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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード3

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EP3-20 - ようやく繋がった時間

「さ、そろそろ白状してもらおうかな。あの人は何だったの?」


 シャータのハッタリが通用し、追い込まれるエリー。問い詰めるなら今しかないと、シャータはエリーに顔を近づけて再度質問をし始めた。


「……」


 エリーは沈黙を選んだ。下手に言葉を発してしまうと墓穴を掘ってしまうことを自覚したからだ。しかし、先ほどシャータが言ったように彼女は色々と癖がある。例え彼女が沈黙を貫こうと、それはシャータの前では通用しなかった。

 シャータはこれまでの状況を整理しながら、引き続き情報を得るために鎌を掛け続ける。多少質問の内容に矛盾が生じたとしても、今の動揺している彼女ならばそのことに気が付かないだろう。


「多分、知り合いではないよね。そうだとしたらわざわざ隠そうとなんてしないはずだし」

「っ……」


 エリーの口元が震えた。彼女の知り合いではない人物が接触したことは合っているようだ。

 

「だとしたら外部の人間かな? 他所から来た魔法使いとか」

「……」

 

 今度は反応がない。どうやら接触したのは魔法使いではないようだ。他に候補があるとしたら……。


「外部の講師、他校の生徒、新しい職員……。あとは商人、とか」


 マージ・モンドは理事長のネームバリューなどから、時折魔法に関するグッズを売りに来る商人が現れる。大体は理事長であるスーンにアポイントメントをとって訪問してくるため、校内の中で物販を行っているのだが、稀に学校側の許可を取らずに路上で物を売る商人も現れるのだ。その場合は見つかり次第騎士団へと通報され、刑罰を受けることになっていることになっているのだが、そのことを知って尚、商いをしに来る厄介な商人が存在する。そして、そういう無法者が扱う商品はあまり質が良くないものばかりだ。

 この学校の生徒なら、そんな商人からは物を買わないよう耳に胼胝ができるほど注意をされている。実際、シャータも路上で物を売る商人から声を掛けられたことがあったが、パッと見て出来の悪い商品ばかりだった。

 魔法力が関係する実習の成績はさておき、学校内の座学で良い成績を収めているエリーが、商品の出来の良しあしを見抜けないとは思えない。だが。


「……」


 エリーは沈黙を貫き、これまで以上に視線を合わせまいと顔を背けた。図星だと言っているようなものだった。


「その反応って、あんたまさか」

「か、買ってない!」

「バカ!」


 声を荒げるエリー。その態度が真実を物語っている。

 

「入学した時から散々注意されてたでしょ! 許可をとらずに売られている商品にはどんなデメリットがあるかわからないって!」

「知らない! 私、知らない!」

「わっ」


 そう言うとエリーはシャータを突き飛ばし、逃げるように教室を出ていった。シャータはケガこそないものの、ようやく繋がった真実に怒りを覚えた。

 友人が注意事項を破ったという事実と、そしてそうするように彼女を誑かしたであろう商人に。

エピソード3ももう少しで終わると思います。多分……。

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