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終わりの始まり②

「スレイ、なんでもないわ。」


「なんでも無さそうには見えないですけどね。」


「なんでもないったらなんでもないの。」


「は〜。その頑固はお父様譲りですかね。」


まあそこまで言うならと言ってスレイは業務に戻っていった。


私はとりあえず、室内探索で頭を落ち着かせようと思い。クローゼットの中にあるきらびやかな衣装の中からなるべく落ち着いたものを取り出し着替えた。

自分の部屋の扉を開くと、


「お嬢様!?1人でお着替えされたのですか、ばあやを呼んでください!!」


と年配メイドが駆け寄ってきた。

彼女はセシルといってフレイシアとエレナの第2の母だ。母様が忙しい時にミルクを上げたりオムツを変えたりしてくれた。


セシルは幼い息子をなくした過去があるがそれもあってフレイシアたちを自分の子供のように愛してくれている。


「セシルごめんなさい。次からはセシルを呼ぶわ。」


しゅんとした表情を浮かべるとセシルは慌ててそんなに怒っていないので大丈夫ですよ。と声をかける。


セシルはフレイシア達の困り顔に弱い。

数少ないフレイシアがでるスチルなどで困り顔の姉妹に戸惑っているセシルとそんなセシルをみて笑う主人公が描かれている。


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とりあえずやることはひとつしかない。

何としても自分の死亡フラグを回避しなくてはいけない。

私は外に出て屋敷を探索した。

作者におざなりにされたフレイシアの死は何が原因だったのか探る必要がある。


物語のフレイシアはキャラクター達とあまり接点がない。姉と仲の良い気の弱い妹という立ち位置で、いつも物語の端で微笑んでいた。

屋敷の間取りを頭に入れながら、フレイシアについて考えていたら前から歩いてくる人に気づかなかった。


「おっと。」


ぶつかりそうになったのを、男性が受け止めてくれた。


「すみません。考え込んでいた…」


顔を上げると、青髪で長髪の爽やかな男性がいた。

私はこの人を知っている。

将来主人公であるアスターの上司にあたる騎士団長のユードリックだ。


「私の顔になにか付いていますか?」


困った笑みを浮かべ私の様子を伺っている。

ユードリックはまだこの屋敷とは接点がないと思い込んでいた。

フレイシア達が出てきた時にはもうアスターは女騎士になっていたので、そう思い込んでいたのだ。いま、ユードリックと接点を持てたのは幸運かも知れない。上がりそうな口角を隠しながら


「いえ。綺麗なお顔だったもので、はじめまして。ここの屋敷の末の娘、フレイシアと申します。」


華麗にお辞儀をしてみせた。

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