EP4-10 - 知り合い以上、友人未満
「なるほど。それがクラブ活動って奴なんですね!」
特別枠クラスから移動する途中、衰弱していて話を聞いていなかったフィニティへエリーは改めてクラブ活動について説明していた。復活したフィニティは楽しそうに話を聞き、元気一杯に両手を振って廊下を歩いている。
「何だか授業より楽しそうですね!」
「うむ。俺は所属していないが、活動をしている奴は楽しそうにしているな」
「……ところでなんで貴方までいるんですか」
そんなフィニティと一緒に先頭を歩くハジメ。彼は何故か今回のクラブ見学についてきており、フィニティと同じように楽しそうな笑顔で歩いていた。
「ん、まずかったか?」
「まずくはないですが……」
そう、彼がついてくること自体に何か不都合があるわけではない。あるとすれば、エリーの心が穏やかでなくなるくらいだろうか。
ハジメとエリーは交流こそないものの、互いに互いのことを知っていた。理事長の娘であるエリーの名は学園にいれば嫌でも耳に入ることとなる。そしてハジメは特別枠クラスの中でも色々と有名な生徒だった。特に女子の間で。
(この人、配慮がないんだよね……)
良く言えば裏表のない人間。悪く言えば配慮の足りない人間。それが特別枠クラスのハジメ・クゾカイダだとエリー達の教室では噂されていた。
事実彼は全く関係のないフィニティのクラブ見学についてきており、エリーの見ていないところでも初対面のフィニティに対して失礼な物言いをするなどをしている。正に噂通りの人物なのだ。エリーのクラスメイトでハジメとの繋がりがあるとすれば、恐らく友人の多いシャータくらいだろう。
色々なことを抱えているエリーにとって、彼の配慮の無さは致命的だった。エリー自身は先日の事件から反省し、少しは落ち着きを取り戻したものの、それでも一緒にいて疲れる人物とはなるべく一緒にいたくない。そう思うのはごく自然のことだろう。
「そもそも貴方はクラブ見学をする必要などないのでは?」
「ほう、何故だ?」
「何故って、貴方は転入生ではないでしょう。クラブに入る気があるなら入学したときに入っているはずです」
「なるほど、その通りだな。はっはっは」
エリーの言い分に納得はするものの、ハジメはこの場から離れようとしない。変わらず彼はフィニティのクラブ見学についてくるつもりのようだ。これ以上は何かを言うだけ無駄だと理解したエリーは、後の会話をシャータとフィニティに任せることとした。
「理事長の娘が言っていることは正しいが、俺もクラブ活動自体には興味がある」
「へぇ、そうだったの」
「おう。尤もクラブ活動をしている余裕は、結局ないんだがな」
「そうなんですか。なんでですか?」
「おう。それは……」
しかし、ハジメの答えは誰の耳にも届かなかった。彼の声を遮るように、大きな爆発音が響いたからだ。
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