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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード4

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EP4-1 - 友達百人できるかな

「……で、とうとう明日からフィニティが入学するってわけだ」


 エリーが目を覚ましてから一週間後。

 無事日常に復帰したエリーと、その友人であるシャータ、フィニティの三人はエリーの部屋へと集まっていた。


「制服の着方は覚えた?」

「完璧です。今なら目をつむっていてもできそうな気がします」

「なら大丈夫だね。教室の場所は私たちと違うけど、そこも大丈夫?」

「はい。今なら目をつむっていてもたどり着けそうな気がします」

「それはちゃんと目を開けて?」


 フィニティは受験で入学したエリーやシャータとは異なり、魔法力が高い特別枠としてマージ・モンドへと入学する。特別枠の人間は魔法力が高いことを条件に学費などが免除されるため、これまで学校に通うことができなかった貧しい家庭の子どもが多い。授業の内容も基礎的なものが必要となってくるため、受験組とは教室が分けられていた。


「クラスの人と喧嘩しちゃダメだよ?」

「わかりました!」

「まぁ大丈夫じゃない。フィニティって多分この学校で一番小さいし、喧嘩ふっかけてくるような奴もいないでしょ」

「でも小さいからこそいじめられたりするかも……」

「過保護か?」


 フィニティに対して過剰に心配するエリーは、まるで母親のようだとシャータは思う。尤も、フィニティ自身は母親の記憶がないため、その愛情を理解することはできなかった。


「それに特別枠の人間って、ちょっとだけ乱暴な人もいるでしょ」

「それはまぁ、否定できないけど」


 入学する生徒の属性上、特別枠で入学した生徒には協調性に欠けるところが見受けられることもある。そのことから特別枠の生徒は、一部の受験組の生徒からは苦手に思われていた。エリーが心配性になっていたのはそのような背景もあった。


「フィニティも協調性って観点からするとあまりできているとは言えないし……」

「はいはい、なるようになる。フィニティ、なんか困ったらアタシたちのところに来な。相談には乗れると思うから」

「わかりました!」


 親の心子知らずであり、心配しているエリーとは反対にフィニティの心はポジティブなもので溢れていた。

 フィニティにとって、これは人生初の学校である。これから色々な人と共に魔法のことをもっと学べると思うと、それだけで楽しい気分になるのだ。早く明日になればいいなと、彼女はエリーの心配事を聞きながら思っていた。

ようやくあらすじ以降のことになります。本当にようやくです。

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