サウザー考
南斗聖拳最強の男、将星のサウザーは、
ユダを動かし南斗六聖拳を崩壊させると、
自らは聖帝と称してその野心を露にし、
さらに自分の権威を誇示するため、
聖帝十字陵という巨大ピラミッドの建設に着手した。
しかし、サウザーが自分で自分に
「聖帝」というヤケに偉そうな肩書きをつけて、
独りよがりで勝手に威張ってるだけなら問題ないが、
聖帝十字陵を造るとなると、
多くの困難を伴ったはずである。
聖帝十字陵を造るには、まず大量の石材を調達しなければならないが、それにはどうするか。
普通なら石材業者から購入するところだが、当時のサウザーにそのような財力があったとは思えない。
南斗分裂の時にサウザーは、自分を支持する流派とともに、自らの派閥を立ち上げたものと思われるが、そうしてできた新生サウザー派は、おそらく、各流派からの拠出金で運営していた。
そしてその各流派の財源は、各々の道場に通う弟子たちが払う受講料。
その辺りの事情は、初期のユダ派と同様だっただろう。
それでは資金が潤沢にあったとは思えず、大量の石材を買い付けるのは不可能と思われる。
石材業者から力ずくで奪ってはどうか?
その場合でも、相手の業者が、ピラミッドを作れるほど大量に在庫を持ってるはずがない。
それならどうするか。
・・・石材を買うことも奪うこともできないなら、採掘すれば良い。
いっそのこと自分の採石場を持ってしまえば、採掘し放題じゃないか
・・・サウザーがそう考え、仲間とともに採石場を実力で占拠したらどうだろうか。
南斗聖拳の達人ぞろいで行けば、採石場を占拠するぐらい簡単だろうし、おそらくその時に、採石業者や石材業者も自分たちの支配下に置いたものと思われる。
(サウザーは、子ども達をさらって聖帝十字陵の建造に使っていた。
しかし、採石場から石を切り出し、四角い形に加工するのは、子どもではできない。
そこは専門家の手を借りなければならないはずで、よって採石業者や石材業者を傘下に入れることは必須だっただろう。)
そしてそのことが、サウザー派にとって転機になったのではないか。
世紀末の、いつどこで野盗に襲われるか分からないという状況で、身を守るために丈夫な石造りの家を造ろうという人は多かったのではないか。
だから石材は需要があり、その結果、サウザーらが傘下に加えた採石業や石材業が、金欠気味だったサウザー派のドル箱になった。
そうして懐具合に余裕ができたサウザーは、今度は労働力を調達するため、ならず者を使って子ども達を拉致するという暴挙に出る。
子どもを捕らえてきたならず者を配下に組み入れ、聖帝軍として組織化していった。
そう考えると、サウザー派あらため聖帝軍は、南斗聖拳の拳士たちを中核メンバーとし、傘下に採石業者、石材業者、ならず者を従える、という構成になっていたものと思われるが、どうもそれだけではないらしい。
聖帝軍には、弓部隊や分銅鎖を使う部隊の存在が確認できるから、おそらく、南斗聖拳以外の武術家や弓道家も配下に取り込んでいたものと思われる。
おそらく彼らは、シュウの反帝部隊などとの戦闘要員に充てられたのではないか。
南斗聖拳の拳士にはシュウと親しかった者も多いだろうから、彼らをシュウとの戦いに使うと、シュウに寝返る恐れがあると考えたのかもしれない。
(そうだとすると、サウザーは、身内であるはずの南斗の同志も信用できなかったのだろうか。)
サウザー配下の「汚物は消毒だ」男に至っては、軍用の火炎放射器を持っていたから、軍人崩れかもしれない。
聖帝軍は思ったより多様な人々で構成されていたようである。




