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葵の自己紹介

今回は葵の性転換の経過や雄二に秘密にしていた状況についての説明回です。

私は島田葵しまだあおい


就職して、5年目の26才の女性です。

独身です。


東京本社の企業に就職したのですが、

最初は名古屋の支社に配属され、4年勤務。

1か月前の4月に東京に転勤となり、いまは神奈川県の藤沢市にある実家から本社に通っています。


ところで、私は、普通の女性ではありません。


具体的に説明すると・・・


男性として生まれたけど、

高校3年の頃からホルモン治療を開始し、

大学に入って性転換手術をして、

戸籍上も女性になった人間です。


わかりやすく言えば、ニューハーフです。


でも、芸能人や水商売の人間ではありません。


ごく普通の会社員です。しかもごく普通の女性に成りすましています。

勤務先の人間は私のことを生まれた時からの女性として認識しています。


近所の人には話していません。

実は大学1年の時は、家から離れて、アパート暮らしをしました。

近所の目が怖かったからです。

近所の人は、遠くの大学に入学したんだろうと推測したと思います。

1年後、実家に帰ってきたときは、完全に女性の姿だったので、

近所の人は???と思ったはずです。たぶん、いなくなった息子だと思わず、

養子にはいった女性と思ったかもしれません。

うちの家族はその辺は口が堅く、近所の人に聴かれても、うまくごまかしました。


あ、私は、大学には女性として入学し、さらに就職も女性としてしました。


実は、就職が決まる直前で、性転換のことを会社側に説明しましたが、

当時の人事部は、「戸籍が女性なら問題ない。」とあまり気にしませんでした。

「優秀な女性社員がほしかったんだ。実績で示してくれれば、それでいい。」なんて言ってました。


結局、私の正体を知ったのは、会社の偉い人数名だけでした。

その数名も、関係会社に出向したり、定年になったりして、もう私の正体を知っている人は

会社にいないかもしれません。


結局、私は、ごく普通の女子社員として働いています。

ちゃんと仕事をこなしているので、問題はありません。


ただ、生理がない私は、生理の件で他の女子と会話するはめになると慌ててしまいます。

何とかごまかしています。

大学生の時から女子として生活していますが、こればっかりは慣れません。

一応、仮定の生理日は設定しているし、その時には生理用品を持ち歩いたりしていますけど。



ところで、

私の実家では、2か月に1回くらい、あるイベントがあります。


どんなイベントか説明する前に、背景を言いましょう。


実はうちの両親は大学のサークル仲間が恋に落ちて結婚したのですが、

やはり、同様に同じサークルで恋愛して結婚した夫婦がいるんです。

4人は学生時代から仲良しでした。


その夫婦、菅野さんの家はすごく近所なんです。徒歩3分くらいです。

どうも、二家族は示し合わせて、近所に家を買ったみたいです。


菅野さんの家族構成はうちと似てました。

我が家は夫婦と姉、私という4人家族なんですが、菅野家は

夫婦に加え、私と同い年の男の子とその妹という組み合わせでした。


元々仲がいいことに加え、家も近所でしたから、幼いころは、一緒に食事をしたり、一緒に旅行したり、一緒にキャンプしたりと、合同の家族行事が多かった記憶があります。

当然4人の子供は仲良しでした。


まあ、高校生くらいから、うちの父や、菅野さんのご主人は単身赴任で遠隔地に行ったりすることがあり、そういう合同行事はなくなっていきました。


ところが・・・


私が就職したころから、合同の食事会という宴会が復活しました。


私は名古屋勤務だったのですが、必ず合同の食事会には呼びだされました。


「2か月に一回くらいなんだから、帰って来いよ。菅野さんの家族もきれいになった葵に会いたがっているんだから。」と父親に求められました。


そうです。私の両親と姉は菅野さんの家族に私が性転換して女性になっていることをばらしちゃっているのです。

だから、菅野さんの家族は私に興味津々なんです。


でも、菅野さんの家族のうち、一人にはばらしていません。


その一人とは・・・


幼馴染みで、高校も一緒だった菅野家の長男、仲良しの雄二です。


私は女性になることを始めるにあたり、「菅野さんの家族にはばらしてもいいけど、雄二には内緒にしておいて。」と家族に頼んでいたのです。


そして、菅野さんの雄二以外の家族にも、私の変化を雄二には言わないように頼むことを家族に約束させました。


だって、仲のいい友達が女になったらショックだと思うから。


幸いにも雄二は高校卒業したあと、札幌の大学に入学し、就職したあとも4年札幌に居続けました。

だから、会わないで済むようになります。


そして、雄二とは、高校まで仲良かったのですが、高校卒業後は、意図的に、メールや電話の連絡はしないようにしました。


たまに雄二が実家に帰ってくるときは、

私は、友達の家や親せきの家に避難しました(女性に性転換するにあたり、メルアドや電話番号も変えたので、雄二は私に連絡をとれません。雄二がうちの家族に電話番号やメルアドを聴いてくることもあったのですが、今はちょっとわからないとか言ってもらって、うまくごまかしました。)。


しかも、本当は東京の私立大学なのに、遠くの大学に入学したと嘘を言ってもらいました。

遠くで独り暮らしをしているということにしてもらったのです。


ひどい話です。罪悪感感じます。


でも、いつかはカミングアウトしようかとは思っていましたけど・・・


話は戻ります。


私が就職したころに始まった2家族合同の食事会には私、ほぼ出席しています。


私の性転換の話はけっこう話のネタにされているのです。

めったにない話ですからね。

みんな、私の体や顔の変化を見るだけでも、すごく嬉しそうでした。


まあ、菅野家では私のことをけっこう好意的に見てくれるんです。


菅野家の奥様のみずきさんは、


「わーっ、葵ちゃんたら、きれいねー。こんなきれいな女の子めったにいないわよ。

しかも可愛いし。雄二の彼女にちょうどいいわ。」

なんて言います。


ご主人のの健二さんも

「葵ちゃん、美人で、可愛いなあ。しかも胸も成長したなー。色っぽいぞ!」

なんて酔っぱらって言います。


「セクハラです!」と女性陣に注意されますが、会うたびにお約束のように、私の胸を褒めます。


実は、私の胸はホルモン治療だけで、Dカップまで成長したんです。奇跡でした。


一番うれしいのは、雄二の妹さん、翼ちゃんです。

すごくなついてくれました。


「葵さん、素敵。アイドルみたい!

一緒に買い物行こうよ。メイクの仕方、今度教えて!」なんて、声をかけてくれるんです。

結局、仲良しになり、よく買い物に行く仲になっちゃいました。



そんな、感じで菅野家と付き合っている私ですが、

ついに、来るべきときが来ました。

私が、名古屋から東京へ転勤したのと同時に

、雄二が札幌から名古屋に転勤してきたのです。


そして、ゴールデンウイークに実家に帰ってくる話になりました。


二家族はその動きに合わせて、合同食事会と言う宴会を菅野家で開催することを決め、

私も雄二にカミングアウトすることになったのです。


「そろそろカミングアウトしようよ。」と翼ちゃんに言われたので、

私も逃げるのをやめたのです。


優秀な女性が求められてますから、性転換していても、就職には影響ない世の中になりそう。能力と人格は必須条件でしょうけど。

就職活動中に採用担当に黙っていたとして、就職前の健康診断で元男性ってわかるかな?それでも、クリアできそう。LGBTには追い風の世の中になってきているし。

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