EP4-25 - 古代と実技の繋がり
「廃部……ですか」
ワイルは自らの所属している部活が廃部になると言った。しかも、それはここにいるリーバが関係しているということだ。エリーは話題の中心である彼女に視線を向けるものの、彼女はいつも通りのとぼけた様子で会話に加わった。
「はて、何のことじゃろ?」
「ふざけるな! お前みたいに不正な方法で存続しているクラブがあるから、クラブ活動を続ける条件が厳しくなったんだ!」
「そうなんですか?」
ここにいる人物の中で、リーバ、ワイル、ショージュ以外の人物はどのクラブにも所属していない。そのためクラブ活動に関する校則についてはあまり情報収集をしていなかった。まさか開校してから二年で校則が変わるとは。
「ワシのせいかどうかはわからんが、来年度からはクラブ活動の存続ルールが変わるようじゃの」
「最低所属部員数は三人から五人に、そして求められる功績もより高度なものを求められることになったの」
関係者の中で常識的かつ唯一冷静なショージュが話の補足をしてくれた。より高度な功績、という条件が話だと曖昧ではあったが、具体的に評価される大会や賞などは別途表で渡されているとのことだ。
「なるほど。それで最初俺たちと会った時に邪険に扱ったわけか」
「どういうこと?」
「大会の練習をすると言っていただろう」
確かにハジメが言っているように、最初にワイルと出会った時、彼は大会の練習があるから帰れと言っていた。今聞いた話と合わせると、彼は自らが所属しているクラブを存続させるために大会で結果を残そうとしていたと推測できる。エリーはそこまで考えると、ふとまだ聞いていないことを思い出す。
「……今更ですけど、貴方たちが所属しているクラブってなんですか?」
「実技魔法研究会よ。名前くらいはあなたも知っているでしょ?」
「そうですね。昨年度はなかなかに優れた成績を残していたとか」
入学した際、エリーにすり寄って来た一学年上の先輩から聞いた話だが、実技魔法研究会というクラブは様々な大会で優勝し、マージ・モンドの名を世界へ轟かせることに貢献したと言われていた。そしてそのことを思い出したエリーは、そういえば今年に入ってからはそのクラブの名を聞く機会があまりなかったことも思い出す。つまり、だ。
「あなたの考えている通りよ。今年に入ってからわたし達のクラブは全く成績を残していないの。だからこのままだと……」
廃部になる、ということか。
そしてこれまでの話を聞く限り、これまでは何とかなっていたものの、リーバが古代魔法研究会で怠惰に過ごしていたせいでクラブ活動の存続が難しくなった、ということのようだ。それはまぁ、気の毒なことだなとエリーは少々彼女らに同情するのであった。
4-30までには終わらせます!終わらせます!すみません!




