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北斗の拳考  作者: 宇占海
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ゴッドランド考

 ゴッドランドは、軍の特殊工作隊レッドベレーの生き残りが作った街である。


 彼らはこのゴッドランドを根城にして、近在の女性を強制連行する、それに抵抗する男は殺してしまうという蛮行を繰り返していたために、ケンシロウに退治されてしまったわけだが、気になるのは、彼らが住民から食料などを略奪した形跡が見えないことである。


 彼らは軍人だから、もともと国から給与を受けていたに違いないが、核戦争で政府が崩壊したので、給与を受けられなくなったはずだ。

 住民から略奪していなかったとしたら、日々の食料など、どのようにしていたのだろうか?


 そもそも考えてみれば、軍隊が住民から物を略奪するのにだって、自ずから限度がある。 

 もし住民から根こそぎ奪ってしまったら、その後は自分達も飢えるしかないのだ。


 例えば、旧日本軍が戦時中に大陸の奥深くに侵入した時は、行く先々で住民から根こそぎ徴発しながら進んだために、後から同じ場所を通過する将兵が食料を現地調達できず、飢えるケースも多かったと言われている。


 ゴッドランドの連中は、そういった過去の戦争の教訓から学んで、住民からの略奪を控えていたのだろうか?

 だとすると、彼らは自ら農耕して自活していたのだろうか?


 確かに、軍隊が占領地で現地自活することはあり得る。

 先ほどの旧日本軍の例で言えば、太平洋の孤島などに取り残された部隊が現地自活を試みたというような例は多い。


 しかし、その多くは珊瑚礁の島で農耕に向いていなかったり、米軍に攻撃されたりで現地自活に失敗し、栄養失調で膨大な犠牲を出している。


 その点、ゴッドランドの連中はどうだろうか?

 彼らは筋骨隆々としていて、とても栄養失調には見えない。

 おそらくゴッドランドの連中は幸運にも、肥沃な土地を占領することができたのだろう。


 それでも農業の素人が自活を試みるのだから、大変な苦労をしたはずだ。


 そうして自活がようやく軌道に乗り、物資の余裕が出てきたところで欲を出し、女性の略取を始めたのだろうか。


 せっかく苦労して現地自活に成功したのだから、そのままゴッドランドで静かに暮らしていれば良かったものを、変な欲を出したためにケンシロウの怒りを買い、身を滅ぼしてしまった。

 惜しいことである。

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