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名古屋女子との交流

菅野雄二です。


ある金曜日の午後、おれは仕事が手につかなかった。


今日は葵が名古屋に来て、夕方から、わが社の若手女性陣と飲むことになっているのだ。

もちろん、俺も参加する。


わが社の女性社員で参加するのは6人。22才の新入職員から28才の中堅社員までいる。

けっこう美人ばかりだ。


信じられない面子だ。

以前の俺だったら、集められないメンバーである。


この飲み会をすることになった理由は以下の通りだ。


葵が以前名古屋に来たとき、うちの女性社員が葵と俺が一緒のところを見かけて、

「彼女でしょ?紹介してよ。今度来たときに一緒に飲もうよ。」

なんて、話になり、俺は適当にごまかしていのだが、

最近、その女性社員、木口優佳きぐちゆうかが、俺に迫ってきたのだ。


「そろそろ、彼女、名古屋に来るでしょ?

飲み会やろうよ。

セッティングは私がやるから、来る日時を教えて。

金曜日に来るようにしてくれたら、ベストだなあ。

見せてもらった写真に興味持った女の子、私以外に5人くらいいるから、連れてくるね。」



そうだ、そういえば、俺にすごい美人の彼女がいるという噂が広がったんだ。

それに気をよくした俺は、葵の写真を同僚の女性やよく知らないほかの部署の女子社員にも見せまくっていた。

しまった、やり過ぎた。


木口のちょっと真面目な要求に、

「わ、わかった。そのうち来るからさ、その時は教えるよ。」

と俺は答えざるをえなかった。


どうしようと思ってたら、葵の方から、俺の会社の女性社員に会いたいという話が出てきた。


これは、飲み会をやるしかないかと俺は覚悟を決める。


以上が変則的な女子会が開催されることになった流れだ。



でも・・・

まさか、葵が金曜日の夜、俺の家に泊まるなんてことになるとは思わなかった。

でも、やむなしだ。

彼女ってことになってるんだから、ホテルに泊まらせるわけにはいかないよな。


もともと男同志の友達だ。

変なことはしない。

しないだろう・・・

しないつもりだ・・・


まあ、大丈夫だろ。


あいつも、まさか俺と変なことをしようとは思わないだろ。


5時過ぎに、仕事を終えると、俺は葵を迎えに行く。

名古屋駅の改札で迎えた彼女は、パンツ系のファッションで、

仕事モードを感じるきれいなお姉さん系だった。

休日の思い切りキュートなお嬢様ファッションではない。

午前中仕事をやってきた余韻が残っている。

メイクも、そんな感じだ。

でも、これもいい。

今日は女子会みたいなもんだから、甘めのファッションより、こちらの方が

好感度高いかもしれない。


「雄二、今日はよろしくね。

ふふふ、お部屋に泊まるの楽しみ。今日はこんな感じだけど、明日は可愛くするから。」


「あ、ああ。」


俺は、彼女を飲み会会場に案内しながら、ちょっと不安になっていることについて

話し始める。


「一応、葵は彼女ってことにしてるけど、幼馴染みってこと以外はあまり話していない。

それ以外のこと訊かれたらどうする?」


「もしかして、結婚はいつ?みたいな?」


「うっ、そうだな。それも訊かれるかも。」


「まあ、私に任せて。雄二は優柔不断な彼氏っていう感じで、何でもあいまいに答えておくのが

いいと思うよ。

私は、雰囲気で、話すから。

女の子って、その場が盛り上がるトークをすれば、それでいいんだから。

あんまり、真面目にならない方がいいよ。」


「おっ、わかった。まかせる。」


「ふふふ。気楽に行きましょ。」



会場はおっしゃれなバル。

若い女性ばかりいる小皿料理の店だった。

もう、名古屋の女性は集まっていた。


「いらっしゃい!名古屋へようこそ。」


「うわっ、やっぱりきれいっ!」


「来てくれてありがとう!」


「すごい、可愛いっ!」


「いやぁんっ、女の子なのに惚れちゃいそう!」


などと、ウエルカムな雰囲気で迎えてくれる俺の会社の女子たちだった。


最初はお決まりの質問攻め。


なれそめとか、名古屋に来る頻度とか、デートの場所とか、俺のどこが気に入っているのか?

とかだ。

葵は適当にうまく答えていく。

無難な答えだ。

予想通り、結婚についての話もされたが、そこはニコニコ笑いながら、

「雄二次第かな?」なんて、おれにパスされて困ったが、女性陣もそんなに強く追及することはなく、

俺を軽くいじるくらいですんだ。


まあ、二人の関係を聴いたあとは、普通に女子会だ。


葵が名古屋勤務で、4年間いたことがわかり、名古屋の話題で盛り上がる。

美味しい飲食店、名物、洋服屋さん、小物屋さんなど、共通する話題が女子にはいっぱいある。

スイーツの話もみんな好きだった。


そして、美容の話。


「葵さんって、肌きれい。どこの化粧品使ってるんですか?」

なんて、肌や、化粧品の話から始まり、


体型の話に移る。


「葵さん、ウエスト細いのに胸が大きい!」

「うん、私もそう思った。すごいボディ。」

「うちの会社の人で、こんなスタイルのいい女性いないよ。」

「っていうか、名古屋支社で、ミス名古屋支社って言われている小関さんより絶対美人だと思う。」

「美人っていうより、可愛いからアイドルって感じ?」

「菅野さん、すごいよ!こんなきれいな子が彼女なんて、幸せだよ。」


葵は容姿を絶賛されて、困ってる。

俺は、改めて思った。

(ええっ、あの小関唯花こせきゆいかさんより美人って言われてる!

すげえっ。

ここにいるメンバーも美人ぞろいだけど、小関さんは美人で有名だ。

今日の幹事の人間関係の中にいないから来てないけど。

このメンバーに加わっても不思議ない女の子だ。

それにしても・・・葵は・・・

ホンモノの女性じゃないのに!

葵、おそるべし!)


そのうち、酔っぱらった新人の女子、倉田花くらたはなが変なことを言い出した。


「葵さん、どうしたら、胸が大きくなるんですか?

私、Aカップで、貧乳なんです。うらやましい・・・」


「花さん、すごく可愛いじゃない。今のままで平気よ。」

と葵が答える。

(うん、そうだ。倉田は今年の新人女性の中で、可愛くて、すごく男子社員から人気ある。

ただし、彼氏がいることが、入社後しばらくたってわかってしまって、みんながっかりしたんだ。

俺もその一人だけど。)


「葵さんの、胸触らせてください。巨乳の人の胸をさわると、ご利益があるかもしれないし・・・」


「ええっ?!」


そう言うと同時に、倉田花は葵の胸をブラウスの上から、触り、モミモミっと揉んでしまう。


「きゃっ!」


「うわぁっ、いい感触。菅野先輩いいなあ。この胸、いつも揉んでるんでしょ?」


すごく酔っぱらって、顔が赤い倉田はトンでもない行為をして、とんでもない発言をした。


「ええっ!」


俺は、対応に困る。葵の胸を触ったことないなんて言えない。

だって、恋人っていう事になってるんだから。


俺はどうしようかと思ってたが、他の女子の発言で助かる。


「花、ずるいっ。私もその胸触りたかったの。」


「私も、私も、すごいもん。」

「えっ、そうなの?実は私も。」

「じゃ、私も触る。」

「めったに会えないんだから、今日はチャンスよね。」


ウチの会社の若手美人社員たちは、みんな変だった。

そういえば今日参加の我が社の女子はみんな胸が小さい!


みんな酔っぱらった勢いで、きゃあきゃあ言いながら困ってる葵の胸を触るのだった。


俺は、見て見ぬふりをした。女子中学生のノリみたいでついていけなかった。


でも、盛り上がりは最高潮になってしまった。


1時間後に更新します。

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