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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード3

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EP3-25 - おかえりなさい

「フィニティ、シャータ」

「お、アタシたちのことはわかるみたいだね」

「はい、良かったです。お医者さんのお話ですと体に異常はないみたいですしね」


 エリーの頭から痛みが抜けていく。友人二人が笑みを浮かべるのを見て一人じゃないということを理解し、安心を覚えたためだ。


「医者……。じゃあここは病院?」

「いや、学校の保健室。フィニティの言う医者ってのは保険医のフォケニー先生のことだね」


 なるほど。確かに病院にしては見覚えのある光景だ。その理由は学校と同じ設備が使われていることだということに、エリーは辺りを見渡してから気が付いた。


「とはいえ、気分良好ってことはないよね。具合はどう?」

「そう、だね。少し頭が痛いけど、それくらいかな。多分寝てたら治りそう」

「そっか。まだ魔法はぶっ放したい気分?」

「……意地悪なこと言うね」

「ごめんごめん。そこが一番気になるところだしさ」


 軽い口調で謝罪をするシャータ。しかし、彼女が言うことは尤もであった。

 元々今回の一件はエリーが怪しい商人からもらった薬を飲み、性格が豹変したことから始まった。彼女たち二人からすればエリーの体に異常がなくとも、性格が元に戻っていなければ意味がないだろう。そのことを理解し、エリーはいつも以上に『普段の自分』を意識して二人に話しかけた。


「安心して。今の私は元の私だから。証明するのは難しいけどね」


 だが、そんなことは必要なかった。彼女の友人は、彼女が思っている以上に友をよく見ていた。


「うん。わかってたよ。ねぇフィニティ?」

「はい。手を握って部屋に連れて行ってくれたときと同じエリーさんです」


 そう言うと、フィニティとシャータはエリーの手を握り、優しい声で彼女を迎える。


「おかえりなさい。エリーさん」

「おかえり。エリー」

「うん。ただいま、二人とも」


 彼女らの日常は、無事にそこへと帰って来た。

区切りの都合で、もう一話投稿いたします。

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