朝食にはイチゴジャムを①
「…さま!!お嬢様!!!」
瞼をあげるとそこには心配そうに覗き込むスレイの顔。奥にはセシルやキャルが見える。
どうしてこんなことになったんだっけ。みんなが慌てている中、冷静に思考を巡らせた。
そうだ。キャルと夕日の組み合わせで何か思い出せそうだったんだ。そしたら急に意識が無くなってこんな事に…。
はぁ。とため息を着くとそれを聞かれていたのか、
「ため息付けるくらい元気なら早く起き上がって下さい。」
とスレイに白い目をむけられた。さっきまでの心配そうな顔はどこにいったのか教えて欲しい。
スレイが体を支えていてくれていたので、スムーズに身体を起こすのを手伝ってくれた。
すると、
「お嬢様大丈夫ですか?どこかぶつけたり痛む場所はありませんか?」
「おい。レイ大丈夫か??どこか具合が悪かったのか???」
とセシルとキャルが一斉に喋りかけてくる。
私は、
「大丈夫よ2人とも。流石に今日は疲れちゃったからお部屋に戻るね。」
と伝えると。
「私がお嬢様をお部屋にお送りするので、セシルさんはキャルシー様のお見送りをよろしくお願いします。」
「わっ!」
スレイは私をお姫様抱っこし歩き出す。
「まってまってまって。止まって。1人で歩けるのだけど。」
スレイの肩を叩き足をバタバタさせ下ろすように促すと、
「倒れた人をそのまま歩かせる訳にはいかないでしょう。あとバタつくのやめてください。持ち上げて落としますよ。」
ジト目でこちらを見下ろし言い放つ。
さすがにこれ以上あばれると本当に持ち上げてから落とされそうなので大人しくしておく。
こういう所が女を狂わせるのよねー。と心の中で悪態をつきながらスレイを見上げると、
バチッ
翡翠の瞳がこちらを見ていた。