EP4-26 - 過去と未来の繋がり
「お前達の言い分は理解できた。しかし、すまんがまだわからんことがある。何故そこの魔女はお前達を妨害する必要があるんだ?」
新しく生まれた疑問をぶつけたのはハジメだ。ワイルが先ほど言ったことは、リーバのせいで部活の存続が難しくなったということだけだ。しかしそれはリーバが所属している古代魔法研究会も同じであることを考えると、彼女が意識的にクラブ活動の存続ルールを厳しくしたとは考えにくい。更に言えば、彼女が実技魔法研究会の邪魔をする理由も全く持って見当たらない。何かあるのかと思いエリー達はリーバの方へと視線を向けたところ、彼女は珍しく考え込むような表情を浮かべていた。
「さて、魔女にはさっぱり見当がつかんのー」
「とぼけるな! 古代魔法研究会と実技魔法研究会が両方存続することになった場合、統合することになったじゃないか!」
ショージュが静かに頷いたところを見ると、ワイルが叫んだことはどうやら事実のようだ。そのことをリーバは知らなかった……わけではなさそうだ。叫び声を聞いても、顔色一つ変わりやしない。
「学校内の予算の都合もあってね。統合できそうなクラブは今後まとめることになったの」
「ほう。それの何が問題なんだ?」
「問題大アリだ! こんな不正な行為を行う奴を実技魔法研究会に入れるわけにはいかない! どんな問題を起こすかわかんないんだぞ!」
それはそうだ。無能な味方は足を引っ張るから共に行動するべきではないと、エリーは聞いたことがあった。
「だとしても、リーバがワイル達を襲う理由なんて思いつかないよ? 逆は正直ありそうだけど」
シャータが言った疑問は尤もだった。リーバが考え込んでいるのも、恐らくワイルが言っていることに心当たりがないからだろう。しかしワイルは間髪を入れず、自らの意見を主張した。
「関係はある! 統合した際にどっちがクラブのリーダーになるか、だ! もし統合するとなったら、より良い功績を残したクラブのリーダーが長になるはずだろ!」
「え、でもリーバに部長が務まるわけないじゃん」
「酷い言われようじゃの?」
「ふざけるな! そうしてとぼけているが、本当はリーダーの座を狙っていると聞いたぞ!」
「誰からですか?」
これまでの様子を見ている限り、リーバがリーダーの座など狙っているとは到底思えない。では何故ワイルは誰からそんなことを聞いたのか。
次に出てきた言葉を聞いて戦慄したのは、以前直接関わった二人の少女だった。
「お前の知り合いを名乗る黒いコートの人物からだよ!」
あまりにも長引いているのでエピソード4が完結するまでは毎日投稿するように努めます。




