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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード3

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EP3-16 - 実力を見せつけたがる少女

 通常、魔法力というものは魔臓と呼ばれる臓器の強さに左右される。そのため年齢により多少は増減するものの、基本的には生まれつきで魔法力の強さは決められている。薬や修行で増減することはない、それがこの世界の現実だ。

 しかし、今エリーは自らの魔法力を高められたと言った。ありえない、そうシャータは思う。もしそんなことができるのならば、今頃世界中の魔法使いがその方法を使って魔法力を高めているはずだ。それに魔法が世界を動かしているこの時代、仮に魔法力を高められる方法がわかったとしたら、それを公表しないわけがないだろう。

 そう考えると、エリーは何者かに騙されている可能性が高いのではないだろうか。誰かから嘘をつかれたり騙されたりした結果、今の変な様子のエリーになっているのではないだろうか。きっとそうに違いない。

 やはりエリーの身に何かあったのかを探る必要がありそうだ。嫉妬をしていると思われているのは癪だが、エリーから直接何があったのかを聞き出してみようか。そう考えるシャータだったが、今の彼女を調子に乗らせるとまた話が嚙み合わなくなりそうだと判断し、留めることにした。ここは引き続き彼女に口を出しつつ、様子を見るべきだろう。それに、彼女の方から何かしらアクションを起こすはずだ。今は実習授業の途中なのだから。


「では次、エリー・サーベス。やってみろ」

「はい」


 エリーは指定された場所に立つと、両手を前に出して詠唱を始める。浮かび上がったのは黄土色の魔法陣、つまり大地に関する魔法だ。


(ここで地属性の魔法?)


 地属性の魔法では、主に大地を揺らす魔法や、岩などを生成する魔法などが存在する。岩を生成する魔法で、人形までの道を作るということだろうか。そんなことをやるより、講師が言っていたように風の魔法を使った方がスマートに人形を手に入れることができそうだが。

 しかし、そんなシャータの想像は裏切られた。彼女の手の先に現れた、もう一色の魔法陣が現れたことによって。


「複合魔法だと?」

「青色の魔法陣……」


 青色の魔法陣が表すのは水に関する魔法だ。大地と水、その組み合わせによって放たれる魔法とは。


「フォレスト・ウィップ!」


 エリーが声を発すると同時に、魔法陣は光り輝き、そこから植物の蔓が触手のように伸びていった。その蔓はまるで意思があるように人形に纏わり付き、術者であるエリーの下へ戻っていく。かくしてエリーはその場から一歩も動かず、人形を手にすることができたのであった。

魔法の名前ってセンスが問われますね……。

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