健康体でうまれたから…
こんにちは、こんばんは!
ここでは、久々に投稿させていただきます。
前の作品は、ちょっと消してしまったので初めての作品投稿となります。
ぜひ、楽しんで読んでいただけたら幸いです。
私は、生まれつき丈夫な体だった。
病気になることも滅多になく、虫歯にも水疱瘡にもなる事は無かった。
ただ、精神的な病気に罹ってしまった。
学校や嫌いな人、嫌いな音を聞くと心臓付近が痛くなったり息苦しくなったりするといった感じのものだ。
病院では、病気ではないと診断され…
親には、仮病と言われ…
先生にも、友達にも言う事はできなかった。
言ったらもしかしたら楽になるのかもしれない。
でも、言う事はできなかった。
それを、恥だと思ったから…それを、否定されるのが嫌だったから…理由は定かではないが言う事はできなかった。
誰にも言えない、誰にも信じてもらえない、誰も助けてくれない…そんな日々が3年近く続いたある日。
私は、感じたこともない程の心臓の痛みと頭痛、息苦しさに襲われた。
辛かった、泣くほど辛かった。
例えるなら、骨折した部分を力技で無理やりくっつける時と同じくらい。
もっと、分かりやすくするなら…心臓部分を強く殴られたような感じだ。
(苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい…)
頭の中が、その言葉でいっぱいになったころ…。
下の部屋から、母親の声が聞こえてきた。
「わなちゃん?起きてるの~?」
私は、その声を聴いても返答する事が出来なかった。
苦しい…ただ、その言葉しか頭に浮かばなかった。
壁から聞こえる、古い階段を上るときの音がどんどん大きくなってくる。
私は、動けない。
また、仮病だといわれる。
また、ずる休みと言われる。
また、否定される。
また、また、また、…
そう考える度に痛くなる心臓。
そう考えるたびに頭を過る苦しいという言葉。
そう考えるたびに増していく息苦しさ。
「わなちゃん?入るね」
ーガラガラ
私の部屋の戸が開けられ…母は私に向かって言った。
「いつまで寝てるの?熱なんかないんでしょ?」
その言葉を聞いた瞬間、今まで抑えられていた何かがふっと消え去ったのを感じた。
「今日は…学校休む」
「何言ってるの!健康なんだから学校行きなさい!」
こんなに苦しいのに、こんなに辛いのに…健康?
「私は、健康なんかじゃない!」
「熱もないのに、嘘なんか言うんじゃありません」
「うるさい!私は、私は健康じゃないの!」
私は、そういい張って布団を頭のてっぺんまで深く被った。
「そんなことをしてる暇があるなら、早く準備しなさい!」
そう言って、母は布団を剥がそうとするが必死に抵抗した。
「あー!!!もう、いい加減にしなさい!」
布団越しにも感じる頭と足に何かがぶつかった痛み。
精神じゃない、物理で痛いのだ。
「っ!」
「あなたを産んだ私が悪かった。貴方をしっかりと育てれなかった私が悪かった。全部、全部私が悪いの。」
なんで!?なんでそこまでして、自暴自棄になるの?
なんで、なんでここまでされたのに自分を攻め始めるの!?
もしかしたら、このまま居なくなってしまうのかもしれない。
もしかしたら、このままもう会えなくなるのかもしれない。
「おかあさ…」
「黙って!もう、私が悪いの!」
「…」
やっぱり…母は変わらなかった。
「もう、いい…出てく!」
「そう、勝手にしなさい!」
パジャマのまま何も着替えず何も履かず私は、近くを流れる川の場所まで走った。
途中途中、知ってる人が心配してくれたが何も言わずただ泣きながら、川の近くまで走った。
「水死は初めだけ辛いだけだもんね…」
そう、呟いて大好きなパジャマを着たまま水に片足を入れた。
予想以上に冷たい水が足に纏わり、夏のプールを思い出した。
「冷たい…でも、冷たい棺桶だったらいいか…」
死にたくはない。でも、母を困らせてしまうのなら…辛い思いをこれからもするのなら…
死んだほうがましだと思った。
「さよなら…私の大嫌いな世界。」
こんにちは、私の新しい居場所。
私は、そのまま水の中に飲み込まれるように入っていった。
その後のことはよく覚えてないが、目を開けたらそこは病院だった。
母は、泣きながら何回も謝ってきた。
友達は、泣きながらバカと何度も言ってきた。
担任の先生は、私の手をがっしりと握って何も言わずずっと泣いていた。
気付いたら、頭を埋め尽くしてた苦しいという感情は今まで以上に薄れていた。
すこし、息苦しさを感じていたけど…私のために泣いてくれる人がいる。私のために、怒ってくれる人がいる。私を守ってくれる人がいる。
そう感じるだけで、暗かった心に光が差したように楽になった。
あの一件以来、母は辛かったら休んでいいと言ってくれるようになった。
あの一件以来、友達は帰りまで一緒に居てくれるようになった。
あの一件以来、先生はカウンセリングを定期的に行ったくれるようになった。
今日も、私は親と沢山雑談をして私はゆっくりと眠りについた。
いかがだったでしょうか?
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