努力しているので、褒められてちょっと嬉しくなったのです。


それにしても、雄二は中高生時代と変わらず面食いなんだぁ。


いつもクラスで一番可愛い子とか、

学校でベスト3に入る美人とかに告白して玉砕してたけど、変わらないんだ。

ふふ、自業自得だね。


「俺は自分が可愛いと思った女しか好きになれないっ!」

なんて言ってたけど…

やっぱり身分をわきまえないとね。


でも、どんな女の子にも優しくて、

勘違いした女の子から告白を受けて戸惑ってたっけ。

変なヤツ!

いや、いいヤツかな?



そうか!

面食いの雄二に惚れられたら

私って本当に可愛いのかもしれない!


はは、それはないかな。

期待しないことにしよ。


とにかくだ。

会ってみよう!

少しでも、雄二のストライクゾーンにかすってたらいいなぁ!


私は雄二と恋愛関係になろうなんて思ってません。


ただし、

中学高校時代の友人のうち一人くらいには、

カミングアウトできればいいなと思ってたので、これはチャンスと感じました。


気楽に私の秘密を話せる男友だち、欲しかったんです。


だって女の子とばかり話していると、飽きるんだもん。


女の子って、音楽、スポーツ、小説、マンガなどの話をするとき、

マニアックな話には乗ってこないんだ。


私、女の子になっちゃってるけどマニアックな話大好き!

心の中は男の子の部分がやっぱりあるみたい。


だから、男の子と話をしたい時あるんだけど、機会が無くて。


まあ、誤解されないようにするため、

男性を避けているのもあるんだけど。


とにかく、雄二と話ができるようになったら楽しそう。

カミングアウトは勇気がいるけど、

やらなきゃ損だ!


前向きになる私でした。


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