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北斗の拳考  作者: 宇占海
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KING考 後編

 勿論、ハート様たち四人よりシンの方が強いので逆らえないから、シンの配下になったわけだが、それだけではないと思う。

 シンの配下になりたくなければ、サザンクロスの街を出ていくという選択肢もあったはずだ。

 それをあえてシンの配下になったのだから、その方が得だという、彼らなりの計算があったものと思う。


 まず、ハート様たち四人がサザンクロスの街を暴力で支配しようとすれば、住民から猛烈な反発を受けるに決まっている。暴走族やヤクザといえば街の嫌われ者だから、そんな連中の支配など、受け入れられなくて当然。

 そこでシンという強力なリーダーを迎え入れることにより、住民の抵抗を抑えつけ、街を支配しようとした。


 或いは彼らは、他の地方で拳王軍などが旗揚げしたという情報を耳にしていたかもしれない。

 もし拳王軍などがサザンクロスに攻めてきたら、自分たちだけでは勝てないが、シンがいれば拳王軍にも対抗できる。そう考えたのかもしれない。


 要するに、ハート様たち四人は、表向きはシンをリーダーに立てると言いながら、内心では、体よく用心棒を雇ったつもりになっていたのかもしれない。

 普段は若いシンをリーダーと呼んでおだてておいて、いざという時に先頭で戦ってもらおう、というわけだ。


 以上で、シンが短期間に大組織を築けた理由が、ほぼ明らかになったことと思う。

 KINGは、スペードの暴走族組織とハート様のヤクザ組織を母体にしてできた組織だったのだ。


 それにしても、KINGの連中のやることを見ていると、先の見通しがないというか、目先のことしか考えていない行動が多すぎる。


 スペードは、ミスミ老人から種モミを取り上げた上に殺してしまった。

「この種モミが実を結べば、あんたらにもわけてやろう」とミスミ老人に言われていたのにだ。

 どう考えても、ミスミ老人に米を作らせて収穫させた方が、将来的に利益になるに決まっている。

 というより、目先の欲に走らず、未来のために豊かな収穫を残そうとしたミスミ老人こそ、戦後復興に欠かせない人物だったはずであり、そのミスミ老人をむざむざ殺したスペードの罪は大きいし、愚かだとしか言いようがない。


 また、クラブは、自分たちを養うための労働力になってくれている人たちを、自分の快楽のためだけに殺していた。これを、自分で自分の首を絞める愚行と言わずして何と言う。


 彼らのそのような愚行(蛮行)を許していたシンも、勿論同罪だ。


 結局、KINGは、仮にケンシロウに倒されなかったとしても、いずれ組織の運営に行き詰まり、自滅したのではないだろうか。

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