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朝食にはイチゴジャムを④

パンを黙々とと食べていると、扉をノックする音が聞こえた。どうぞと声をかけると、白衣を着たメガネの優しそうな人が立っていた。


手には大きなカバンを握っていたので、きっとお医者様が来てくれたのだろう。


私は食べていたパンを急いで食べ終えると、医者らしき人にあなたは?と尋ねた、


「お食事中にすみません。僕は、ヨハンと言います。君が小さい頃にあっているから初めましてではないんだけどね。」


頬をぽりぽりかきながら話す。

ヨハンと言う名前だけ聞き覚えがあった。きっと彼は姉の担当医でもあるのだろう。


ゲーム中熱を出した姉にヨハンと言う医者が診察している描写だけ書かれていた。キャラデザのないキャラクターだったため分からなかった。


「お名前を聞いたら思い出しました。姉様の担当もされていますよね?」


他所向けの顔を向けると、


「そうだよ。よく覚えていてくれたね。」


ヨハンは花が咲いたように笑っていた。よっぽど覚えられていたのが嬉しかったのだろう。


その後のことは、昨日どうして倒れたのかだとかなにか悪いところは無いかだとか色々と検査が始まった。


まあほぼ分からない事だらけだったので、覚えていないで通したら心身の疲労ということにしてもらえた。

また何かあったら連絡をしてくださいと個人の番号を貰いヨハンは帰って行った。


少し疲れたのでベッド倒れ込むと、ちょうど日差しが顔にあたり眉をひそめた。

天気がいいので今日は家の周りでも探索したいなと考えていたら、誰かがまたノックをしてきた。


今日は来客が多いなぁと少し息を吐き、どうぞー。と迎えるとそこには姉がいた。

入ってきてそうそう、


「お医者様はなんて?」


エレナが尋ねる。


「心身の疲労だろうって、体は大丈夫だって言われました。」


「そう、身体には何もなかったのね。」


大丈夫だと分かるとエレナは少しホッとしたような表情を浮かべる。エレナはそういえばと続け、


「この部屋からベルベリーの匂いがするけど、朝食で食べたの?美味しいわよねあれ。」


と話題を変えた。私は一瞬ベルベリーとはなんの事だ?と思ったが、この世界ではいちごという果物はなくベルベリーという近しい果物なら存在している。


私ってスレイに食べたい朝食を聞かれてなんて言ったんだっけ…


「あ!!!!」


私が急に大きい声を出したので、エレナは顔をしかめた、急にどうしたのよ。と言っていたがそれに返答できる余裕は私には無い。


私は昨日の夜スレイにイチゴののったパンが食べたいと言った。そしたらスレイはかしこまりました。と言ってベルベリーを出してきたのだ。


ここの世界にいちごなんて果物は存在していない。何故かしこまりましたなんて言ったのだろう。


普通ならいちごってなんですか?って聞き返すはずだ。私が昨日疲れていたから?そしたら、今日の朝持ってきた時に話すはず。


……スレイは何者なの?

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