3☆脳内対策会議
3人で保存食を食べたり、ステータス見て話してたら、気まずい沈黙に支配された。
上妻が、
「ち、ちょっと、別の部屋に行って来るな!?」
と、小出に目配せして、部屋をでた。
《くっ、誰だ、闇魔法を使ったのは!!》
部屋に漂う、不穏な空気。
これは間違いなく、闇の気配だ!
しくしく。
…僕でした。
スキルなしで使えたよ(泣)
ちっとも嬉しくない!
小出に、気を使われつつ、固いパンや、干し肉をかじろうと悪戦苦闘した。
パンはナイフで切るのも大変なんだよ!?
気不味い時間を過ごしていたら、上妻が帰って来た。
緋の部屋や、委員長の部屋に行って来たみたい。
「どの部屋も、似たり寄ったりだった」
って。
他の部屋だけ、豪華なご飯じゃ、悔しいもんな…
上妻も、案外、食い意地が張ってるんだなと思った。
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
2人は問題なさそうだけど、僕は大有りだ。
なんとかしなくちゃ!!
2人は寝たけど、僕はこれから対策会議だ!!
1人脳内対策会議、開始。
僕の頭脳に頑張って貰わないと!
…期待は持てないけど…
まず、スキルの詳しい確認しないと…
僕はスキルチェックをする。
願望としては隠しスキルとか、あって欲しい!
切実に!!
まず、生活魔法の詳しい内容が知りたくて、ステータス画面の生活魔法欄をいじってみる。
あっ、なんか出た!!
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
【生活魔法】
日常生活を快適で便利にする、ありとあらゆる魔法。
例】 洗浄・調理・調薬・日曜大工・家庭菜園・裁縫・手芸・工作・陶芸・金属加工・解体・修復・浄化など。
他の魔法に比べて、使用魔力が格段に少ない。
使用魔力】~1MP
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
はい、チート来た!!
《神様、ありがとうございます》
m(__)m
生産チートだ!!
《やったね、仕事やお金には困らなさそうだ~》
でも、これじゃ身を守れなし…
脱出なんて出来ないぞ。
ステータスの画面を色々いじる。
ついでに、ブツブツ独り言。
完全に不審者だ!
だが、見てる人はいない。
問題ない!
あ、ビンゴ!!
『メニュー』の言葉に反応があった!!
チャプター画面みたいになってる。
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
【メニュー】
→ヘルプ機能、メニュー機能の拡張
【能力】
→固有・特殊スキルなどのステータス表示
【地図】
→オートマッピング、ナビ、検索機能
【収納】
→素材の自動回収・解体・分離・合成・分類管理、オートメンテナンス、時間や温度の設定機能
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
内心、うはうはしながら、メニューの表示画面を操作してみる。
気になる【能力】の確認からしよう!
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
【スキル】
・生活魔法
【ユニークスキル】
・桃
【称号】
・異世界人
【特別称号】
・神々に愛されしもの
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
う、分からん…
もっと詳しく見ないと。
画面を操作し、次々と詳しく見ていく。
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
【桃】
神饌である桃を神々の楽園、桃源郷より入手できる。
美味にして、幸運、健康、長寿、疲労回復、美容などの効果がある。
調薬すれば万能薬になる。
木や樹皮からは、レアリティ[ゴッズクラス]の高性能防具や衣類、杖などが作製できる。
種は四方に埋めたり、置けば、その地は桃源郷となり結界機能がある。
結界時、設置者以外には認識出来なくなる。
敵に種を投げたり、ぶつける事で、攻撃魔法と同様の機能がある。
攻撃の種類・規模は、選択が可能。
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
も、桃、すげぇ!!
僕じゃなくて、桃がチートだよ!!
じゃあ、特別称号も確認をしよう!
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
【神々に愛されし者】
神饌である桃を慈しみ育んで来た神々の寵児に贈られた称号。桃源郷への来訪及び、滞在を許される。
太郎は、そのままで全てが愛らしい。健やかに、この世界を楽しむが良い。
困った時は、桃を持ち祈ればいい。神lineで、すぐに助ける!
◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇
後半、手紙みたいだけど。
書いてるの神様!?
いろいろ、凄い…。
けど、桃と家族に感謝だな。
大じいちゃんが始めて、父ちゃんで三代目。
桃太郎とか言われてからかわれてたけど、身近に桃があったから、こんなチート貰えたんだろうな…。
神様達もありがとうございます。
いざと言う時は、助けて下さい!m(__)m
いきなり脱出はなしだ!
桃があれば、神様が桃源郷に助けてくれるみたいだし…
この国や、この世界の事を、もっと知ろうと思った。
後、クラスの皆が、どうするのかも、気になるしね。
明日の準備に、スキルで桃を出す。
座ってるベッドの四方に桃を置く。
練習を兼ねて【収納】の中に、いくつか出した桃を入れてみる。
設定は、時間経過はなしで、温度は少し冷やしておく。
体は資本だ!
更に出して、桃をもしゃもしゃ食べる。
夕食は固くて、ロクに食べれなかったから。
余計に桃が美味しい。
種も収納とポケットに分散してしまっておく。
僕の数少ない攻撃手段だ。
桃の香りが充満するベッドで眠りにつく。
結界は、確かに機能してる。
近くで食べてるのに、2人共、全く気付かずに眠り続けてたんだ。