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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード4

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EP4-17 - 魔女裁判と真犯人

「ただ一人の……ってどういうこと?」


 女生徒が名乗ると同時に呟いた、ただ一人研究会に所属しているという言葉。その言葉に引っかかったのは声を出したエリーだけではなかった。

 通常、この学校で同好会や研究会を立ち上げるには、最低三人の部員と顧問が必要だ。加えて同好会を継続させるには、その最低限の部員数を維持しつつ、何かしらの功績を残さなければならない。この規則はどのクラブ活動においても適用されており、例外はない。つまり、研究会に所属している人物が一人だけということはありえないのだ。


「……そのままの意味じゃよー」


 女生徒、いやリーバは皆からの視線から逃れるように顔を背けていたが、諦めた彼女はその顔を一堂に向けてぽつぽつと自分から語り始める。


「今の古代魔法研究会は顧問なし、部員はワシだけ。おまけに直近の功績もなし。スリーアウト、野球ならチェンジな研究会というわけじゃ」

「それってダメじゃん」

「わかっておる。だから話を逸らそうとしておったのじゃよ」

「もっとダメだろ」

「さてはこの人、悪い人ですね!」

「う。子どもに直接言われるとさすがに応えるの」


 一同から冷ややかな視線を浴びるリーバ。更にフィニティからの非難も浴びることになり、これまで以上に居心地が悪そうな表情を浮かべていた。


「……何故そんな研究会が見過ごされているのかは気になりますが、後にします。で、結局実験室では何をやっていたんですか?」


 そんな中、エリーは再びズレそうになる話題を本筋に戻す。このまま行くと、結局何が起きているのかがわからずじまいだ。

 しかし、リーバは再び言葉に詰まっていた。これまでのように何かを隠している、というよりかはどう説明しようかと悩んでいる様子だ。


「んん……。そうじゃな。ワシは研究会の部員を増やそうとしていたのじゃ」

「もっとわかりやすく説明してください」

「理事長の娘は手厳しいの……。要は今は部員がワシ一人じゃが、実際に古代魔法を見せてくれたら部員になってもいいという奴らがおったのじゃ。今は部員数など誤魔化している状態じゃが、後から辻褄を合わせることができれば、研究会は存続するじゃろ」

「……それが正しいかどうかはさておき、言いたいことは理解できました。続けてください」

「それで一部解読ができている古文書があったからの、それをそやつらの前で唱えてみようとしたんじゃ。そしたら魔法が暴発し、後は知っての通りじゃよ」

「爆発が起きて、騒ぎになったと」


 空白の時間が埋まり、話がようやく繋がった。そして今の話を聞くと新しい疑惑が浮かび上がる。ハジメはその疑惑をリーバへとぶつける。

 

「それってお前が解読を間違えたんじゃないのか?」

「ないのう。解読の結果は既に国が発表しているものじゃ。あとは古代魔法の詠唱のパターンさえ知っていれば唱えられるものじゃよ」

「詠唱って普通の魔法とは違うの?」

「うむ。今現在一般的に使われている魔法とは異なるものじゃ。上手くは説明できんが、古臭い言い回しをした詠唱、という感じじゃな」

「その言い回しを間違った可能性は?」

「いや、ルールは今の詠唱と同じのようじゃ。詠唱を間違えると、そもそも魔法が発動しないことになっておる。事実、ワシが自己流で解読をしていた古代魔法は全て失敗に終わっておるからの。一つでも成功していたら、それこそワシは学校内で有名になっていたはずじゃ」


 話を聞く限り、本当に彼女はただただ魔法の実験をしていただけのようだ。加えて今までの話をまとめると、新しく怪しい人物が浮かび上がる。

 実験室に倒れていたのはリーバただ一人だった。しかし、先ほどの話では彼女は誰かの目の前で魔法を唱えたと言っていた。だとすれば、次に話を聞くべきはその人たちだ。

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