朝食にはイチゴジャムを②
「そんなに見つめてどうしたんですか?」
フッと笑いからかうようにこちらを見てくる。
距離が近いからなのか分からないが、それが凄く様になっていて私は柄にもなく彼から目を話せなかった。
「私あなたのことあまりよく思っていなかったけれど、あなたのその翡翠の瞳はすごく好きよ。」
目を逸らさず思いのまま口にすると
「な…」
スレイは目を見開いてこちらを見つめた。
その後顔を背け、
「急になんなんです?頭でも打ったんじゃないですか?」
と悪態をついた。
顔を背けてしまったので彼の表情は見えなかったが、
髪から覗く耳が真っ赤になっていたので私はくすくす笑い
「本当のことよ。」
と柔らかな口調で話す。
そんなこんなで部屋の前につき、スレイは扉を開け私をベッドに寝かせる。
「とりあえず明日医者に見てもらいましょう。急に倒れたとお聞きしたので、念の為に。」
執事の顔に戻ったスレイは、淡々と明日の予定を話す。セシルさんにも後で伝えないとなとブツブツ呟いている。
今日はここへ来て思ったより体が疲れているようだ。
ベッドに入ると休息をとるように体から力が抜ける。
瞼もあと少しで落ちそうな時に、
「明日の朝食は何にしますか?」
と明かりを消しながら聞いてくる。
私は眠い目をこすりながら、
「そうね、明日はパンが食べたいわ。いちごの乗ったぱん。」
スレイはクスリと笑い、かしこまりました。と言いながら扉を占める。
カーテンから覗く月明かりとそよ風に靡かれながら私は深い眠りについたのだった。
バタンと閉じた扉のまえでスレイは
「今度は私があなたをお守りします。」
ボソリと呟いた。