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28 勇者が宿にやって来た②

明日は勇者達の2回目の休みだ。

休前日の夕方、4頭引きの大きな箱馬車2台で、クラスの皆が宿にやって来た。


宿の皆には昼食の時に馬車が来る事を説明してあるし、午後から裏通り側の門を開けておいたからね♪


抜かりない!


畑作業や訓練してた皆が、馬車に道を譲ってくれる。


近くで訓練してたルーゼン君が飛び出さないように捕まえた。


女の子達はおばあさん達が近くで、見守ってくれているから、大丈夫そうだな!


操縦席にいるのは、緋と委員長だ!

1週間で覚えたのか?

凄いな~


「太郎~♪」

「元気だったか!?」

「会いたかったよ~!」


皆賑やかに降りて来る。


「馬車の操縦、何とか覚えたんだよ」

疲れたけど[やりきった感]満載の表情で委員長が言う。


「委員長、お疲れ様!

凄いね~、1週間で覚えたの!?」


僕の言葉に、委員長がはにかんだ。

いつもはクール系なのに、はにかむと可愛いく見える。

委員長は整った顔立ちしてるから、表情の変化で雰囲気がガラリと変わるんだ。


「馬も馬車も、俺達のなんだぜ」

ちょっと得意げに長谷川が言う。


ドヤ顔で言ってるけど、スルーでいいや。


「じゃあ、車庫に馬車を入れてくれる?

馬は馬小屋に…うん、こっち!」

僕の誘導で、委員長と緋に馬車を、車庫に入れてもらう。


「太郎、人が大勢いるんだけど!?」

「あ、お客さん?」

「まだ開業前だよね!?」


馬車から降りた皆が次々と聞いて来る。


「お客さんじゃないよ。まだ開業前だしね。

でも、ここに住んでもらってる人達だよ!

びっくりした?」


「「「びっくりした!」」」


皆を驚かすのは成功だ♪


「皆に全員を紹介するのは、夕食の時にするね~。

この子はルーゼン君だよ。

ルーゼン君、この人達は僕の友達!」


皆で手分けをしながら、馬を外して馬小屋に入れる。

意外な事に皆もスムーズに作業している。


「凄いね!皆も馬の扱い上手だね~」


「緋や委員長だけじゃないんだぜ。

皆で訓練後に、馬車の操縦や、乗馬、馬の世話、馬車の管理も練習してたんだ!」

「緋は乗馬が出来るし、馬の扱いにも慣れてたから、直ぐに操縦も覚えたんだけど、委員長は凄い!!」

「ああ、1週間で操縦出来る様になったんだ。

俺らは、まだまだだけどな~」


「1週間でこれだけできれば、十分凄いよ!」


うん、僕より全然凄い!!


僕からルーゼン君が離れて、皆を案内し出した。


「お兄ちゃん達!

こっちに道具や餌があるよ♪」


可愛い案内人と一緒に、皆も動き出す。


「教えてくれて、ありがとな!」

「よく知ってるな~。偉いな♪」


皆、装具を外したり、ブラッシングしたり、餌や水を用意しでる。


僕の馬にもやってくれてる。

「ありがとう!オーグルも気持ち良さそうだよ♪」


「「「オーグル?」」」


「名前つけたんだよ♪

名馬オーグルキッドからもらったんだ!」


そう、じいちゃんが歴史に残る名馬だって言ってたオーグルキッドから名付けた。


「皆も1頭づつ貰ったんでしょ?

何て名前にしたの?」


「「「………」」」


「まだ決めてないの?」


「…ああ、まだ決めてない」

「…迷ってるんだ」

「なるべく良い名前にしたいしな!?」


「そうだよね~♪

名前は大事だし、迷うよね」




◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇




夕食時間を少し早くした。

お互いに自己紹介したり、おしゃべりするのに、美味しい料理は必須だと思うから♪


さあ、特別【メニュー】だ!


ミネストローネ

コールスロー

ピクルス

グリーンサラダ


カレーは甘口&辛口の2種類づつ♪

ビーフカレー

エビカレー

豆カレー

チキンカレー

じゃがいも、人参、玉ねぎ豚肉のオーソドックスなカレー


生クリーム

ヨーグルト

は好みでカレーに入れもいいな~


トッピング様に色々♪

豚カツ

エビフライ

イカフライ

ハンバーグ

唐揚げ

ソーセージのグリル

カボチャ、ナス、ズッキーニのグリル

インゲン豆、ブロッコリーのボイル


白米

ナン

チーズナン

ピタパン


カットフルーツ

桃ジュース

桃茶

桃のムースケーキ

桃と胡桃のクッキー

桃シャーベット



さあ、皆でワイワイ食べようじゃないか!?


食べながらも、料理の説明や味について、自然に皆の会話が弾んでいる。


お互いに自己紹介もしてるな。


後で落ち着いたら、きちんと全員で話そう。


お互いに事情を把握してた方が良いだろうし…




その後、いつもより遅くまで、皆で交流をはかった。




◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇




屋根裏の大部屋に、クラスの皆と移動した。


お風呂に順番に入ったり、布団の用意をしたりした。


皆が入浴も済ませて、布団に集まり、情報交換をする。


僕からは、東地区の人達の話は済んでるから、ロイじい達の話をした。


後は、買い物に行きながら馬車の練習してるけど、まだまだな事とか。


別館を増築したり、備品作りや、料金や営業時間を決めた位かな…


皆から、王城の様子や、女子達の様子を聞く。


成田や手島が話す。

「王女や侍女達がベタベタしてくるのが、先週よりも激しくなってるんだ!

ムカつく!」

「気持ち悪いんだよ。

バカにしてるのに、媚びて来て。

何なんだよな!」


「見下してるのは相変わらずなんだけど…」

委員長が話したら、加茂や隠密系スキル持ちが話し出す。


「王女や騎士や侍女達なんだけど、時々、瞳の色が変わるんだ…」

「光の加減とかじゃないよ。

俺達にベタベタ接触して来てる時なんだよ…」

「侮蔑しつつチヤホヤして、不自然な現象…。

怪しいだろ!?」


「うん、嫌なら最低限しか関わらないんじゃないかな。

嫌なのに無理に媚びられたら、何となく分かるし。

普通、侮蔑してるなら、チヤホヤしないだろうし…」

僕も、不自然に感じた事を話す。


「だろ!?

だから、俺達隠密系スキル持ちで、城や兵舎、宮殿を調べてる所なんだ!」

加茂がドヤ顔で話すと、早川(はやかわ)長谷川(はせがわ)浜田(はまだ)の隠密系スキル持ちが一緒にドヤ顔した。


4人並んでドヤ顔されると、何だかムカムカするのは、僕だけじゃ無かった様だ。


脇腹をつつかれたり、枕が飛んだ。


加茂達が反撃して、枕を投げ返す。

枕投げ大会に突入した。


緋や上妻や小出が、真剣な顔で話す。

枕投げ大会の会場内で、見事なスルー能力だ。


「不自然な事は他にもあるんだ。

第2王女はよく見るが、城や宮殿にいるはずの第1王女は見た事がないんだ」

「この国の奴らは、不自然に隠してる」

「危ないからな!

決して1人になるなよ!

ザックさんから離れるなよ!?」


「う、うん」

あまりの迫力に頷く。

「あ、明日はザックさんが引っ越しするから、離れるよ。

皆がいるから、大丈夫だよね!?」


「「「「「任せろ!」」」」」

いつの間にか枕投げを止め、他の男子達も会話に入る。


揃い過ぎだよ…




熊谷は、北川さんや福岡さんと一緒に、女子グループとも関わりがある。

中立的な立場になりそうな感じだ。


渡した物はそのままに、今後の情報伝達は慎重に…となった。


皆にお守りのチート仕様を暴露した。


魔法の話しになった時に、僕が呪文なしでイメージで発動してる事も話す。


大騒ぎは夜中まで続いた。

僕のせいかもしれない…




◇◆◆◆◆◆◆◆◆◇




朝は、8時ギリギリに起きた。

眠い!


クラスの皆も居るし、僕はご飯が食べたい。

和食に慣れない人達もいる。

こんな時は、和洋食のブッフェだ!


鱈の西京焼き

だし巻き玉子

揚げ出しナス

小松菜の白和え

ひじきの煮物

辛子明太子

白米

豆腐とワカメのお味噌汁


人参のポタージュ

スクランブルエッグ

ウインナーやベーコンのグリル

プライドポテト

グリーンサラダ

ゴボウサラダ

カボチャのチーズ焼き

クロワッサン

胡桃のバケット

食パン


カットフルーツ

ヨーグルト

ミックスジュース

桃茶


お茶碗やお椀、箸も用意しておく。

ご飯は皿より、ご飯茶碗によそった方が、断然美味しいからね!


朝食後に、僕の渡したお弁当入りアイテム袋を持って、ザックさんが引っ越しに行く。


荷物を片付けたり、賃貸契約を解除したりして、夕食までに戻って来るとの事。


冒険者達は、皆でパーティーを組み、仕事をしてみる様だ。


クラス男子達は、宿でゴロゴロ…

じゃなくて、ザックさんや冒険者達が不在なので、庭や大部屋や、食堂で過ごしながら、警護してくれている。


委員長と緋と加茂が、ヨゼフさんとダイアナさん、女の子達(アマリナとセーラ)を僕の幌馬車に乗せて出かけてくれた。

ヨゼフさんとダイアナさんの知り合いから鶏を購入出来ないか交渉に行って、帰りに文字の練習用に本を買って来てくれる。


委員長に鶏と本の購入資金とお弁当、鳥ゲージをいくつか入れてアイテム袋を2つ預けた。

アイテム袋の1つは生き物OKの設定にした。


僕は裏通り側の壁際で、畑との間に、鶏舎を作る。


小屋と放鶏エリアだけでなく、周りもしっかりした檻や金網でおおう。


こっちの鶏はガチョウサイズで、鳥も卵も大きいんだって!


ガチョウみたいなら、番犬成らぬ番鳥に成るかも。


夜目が効いて、大きく騒がしい、餌付けが効かないから、外国の酒蔵の警備をしていたTV映像を思い出す。


…騒がしいから、やっぱり無しだな。

おとなしく小屋に入ってて貰おう。




日中はクラスの皆やルーゼン君と庭で遊んだ。


【缶けり】や【達磨さんが転んだ】を皆でやった。

白熱した!


僕達も木陰や食堂でお弁当を食べた。

気分が変わって、弁当もいいな~。


昼食後は室内で【異世界人生ゲーム】【トランプ】【コマ】【剣玉】【ヨーヨー】を作って皆で遊んだ。


ルーゼン君は大喜びだが、僕達もかなり楽しんだ。


おやつ前に緋達が帰って来た。

鶏は雄1羽、雌2羽購入できた。

本当にガチョウサイズで大きいけど、姿は鶏だった。

鶏舎に3羽で広々としている。

沢山増えて、東地区の老人や子供達の収入になるといいな~。


本は英雄物語、魔物図鑑、植物図鑑、魔法入門書、歴史書、家庭の治療書、料理のレシピ…子供向け~入門書を中心に30冊程。


本が高価とは言え、手頃な本ばかりなので、全部合わせても金貨1枚で十分おつりが来たようだ。


委員長から、預けたお金が返却された。


おやつにチョコレートクッキーや、フライドポテト、桃プリン、アイスカフェオレを皆で食べる。


冒険者達も帰って来たので、おやつを追加した。


カレーパン、クリームパン、メロンパン、チーズパン、桃デニッシュをミニサイズで。


お土産にお握り弁当を作った。

お握りは鮭、明太子、ツナマヨ、梅おかかの4種類。だし巻き玉子、唐揚げ、ポテトサラダ、浅漬けが入ってる。

時間停止の水筒に温かいお味噌汁を入れた。


先週、皆に渡した鞄に、お弁当と水筒を入れて、1人1人渡した。


また、緋と委員長が操縦して馬車で帰って行った。


「太郎~、ありがとな!」

「また、来週な~!」

「気をつけて過ごせよ~」


今回も賑やかだった。

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