4☆その夜の王城
読んで下さり、ありがとうございます!
ブックマーク入れて下さった方、ありがとうございます♪(外されないように、頑張りますm(__)m)
今回は別視点。
第2王女エリザベッタの視点で、王家の人達を出しました。
勇者召喚で、いつもより慌ただしい1日を過ごした、王女エリザベッタ。
夕方の自室で、ようやく落ち着いて、お茶を頂く。
父王アレッサンドル
母の第1妃チェチェリアーナ
弟で第1王子のチェザーレ
母方の祖父で宰相のサルディーナ侯爵
家族との晩餐まで、まだ時間はあった。
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料理を準備した後、人払いをしており、部屋の外では親衛隊、近衛隊達が護衛している。
宮廷魔術師が風魔法で傍聴結界を張っているので、身内だけの、寛いだ雰囲気だ。
王達も、すでに他の貴族から報告は受けていたが、王女からの情報も聞きたがった。
晩餐をしながら、召喚勇者の様子を父王達に話す。
「…と言うわけです。
1人いた服装の違う女と、視線を集めていたグループ、その中にいた男が中心人物ですわ。」
私が自信を持って断言する。
「では、明日のスキル確認後に、その者らを取り込むか…」
「すでに魅了の使える者を、側仕えとして手配してあります。
また、隷属のできる者は陛下の護衛と、あの者らに宛がう部屋の周辺の警備配置に変更済みです」
父王が話せば、祖父宰相が阿吽の呼吸で話す。
互いに笑みを交わす。
人が見たら怯えるような黒い笑みも、私には心強さを与える。
祖父は平民ならば寿命を迎える年齢に差し掛かる。
しかし、その痩身は筋力であり、高い能力を示す長身の通り、寿命はまだ遠く、力強い生命力に溢れている。
宰相をしているだけあり、その権力、財力、頭脳で父王や正妃である母を支えている。
母が王妃になった事で、祖父のサルディーナ家、一族や配下の派閥は、より勢力を増している。
そして、自分の家系に連なる弟を、次王にする為に助力を惜しまない。
皆の言うように、勇者など、スキルが便利なだけの、ただの奴隷に過ぎぬ。
あのような小柄な者に、強力な力(魔力やスキルなど)があるのが、不思議なこと。
歴代王の記録がなければ、信じられないようなこと…
母が王家に嫁いでから、祖父の指令で、
忘れ去られた古い記録の中から、見つけ出した勇者召喚の事実。
それは、300年前の記録。
異世界勇者は、スキルを2~5個も保持していた。
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この世界では、能力のある者ほど、身長が高い。
また生命力も強く、長寿となる。
背の高さは能力の高さを分かりやすく示す。
貴族や能力のある者の身長は、女性で180センチ以上。
男性では190センチ以上になる。
寿命も100歳~120歳。
中には120歳を越える者もある。
対する庶民は、身長は男性180センチを超えない。平均160~170センチ程度。
女性は140センチ~150センチ程度。160センチを超えることは殆どない。
寿命は60歳~70歳程度。
およそ、貴族の半分程である。
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母正妃が
「隷属で、一度に奴隷にでもしてしまえば、管理が楽なのですが…。
万が一、その情報が伝わってしまい、他国や民衆が騒ぐと、非常に厄介ですわね。
それに抵抗力のある者がいても困りますし…。」
「やはり、当初の計画通りか。
魅了を使い、緩やかに言いなりにした方が、良いな」
父王が同意し、対応が決まった。
祖父宰相が孫姫エリザベッタに
「エリザには、あの中心人物の取り込み。
頑張って貰わねばならんな…」
と話す。
「大丈夫ですわ、お祖父様。
それにお父様も。
きちんと飼い慣らしてみせます」
そう、この魅了眼を使って。
私の魅了眼は、その能力を使用しても変化が無い。
国でも随一の能力である。
難しい話しが終わったとみた、弟のチェザーレが食べながら会話に入る
「何人か、女もいたんでしょ。
僕、新しい玩具が欲しいよ」
とおねだり。
母と祖父が視線を交わすと、祖父が答える。
「…すぐには無理だろう。
が、しばらくしたら、大丈夫だろう…。
…陛下?」
少し、考えるふりをして
「…そうだな。
直ぐに間引いては、不信に思われるかもしれんな。
しばらくしてからなら、2~3人。
間引いても、問題無かろう。
待っておれ」
父が同意した。
弟は、まだ13歳ながら180センチになる。
ガッチリした父に比べ、筋力が無いが、ふくよかで立派な、体格である。
今はまだ、甘えん坊の末っ子。
私達は、長子相続の慣例をかえて、彼を次王にと押す。
あの女や、あの女の娘を排除して。
その後も、和やかに家族の晩餐は続いた。
読んで下さり、ありがとうございましたm(__)m
国名や外国風の登場人物名を考えるのが、手こずりました。
人物名、感覚的につけました。フィクションですから、あたたかな心で、いろんな国風のチャンポンをお許し下さいませ。