葵を泊める
雄二です。
葵と名古屋女子との飲み会は3次会まで続いた。
だんだん俺は蚊帳の外になり、葵を囲んで女子トークが炸裂していた。
葵は女子たちに抱きつかれたり、キスされたりしていてすごい人気だ。
もちろん連絡先も交換して、個人的に会いましょうなんて話もしていた。
ベロベロに酔っ払ったメンバーが解散し
俺はタクシーで葵を連れて帰る。
俺は妙に冷静で酔わなかった。
葵は酔い疲れてタクシー内で寝てたけど。
会社に借りてもらってるマンションに葵をなんとか運びこむ。
葵のカバンもあるからけっこう大変だ。
体を抱き抱えながら歩くと、
その、
葵の柔らかい部分をいろいろ触って
しまって、俺はちょっと罪悪感を
感じてしまう。
時々、触れてしまう・・・
たわわに実った胸の膨らみが気になって仕方がない。
(こいつはやっぱり女だ!)
なんて思ってしまった。
部屋に入ると葵は少しシャンとする。
「うーん、眠いけど、
シャワー浴びる。
男性の部屋にいるのに汗くさいなんて嫌。」
と、言ってちゃんとシャワーを浴びようとしてくれて助かった。
酔いつぶれて、化粧したまま、服をきたまま寝られたらどうしようかと思っていた。
それから、約1時間後、シャワーを浴びて、すっきりした俺たちはテーブルをはさんで、座っていた。
俺も、葵もルームウエアで、葵はすっぴんで洗いたての髪が色っぽい。
葵はすっぴんになっても、十分可愛かった。
「かなり酔っぱらっちゃった。名古屋の女の子たち、すごく積極的で、スキンシップすごかったね。
こんなに女の子に体さわられたの初めて。
いつも、菅野さんにいっぱい触られてるんでしょ?なんて言われちゃった。」
「う、すまん。
まあ、これで、うちの女子社員たちも、ちょっと満足しただろうな。」
「でも、また、遊びに来てって言われちゃった。
時々、雄二のところに泊まりに来てもいいかな?」
「ええっ!ま、いいけど・・・
名古屋じゃ、もう女の子口説けないからな。」
「だよね。」
「でも、何か、葵のおかげで、俺の株も上がったような気がするから、結果オーライかな。」
その時、俺は葵の胸に視線が行ってしまった。
「あのさ、聴きにくかったんだけど、葵の胸って、大きいよね。
それって、豊胸手術はしてなかったんだよな?」
「やーんっ、気になる?」
葵は恥ずかしそうな顔で笑顔を見せる。
すげー可愛いっ。
「うん、ホルモン投与だけで、なぜか大きくなっちゃった。
不思議なんだけど。
うーん、
あまり、見ないで。恥ずかしいから。」
「あ、ごめん。」
俺は、余計なこと訊いたかなと思いつつも
飛びっきりの顔を見れて満足した。
その後、俺は寝る準備をする。
幸い会社の借りてくれたマンションは2LDKで、葵の寝床は俺のベッドルームとは違う部屋につくることができた。一緒の部屋だったらたまらない。
間違いが起こりそうである。
二人とも飲み疲れで、すぐ寝てしまう。
翌日・・・、朝、
俺は味噌汁の香りと包丁の音で起きる。
「あいつ・・・まさか。
飯、作ってるのか?
食材はあるけど。」
俺は料理はマメな方だ。
出来るだけ自炊してるし、
朝食も自分で作っている。
食材はいつも、冷蔵庫に入れている。
俺は、起き上がって、台所の方に行くと、髪をポニーテールにしたうえ、可愛いエプロンをつけた
葵が朝食を作っていた。
何か、彼女が俺に家に来てるって感じのシチュエーションだ。
ドキドキする。
でも、こいつは俺にとっては男なんだ。変な気持ちにならないようにしよう。
「わりい。客に料理作らせるなんて・・・」
「おはよう、雄二。二泊もさせてもらうんだから、少しは役に立たないとね。
あ、すっぴん見せちゃうの恥ずかしいなあ。
昨日の夜も見せちゃったけど、昨日は酔っぱらっていたから、気にしなかったんだ。」
さすがに、朝、起きたばかりだから、葵はメイクをしていない。
でも、十分可愛い。
「気にするなよ。素顔もいいぞ。十分女の子だよ。」
「本当?お世辞でもうれしいっ!」
ちょっと顔を赤らめて笑う葵。
やっぱり、わが社の女子社員連中より全然可愛かった。
その後、葵の作った朝食をいただく。
具がいっぱい入った味噌汁に、パン、卵焼き、サラダというシンプルなものだが、
何となく、愛情が入ってる感じで、すごくおいしかった。
いや、愛情って俺に対するってことじゃなく、料理への愛情ってことだ。
うーん、いい友達をもった。
こういう友達がいれば、彼女なんていらないな。
俺は、葵を女性と思わないようにするために、心のなかで、そういう表現をしてしまうのだった。
さて、今日は、名古屋周辺をを二人で満喫するか?
車で、ドライブでも、するか。犬山行くかな?それとも三重県方面?
知多半島、渥美半島?
名古屋での休みの日にドライブなんて、今まで考えなかったけど、
一緒に行くやつがいれば、ワクワクするぞ。
俺はなんとなく楽しい気分になった。
そして、こんなことを言ってしまう。
「葵、俺のところにこれからも泊まりたいって昨日言ってたよな?
うちの女子社員と遊びたいってことだよな。
いいぞ。
でも、俺とも遊んでくれよな。
名古屋周辺のドライブに付き合ってほしい。」
葵はちょっと驚いたような顔をした。
「えっ、いいの。
やったー。
私、名古屋にいた時は車がなかったから、ドライブしたことなかったんだ。
楽しみー。
いろんなとこ連れてって。」
「おお。それで、今日はどこ行く?
今日から名古屋ドライブをしようぜ。」
「そうだね。今回は二泊で、ゆっくりできるから、遠くまで足を延ばしたい!
木曽の方なんてどう?」
「おっ、木曽方面か?そういえば、全然行ったことないよ。
よし、中央自動車道ぶっとばして、行くか?」
なんか、普通のカップルみたいだなあなんて、ちょっと思っちゃうが、
あまり深く考えないようにしよう。
こんな可愛いやつと休みを過ごせるなら、それで、いいじゃないか。
そう考えて割り切る俺だった。