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憩いの場③

あ、と急にキャルが声を上げた。

何事かと思いキャルを見ると、彼は遠くを指さした。

そこには、申し訳なさそうな顔をしたスレイがこちらへ向かってきている。


「あいつと話せるか?」


少し考えて頷くとキャルは、よし!と言い私の頭を大雑把に撫でる。

声を上げるとその調子で話してきなと今度は、ポンッと背中を押してくれた。


少しふらつきながら1歩前にでて、後ろをふりかえるとキャルはニコニコと白い歯を見せながら行ってこいとジェスチャーをする。


同い年のはずのキャルがなんだか少し大人びて見えた。


こっちへ向かってくるスレイに重い足取りでいると、突然の強風に足元がふらつく。

バランスを崩しそのまま地面に倒れるかと思い目をギュッとつぶり衝撃に備えると、


「いつもあなたは危なっかしい。」


とスレイが私を支えていた。

私はあんな酷いことを言ったのに、走って抱きとめてくれることがこんなにも胸がいっぱいになるなんて思いもしなかった。


「スレイごめんなさい。私あなたに八つ当たりなんかして、本当にごめんなさい。」


ここで泣くのはずるいと思っていても、目元に溜まった雫は止めることを知らなかった。

フレイシアになってまだ2日だが、精神がフレイシアに引っ張られているせいでこんなにも涙もろい。


そんな私にスレイは愛おしさを含んだ目でこう言った。


「そんなに泣かないで霞。」


霞……?

この時の私の目はこれ以上ないくらい開いていたと思う。






何故あなたはその名前をしっているの……?

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