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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード5

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EP5-1 - 古代魔法研究会、第一回活動日誌

「かくしてっ! ここに新たなイベントが出来上がった!」


 本を敷き詰めた棚が至るところに設置された小さな部屋の中で。

 室内だというのにトンガリ帽子を被った魔女のような生徒、リーバ・バロアは唐突に部屋の中へと響き渡るような大きな声を出した。その大声を聞いて、先ほどまでに退屈そうに本を読んでいたフィニティ・フレインは目を開けてリーバの方へと顔を向ける。


「イベント、ですか?」

「うむ。フィニティ、お主が我が研究会に所属して約二週間。その間やったことと言えば何じゃ?」

「えぇと。本を読んだり、リーバさんの魔法を見てみたり……」

「その通り! ほぼほぼずーっとこの部屋に閉じこもって静かーに過ごしていたわけじゃ。そんなジメジメした活動ばっかりしていたらカビが生えてしまうわい」

「あたしは楽しかったですよ?」

「いやいやフィニティ、本で学べることには限りがあるのじゃぞ。外に出て新しい物事に触れてこそ見えてくるものがあるはずじゃ」

「た、確かに」


 リーバの適当な言い分に納得したフィニティは、彼女に称賛の眼差しを向ける。そのキラキラとした視線を浴びたリーバは気持ちが良さそうに再び口を動かし出した。


「そこでワシは考えた。この小さな部屋を飛び出し、広い世界に飛び出してこそわかる物があると!」

「おぉ!」

「つまりは学校を出て街に繰り出してこそ得られる物があると!」

「おぉっ!」

「行けフィニティ! 学校を飛び出し、己の本能の赴くままに駆けてみるのじゃ!」

「わかりました! 行ってきます!」

「フィニティを使って遊ばないでくれる?」


 フィニティの隣で授業の復習をしていたエリー・サーベスは、今にも廊下へ飛び出そうとするフィニティの体を捕まえると、彼女にそう動くよう仕向けたリーバに対して軽蔑の眼差しを向けた。しかし負の感情が込もった視線を向けられているにもかかわらず、当の本人は全く気にしていない様子で改めて話の続きをし始める。


「さて、それは冗談として。お主ら、この街に博物館があることは知っておるかの?」

「古学博物館のこと? それがどうかしたの?」

「ふふん。聞いて驚け見て笑え」


 ちっちっちと指を振り、リーバはどこからか取り出した一枚の紙をバンと机にたたきつける。どうやらその紙はイベントのチラシのようだ。やけにカラフルに描かれたそのチラシの見出し部分には、目立つような大きな字でこう書かれていた。


「期間限定、古代遺跡展覧会……?」

エピソード5です。4ほど長くならないように頑張ります。

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