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織田2

「夢なら覚めてよ」

 と呟き、どうやらこれは紛れもない現実で起こっている事だ。

 だったらせめて聡美お姉ちゃんが無事でいてと切実な思いで今こうして目的地に向かって自転車を必死でこいでいる。

 病院に到着して、私は自転車を乗り捨て、病院の中へと入って行った。

 受付で、

「あの。渡辺聡美は・・・私は渡辺聡美の妹のユウリですが・・・」

「先ほど搬送された方の遺族の方ですね」

「はい」


 今ERと言う緊急オペ室に入っていると聞いた。だから私は走って向かう。

「走らないでください」

 と看護婦さんに注意されたが、そんな事を聞き入れる余裕なんて私にはなく、私はお姉ちゃんの無事が知りたいあまり、ERに駆け付けた。

 私が駆けつけた時にはオペは終わったようで、担架に乗せられた聡美お姉ちゃんが運ばれてきた。

 お姉ちゃんを見ると頭に包帯を巻いて、足にギブスをしている。

「聡美お姉ちゃん」

 と呼びかけると、お姉ちゃんは意識があって、

「ユウリ」

 とはっきりと重病とは思えないほどの口ぶりに安堵の吐息が漏れるとともに、なぜか膝から力が抜けその場で伏した。

「良かった」

 と私はホッとして泣いている。


 私の気持ちが落ち着いたころ、聡美お姉ちゃんは、病室に移され、今横になって動けないが意識ははっきりとしている。

「ゴメンなユウリ心配かけちゃって」

「本当だよ」

 お姉ちゃんが意識不明の重体と聞いた時の事を思い出してそういった。

「でも事故だから仕方がないかな」

 その言葉に憤り、

「事故でも許せないよ」

 大声を張り上げて言ってしまった。

「悪かったよユウリ。だからそんなに怒らないの」

 本当に良かった。

 お姉ちゃんは命に別状はなく全治二か月といった所だ。

 しばらくはこの事はお母さんとお父さんには黙っていた方が良いだろう。聞いたら心配して動揺してしまう。

 とにかくお姉ちゃんの無事を知って、お姉ちゃんに対する心配はなくならないが、気持ちは落ち着いた。

 とりあえず後は病院に任せた方が良いだろうと思って自転車に乗って来た道を走る。

 それと愛梨の事もあった。

 これ以上私に心配事を押し付けないでくれと神様に文句を言いたい。

 そんな矢先に、私の家の方の方角から炎の手が回っていた。

「何?」

 自転車をこいで近づくと私の家の方角だと言う事が分かった。

 消防車のサイレンの音が鳴り響く。

 もし私の家が燃えていたら愛梨が・・・。

 そう思うと気が気でなくなり私は全速力で燃えている方角へと自転車をこいだ。

 近づくと私の家が燃えていた。

 私の家の周りには人だかりがいて、その中にお母さんとお父さんがいた。

「お父さんお母さん」

「ユウリ」

「ユウリちゃん」

 と私の無事を知って私は自転車を乗り捨て、お母さんとお父さんのところに抱き着いた。

「良かった」「ユウリちゃん」

 家よりも私の事を心配していた。

 私もお母さんとお父さんが無事でいて良かったと本当に思っている。

 そこで忘れていたが私は愛梨がどうなったのか辺りを見渡しながら、

「愛梨」

 と叫んだ。

 消防隊が水を放射して火を消している。

「愛梨」

 再び叫びながら、お母さんとお父さんから離れて、愛梨が眠っている我が家に入ろうとした所、消防隊に止められた。

「何をしているんだ死ぬ気か?」

「愛梨」

 と叫んで中に入ろうとするが消防隊にも両親にも止められ入って愛梨の安否を確認することすらできない。

 もはや泣く事しかできない。

 一体何なのだろう?聡美お姉ちゃんは事故で重体になるし、今こうして私の家が燃えて愛梨が巻き込まれてしまった。

 立て続けに不運が続くことに私はもうなすすべもなくその場で涙を流すしかなかった。

 そんな時である、私の肩に手を添えられる感覚がして振り向くと、紛れもない愛梨がそこに立っていた。

「愛梨」

 その姿を見て悲しみが一気に払拭された。

 そして愛梨はどこへ行くのか?背を向けて駆け足で私から離れていく。

「愛梨どこ行くんだよ」

 愛梨の後に付いて行く。

 愛梨は私から離れていくと言うよりついてこいと言っているような感じで先を行く。

 そんな愛梨を追いかける。

 そして立ち止まり、愛梨は振り返り、

「愛梨」

 前方から一筋の光を放ちながらこちらに原動機自転車が走ってくる。

 エンジンの聞き覚えのある音だと思って、もしかしたら明さんとエリちゃん?

 案の定であり、原動機自転車が私の前に止まり、エリちゃんと明さんが降りて、

「ユウリ。愛梨」

 明さんが呼ぶ。

 愛梨が無事でこうしてフォルトゥーナのメンバーがそろって私は安堵する。そこで明さんが、

「お前と愛梨が心配で来てみたら、やっぱり」

「やっぱりって?」

 話が見えない私は何がやっぱりなのか?目で訴える。

「何か様子がおかしいんだ。わたしの親父が事故に会って、最初は不慮の事故だと思ったがどうも様子がおかしくて」

 そこでエリちゃんが、

「私の姉も鉄橋の階段から転げ落ちて、事故に会ったけど、何か事故にしちゃおかしいと思って明さんに聞いて、それでお前と愛梨の様子を見に行ったんだけど、やっぱり」

 そういって私の家が燃えている方角を見つめる。

 そこで私は、

「つまり私達は誰かに狙われて」

 以前明さんと私は集団ストーカーに狙われて危うく命を落としそうだった。

 それと何か関係がありそうで恐ろしくなってきた。

 そんな矢先に私は何か感じる。気のせいかと思ったが、それは明さんとエリちゃんも気が付いていたみたいで気のせいとして見過ごすことは出来なかった。愛梨は何かぼんやりとしていて放心状態のままたっている。

 正面からピカリと光るものを感じて、何か恐ろしくなりその瞬間身をすくめると、何かが私の横をかすめた。

 この感じ以前も味わった。これは私を殺そうとして放たれたボーガンの矢だと。

 あまりの恐怖に観念してその場で死んでしまいたいと思ったが私には仲間がいる。

 だから私は愛梨に抱き着いた。

「何?怖い」

 そこで明さんが、

「何か分からないけど、私達を孤立させる為に私達の関係者に事故に追いやった人物がいるかもしれない」

「何なんだよ一体」

 エリちゃん。

 そこで愛梨が私の手を引き走り私もそれに続いて二人は、

「どうした?」

 明さん。

「分からないけど愛梨が」

 そこで愛梨がすべてを知る存在になろうとしていると言う横浜太郎の言葉がよぎる。

 私の直感だが、

「ここは愛梨に続いた方が良いかもしれない」

 そう二人に告げると二人も私の手を引く愛梨に続いた。

 愛梨の手袋を着用した手だが、怖い気持ちから一筋の勇気が芽生える。

 誰が何のために私達にこんな事をするのか分からないが、とにかく今は愛梨を信じて愛梨に続く。

 かなり走り、さっき感じた殺気から遠ざかっている感じがする。

 愛梨は疲れておらず、息一つ乱していない。私と明さんとエリちゃんは愛梨と違って普通の人間なので、走るのに限界で、とある河川敷を跨る鉄橋の下で走りつかれた体力を取り戻すと共にそこで身を隠す。

 そこでエリちゃんが得意の通信手段を使おうとした所明さんが、

「今はそれはやめた方が良い」

 止める。そこでエリちゃんがやけになり、

「いったい何が起きているんだよ」

 壁を何度も蹴る。

「落ち着けエリ」

 明さんはエリちゃんに一喝。

 エリちゃんは言われた通り、黙って座る。

「とにかく自棄になったら相手の思うつぼだ。ここは冷静に判断した方が良いだろう」

 そんなエリちゃんを見て私は罪悪感がいっぱいで、

「ゴメンねみんな」

 と。謝った。こうしてみんなを巻き込んだのは私だって。

「どうしてお前が謝る?」

「私がみんなを巻き込んでしまったから」

「別にお前に巻き込まれたわけじゃない。これはどうやら私達フォルトゥーナである問題かもしれない。だからお前が一人で抱え込むのはいささか傲慢だ」

 と言われて私は気持ちがしゅんとしてしまって、明さんがそんな私を察して、

「悪ぃ、言い過ぎた。とにかくこれはお前一人の問題じゃない。その事だけを肝に銘じておいてくれ」

 明さんは優しく言ってくれたが、その顔はやつれていて明さんも心の余裕がないようにも感じられた。

 私はどうすれば良いのかもう分からなかった。みんなも様々な事があったって言ってた。

 明さんは父親が事故に会ってエリちゃんはお姉さんが同じように不慮の事故に見舞われたと言っていた。

 だから私も含めて恐ろしくて心の余裕がなくなってきて、次第に愛梨のせいにする私自身が存在している。

 みんな愛梨のせいなんじゃないかって。

 こんな不幸な事が私達に度重なる偶然はやっぱりおかしい。

 愛梨が蘇ってこなければ私達はこんな目に合わなかった。

 そこで自分でも最低な事を考えている事に自重する。

 何を思っているのだろう。愛梨のせいなわけないじゃん。

 私は最低だ。

 私はもうどうしていいか分からず、その場で蹲り涙を膝で流していた。

 二人の様子を垣間見るともう限界といった所だ。

 だからもう私は涙を流すしかなかった。

 そんな時である愛梨が立ち上がり、歌った。

 その歌は私達フォルトゥーナの歌でそれをアカペラで歌った。

 聞いていると、何だろう?心が癒えてくる。空っぽだった心のエネルギーが満ちていくような感じだ。

 私は立ち上がり、涙をそっと拭って、

「愛梨」

 とその視線を合わせて愛梨に言う。

 でも愛梨は心ここにあらずって感じで何かにとりつかれているように歌っていた。

 横浜太郎が言う『すべてを知る存在』とやらになりかけているので心配もあったが、今はそんな事はどうでも良く、

「分からなけど、行こうよみんな」

 二人も愛梨の歌声に心のエネルギーが満ちた感じで立ち上がり、

「ああ」

「うん」

 明さんとエリちゃんはそれぞれ生き生きとした表情生き生きとした活気ある返事をする。そこで明さんが、

「実を言うとわたしは今すべて愛梨のせいにして、愛梨を殺してやりたいとも思ったよ。でも愛梨が復活して考えてみれば素晴らしい事があったと改めて思った。

 だから愛梨が復活して愛梨のせいにした自分が恥ずかしく思うよ」

「実を言うとうちもだよ。立て続けに不慮な事が起こったけど、うちら精神的に追い詰められて、その矛先を愛梨に向けていた」

 だから私も。

「実を言うと私もだよ。愛梨が蘇ったからって不慮の事故を愛梨のせいして思っていたけど、私はそうは思えない。愛梨は私達を幸せにしてくれる。

 私達に見えない何かが迫っているようだけど、私は屈しない。命ある限り戦う」

 そういって自分でも虚勢を張っているように思えたが、そうじゃなかった。

 愛梨の歌声は私達の心に強く生きるエネルギーをくれた。

 私達は気配を感じて、明さんが、

「どうやらお出ましのようだな」

 気が付けば私達は敵に八方ふさがりで囲まれていた。

 もう怖いと言う気持ちはまんざらなかった。

 私はこの命尽きるまで最後まで戦う事を決意する。

 二人の気持ちを確かめるように目を見ると、どうやら私と同じ気持ちのようだ。

 愛梨に助けを乞おうと思ったが、愛梨は意識がもうろうとしてとても戦える状態じゃない。

 私達はここで追い詰められて最後かもしれない。

 でも私達は最後まで抗う。

 誰がこんな事をしているのかは分からない。

 愛梨の歌声を聞いて私達はどんな敵が相手でも戦う覚悟でいる。

 一過性の精神が高揚している状態だと思うが、もう何でもいい。二人も同じだ。

 そして連中に向かって、大声を発しながら、立ち向かうとそれに続くように明さんもエリちゃんも続いた。

 こんな大人数に無謀だと分かっている。でも私達はその手と足で戦わなくてはいけない時だ。

 私は拳を丸めて連中の一人に突きつけたが、私のひ弱なパンチなど、当たってもちょっとした衝撃でダメージには繋がらない。でも私のこの不器用でひ弱なパンチも生きている証なのだ。

 誰が私達を追い詰めてこんな事をしているかなんてわからない。

 聡美お姉ちゃんを事故に追いやり、家を全焼させられた。あそこには私達が使っていた大事な楽器がある。それにエリちゃんのお姉さんも不慮の事故と見せかけられ、階段に突き落とされたと聞いた。それに明さんの父親も事故にあったと聞いた。

 どうしてこんな悲しい事をするのか?

 考えるだけで気が狂いそうになり、おかしくなりそうだ。

 その思いを。その怒りを。

 みんなの敵何て私達には出来ないけど、この生きている証を今こそ、この燃え上がりそうな胸の熱さを連中の一人でも良いから、ぶつけたい。

 これらは私達フォルトゥーナ自身の為であり、それは誰かの為になると信じたが、もはやここまでだな。

 頭が熱くなってか?連中に胸や腹などを殴打されたが痛みは感じず、それでも拳を丸めてその私の私達の生きている証を証明する時だ。


「生きている証を今」

 と叫び私は目の前にいる敵に拳を振り上げたが、その拳をぶつける相手は私の目の前にはいなかった。

 状況が分からなくて辺りを見渡すと、私はベットの上で眠っていて気が付いたみたいだ。 

「目覚めたか」

 と明さん。

「明さん私達は連中に襲われて」

 そこでエリちゃんが、

「とりあえず、事情を話した方が良いな」

 そこで私は愛梨の事が心配になり、

「愛梨は?」

 明さんは首をしゃくって愛梨の方を示す。

 愛梨は私が眠っていたベットの隣で、体を起こして意識はあるみたいだが放心状態だ。それを見てとりあえず安心した。


 明さんとエリちゃんに私は事情を聞いた。、

 どうやら私達は不特定多数の集団に狙われているみたいだ。

 それで私達を助けたのが織田が率いる警察部隊であり私達を襲ったふりをして匿ってくれたみたいだ。

 事実上私達は死んだことになっているみたいだ。

 私達を狙う連中はどうやら警察でも手が出せないほどのとんでもない集団みたいだ。

 何が目的で一体誰がやっているのか織田にも分からないが、織田は私達の危険を察知して助けてくれた。

 織田がどうしてそんな危険まで犯してまで私達を助けてくれたかは聞いてみたいが、明さんとエリちゃんの表情を見てそれは聞いてはいけないような気がして聞かなかった。

 以前織田に助けられた時の事を思い出すと、明さんとエリちゃんに対して何か特別な思いがあるのだろう。タカさんの償いかと思ったがそれだけじゃないと思う。

まあそれはそれで良いとして、私はベットから降りて、鳩尾や腹辺りに痛みが生じて呻いた。

「大丈夫かユウリ」

 明さん。

「大丈夫」

とは言ったもののちょっと動くのに難儀だったが、仕方がないだろう。襲ったふりをして匿うならもう少し手加減してくれれば良いのにと思ったりもした。

 とりあえず私達は助かった。でも私は、

「これから私達どうすれば良いの?」

明さんの目を見ると、目をつむり分からないと言った感じで黙っていた。エリちゃんも同じ反応を示していた。

そこで私達がいる部屋に織田が入って来た。

「どうだ?調子は?」

 とりあえず私は、

「話は明さん達から聞きました。助けてくれてありがとう」

 とお礼を言った。

「礼には及ばないよ。それに俺達が出来る事はここまでだ」

 その織田のセリフを汲み取ってみると、もう織田達の力ではどうにもならないと言う意味だ。

 私達は助けてもらっただけでもありがたいと思って何も言わずに明さんが「ありがとな」と言って立ち去り、エリちゃんもそれに続き私も放心状態の愛梨を引っ張って連れていき私ももう一度「助けてくれてありがとう」とお礼を言っておいた。

「ちょっと待て」

 織田に呼び止められ私達は振り返り、織田は一枚の手書きの地図を差し出し、明さんが受け取る。

「これは?」

 と明さん。

「そこは地図にも記されていないとある集落だ。無法者達の集まりで少し危険だが、そこで何とか身を隠せ。それまでに俺達もお前たちに対して最善を尽くす」

「どうしてわたし達にここまでしてくれる?」

 明さんがそういって、それはぜひ私も興味があり、エリちゃんも聞きたいと織田の視線に目を向けている。

「それは個人的に明君を始め、君たちの事が好きだからだ。俺も色々な人間を見てきたが、お前たちのような熱い人間が大人になった時、色々な人に生きる喜びを与えてくれ、明るい将来を約束してくれると思っている。

 だからお前たちには生きていてほしい。

 これは飾る言葉じゃなく俺の本心からの思いだ」

 と言って部屋から出て言った。

 正直織田の気持ちは嬉しかった。明さんもエリちゃんも黙っていたがも嬉しいのだろう。

 私達は警察署を後にして、そこは私達が住む隣県の町であり、明さんが集落に続く地図を見る。

「町を出ると、もう山道しかないみたいだ。そこに織田が言う集落がある」

「うちらは死んだことになっているけど、また連中に見つかって、狙われたらたまらないしな」

「分からないけど、とりあえず行こうよ。そこで身を隠していようよ」

「一体誰が私達にこんな事を」

 明さんが吐き捨て、それを聞いて私は鬱になってしまいそうなので、

「誰が私達をこんな目にあわせているかは分からないし、私はもう良いと思う。私も許せないけど、警察でも手が出せない程の組織って聞いたし、仮に復讐なんかしても空しいだけだと思う。それに家族や学校の友達に会えなくなるけど、明さんやエリちゃん、愛梨がいて私はもうそれで良いよ。私はそう思う。

 みんなは?」

 明さんとエリちゃんは同感だと言わんばかりに笑ってくれた。

 まあ今はこうして笑っていられるけど、もう笑う程の余裕がなくなる程の困難が待ち受けているのは確定だと思う。

 でも私達は軋轢もあるかもしれないがそれでも助け合って生きて見せる。

 そしていつか家族の元に帰れる日が来ると信じたい。

 そういえば明さんは織田から地図と共に一枚の封筒を渡されている。

 早速明さんはそれを開けると、何枚かの万札が入っていた。

「あいつこんな事まで」

 ちょっと明さんは恐縮している感じだ。

 封筒の中には十万円が入っていた。

 とりあえずタクシーを使って集落付近にまで運んでもらった。

 運転手に聞くと、そこはかなり危険な場所だと聞いた。

 でも私達は行くしかないだろう。

 事実上死んだことになっているが、もしかしたら私達が家族や学校の友達の元へと帰ればまたみんなを巻き込んでしまうかもしれない。

 私達を狙っている連中が何なのか分からないが、私には仲間がいればいいと思っている。危険だと言われている集落でもみんなと一緒ならやっていけそうな気がした。


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