表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード3

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/235

EP3-26 - 少女の人生の幕が開く

――――――


「エリー、無事で良かったね」


 保健室を後にしたシャータとフィニティの二人は、放課後の廊下をゆっくりと歩いていた。目が覚めたとはいえ、エリーは意識不明で倒れていた身だ。話したいことはまだまだあったが、今日は彼女の体を休ませることを優先にし、二人は自室へと戻ることとした。

 フィニティがエリーを助けてから約一日が経過していた。エリーが倒れていたことは学校中で話題になっており、色々な憶測が飛び交っていた。エリーに振られた男子生徒が復讐に走った事件だとか、理事長に恨みを持つ者が行った犯行だとか、そういった根も葉もない憶測だ。現状真相を知る者はフィニティとシャータの二人、いや実際に彼女を助けたフィニティくらいだろう。


「いや昨日はびっくりしたよ。エリーを探しに行ったら何故かフィニティもそこに倒れているんだもん」

「ごめんなさい。ちょっと魔法の方に集中してしまって」

「治癒魔法、だっけ? 初めて聞いたけど、そんなものがあるんだね」


 治癒魔法を行ったフィニティはエリーを助けることができたことを確認すると、彼女もエリー同様その場に倒れてしまった。高度な魔法を連続で使用したことで、体力を消耗したせいだった。そこに駆けつけてきたのがシャータであり、二人をまとめて保健室へ連れて行ったのだ。エリーは目が覚めるまで時間がかかったものの、フィニティの方はものの数十分で目を覚ました。そして目を覚ましたフィニティは、シャータにあの場で何があったのかを伝えた。


「あとなんだっけ。黒いコートの……」

「商人です。男の人か女の人かもわかりませんけど」


 目を覚ましたフィニティは自らが倒れていた現場へと戻ると、捕らえていたはずの謎の商人はその場にいなかった。フィニティが意識を失ってしまったことで、魔法による拘束が解けたためだ。自分を助けたシャータにその人物を見ていないかを確認したが、見ていないということだったため、その人物の行方は全くわからなくなってしまった。

 正体も目的もわからない人物。そんな者を放置しておくのはあまりにも危険すぎる。何かしらの対策を取るべきだが、そもそも目撃したのがフィニティくらいしかおらず、教師たちもあまり真に受けてくれていないのが現実だった。しかし、被害者であるエリーが目を覚ました以上、彼女が証言すれば少しは動きが見られるだろう。


「ともかく、今日は戻ろう。フィニティは入学の準備もあるでしょ」

「あ、そうなんです。それで少し手伝ってほしいことがあって」

「お、何かな。お姉さんに言ってみなさい」


 相手の動きが見えない以上、今のフィニティにできることはない。ならば、一旦は自らの用事を優先しても良いだろう。

 制服の着方を覚えるために、フィニティはシャータを連れて自室へと戻るのであった。

長かったエピソード3もこちらで終了です。

エピソード4はこれ以上長くはならないはず……はずです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ