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神様々からの贈り物  作者: 宮市 始
第2章 《人間上がり》
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反対勢力

ようやくケルベロスを倒した俺は、出血多量のために集中蘇生室にいた。

どう考えても人間の頃は助からないような傷だったのだが、流石は神様。ものの一時間で完治させてしまった。



「大丈夫でしたか?誠也さん」


蘇生室の外のベンチでコーラを飲んでいた俺にいつの間に近くに来たのか心配そうな顔をしたメリアが話しかけてきた。


「あぁ、大丈夫だけどよ。それよりなんだよあれ!俺の能力か!ついに覚醒したのか!!」


「いえいえ、あれをやったのは私ですよ♪誠也さんのお役に立てて嬉しいです」


……そんなのねーだろ、ねーだろ神様。


「そ、そこまでがっかりされなくても……。誠也さんも神になったのですからいずれできるようになります?」


「なんで疑問形なんだよ」


「これからの期待を込めてのことですよ。それより誠也さん、傷が治ったのであれば儀式場に行きましょうか」


そして儀式場に到着。儀式場にはたくさんの神が待っていて、既に席についていたが俺の到着と同時に喝采が巻き起こった。

最前列にいたエメがやってきて

「すごいよ誠也!あのケルベロスをいきなり誰の手も借りずに倒すなんて!!」


隣にいるメリアにどういうことだといつものアイコンタクトを送ると、メリアが顔を近づけてくると、ほんのりと甘い香りがした。


「本当はあの試練では誰の手も借りてはいけないんです。それで他の神にバレないように誠也さんのイメージを爆発の媒体にしたのですが、エメちゃんには看破されてしまいました」


エメの方をチラリと見ると、エメもこちらに茶目っ気のあるウインクをしていた。

なるほど、計画的犯行か。


そのサラサラした金髪をかきあげてメリアが発言しようとした瞬間、儀式場の門が乱暴に開かれ、2人の男女が立っていた。


「認めません!わたくしは人間上がりなど断じて認めませんわ!」



亜麻色の長い髪の、いかにもお嬢様といった感じの風貌をした女性がツカツカとヒールを鳴らして俺に近づいてきた。


「人間風情が神になろうなんて一億年と二百年早いのよ!」


「あら、帰ってらしたの。ビリアン姉様」


すました顔でメリアが応えた。


「姉様!?」


どうやら驚いているのは俺だけで、周りはもう知っていたらしい。


「ビ、ビリアンっていうのか?俺は糸島誠也。よろしくな」


握手しようとしたが無視された。なんだろう嫌われてんのかな、嫌われてるな。


「わたくしと同じ意見の神々があと百人はいます。必ず神の座から引きずり落としてやりますから覚悟なさい!」


それだけ宣言するとビリアンはまたツカツカと出ていった。

ずっと沈黙を守っていたもう一人の方の男がようやく口を開いた。


「汝が人の身からの昇格者か、我は先の者とは違い歓迎の意を示す」


やっべえ、やっと神様らしい神様に会えたよ。この人最高だ。


メリアが誠也さんの中二心が反応してるとかなんとか呟いていたが俺の耳には届かなかった。


「あのっ!俺は糸島誠也っていいます!あなた超カッコイイですね!師匠って呼んでいいですか?」



眉をひそめたところを見るとどうやらこれは素だ。ますますcoolである。


「我が名はフュリオス、以後よろしく頼む。弟子の件は却下する」


……フュリオスさんマジぱねぇっす。マントもビアスも超神様って感じだわ。


「あのーずっとスルーされっぱなしだけどボクもいるんだよ?」


神長いたのか、意外と空気なんだな。


「そうだ!照花先生は?話がしたいんだが」


「あぁ、照花くんは神様成りを蹴ったからね、天使に甘んじたから今は会えないよ。君に一目会わせるって約束で連れてきたんだからね」


そうか……でもまた会えるならいいや。いつかはちゃんと話さきゃいけないだろうし。


「まぁそれはともかく、セーヤには正式に神としての職務を果たしてもらうからね」


「それは構わないけど……何するんだ?」





「まずは見回りから始めてもらおうかな、下界……つまり君が元いた世界にね」


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