表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード5

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/234

EP5-3 - 古との繋がり

――――――


「おう。来たな」


 予定が決まったその週末の正午。フィニティ、エリー、リーバの三人は古学博物館へと訪れていた。寮から徒歩で向かった三人が博物館にたどり着いた頃には既にハジメとセンが到着しており、彼らは入口の前に立ち待機していた。


「おや、早いのー。待たせたかえ?」


 今回の集合予定は午後一時からだ。もしかしたら自分たちの方が集合時間に遅れたかと思い、リーバは近くにあった時計へ視線を向けてみたものの、時刻はまだ予定の時間になっていない。彼女の視線の方向から察したのだろう。先に集まっていた二人は後からやってきた三人にこう言った。


「僕は念のため集合時間より早めに来ていただけだ。だからそんなに待っていないよ」

「俺は午前のバイトを終えてついさっき来たところだ。チャーティー先生と同じく、待っていないぞ」


 今日は気温が涼しげなこともあるだろうが、彼らに疲労の色は見られない。彼らがそこまで待っていないと言っているのは本当のことなのだろう。

 ともかく全員が集まったのであれば入口の前で待つ必要はない。目的の展覧会を観るため、博物館の中へ入ろうとエリーが一歩前に出る。


「じゃあ中に入ろっか」

「それはいいけど、フィニティは大丈夫なのかい?」

「え?」


 どこか心配そうな表情を浮かべてセンはそう言った。しかし彼の言葉の意図がわからなかったエリーはその意図を確かめるためにフィニティへ視線を向けると、彼女の顔はとても青くなっており、吐き気を催しているのか猫背気味になって手元に口を当てていた。


「お、おやフィニティ。どうしたのかえ。先ほどまで至って普通だったかと思うのじゃが」


 いつもはふざけた様子を見せるリーバがあからさまに困惑している様子を見せている。それに、いつもフィニティの様子を気にしているエリーがまったく気づかなかったことを考慮すると、フィニティの体調が悪くなったのは本当にここ数秒の話のようだ。


「ちょっとフィニティ、大丈夫?」

「……何か、ある」

「え?」


 フィニティは小さな声でボソボソと何かを呟いていた。それを聞きとるため皆がフィニティの近くに顔を寄せるものの、彼らがその声を聞き取ることはできなかった。

 次の声を発する前に、フィニティが倒れたからだ。

なんかまた忙しくなりそうなので、週二投稿が限界になりそうかもしれないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ