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フィニティ・フレインは山を下りて何を思うのか  作者: 鳥羽 こたつ
エピソード3

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EP3-4 - 流行に乗る少女

「ところで、シャータとフィニティはいつ知り合いに?」


 購買部に赴いてハムとチーズのサンドイッチを買ってきたエリーは、フィニティとシャータを連れて食堂までやって来ていた。昼休憩となってから大分時間が経ってしまったためか、食堂の席はほとんど埋まっていたものの、何とか三人分の席を確保することができた。

 フィニティは購買部でもらったサンドイッチを、シャータは食堂でパスタを注文し、それぞれ食べ始めたところで、エリーはふと思った疑問を口にする。


「あーそれね。アタシも看板娘の噂を聞いたから、どんな娘かなーって思って見に行ったわけさ」


 どうやらフィニティの存在はクラス中に広まっているようだ。彼女を購買部に任せたエリーだったが、まさかここまで話が広まるとは思ってもいなかった。


「フィニティ、貴女そんなに有名になっていたんですね」

「そうなんですか?」

「あはは、そりゃ自覚ないよね」


 シャータはケラケラと笑いながら、最近流行となっているワフー・パスタを頬張った。魚介のダシとソイ・ソースで味付けされたパスタは、これまでにない味付けということで一瞬にしてエハキガの街の流行を独占していた。看板娘の件もそうだが、そういえばシャータは流行に敏感な少女だったということをエリーは思い出す。


「んで行ってみて、せっかくだから話しかけてみて、その結果がこれ」

「はい、これです」

「これ……」


 これ、とシャータは簡単に言うが、初対面の相手と仲良くなることは簡単なことではない。

 少なくともエリーには不可能なことだった。それ以前に、エリーは初対面の相手に何の用事もないのに声を掛けることができない人間だ。フィニティとの繋がりだって、彼女を注意するという目的がなかったら、できることはなかった。それを簡単にやってのけるのだからシャータはすごい。


「まさかエリーの知り合いだとは思ってなかったけどね。親戚の子どもか何か?」

「あ、そこまでは聞いてなかったんだ」

「話している途中で教室に着いちゃったからね」

「なるほど。えっと、フィニティは……」


 さて、なんと説明しようか。

 考え込む様子を見せるエリー。というのも、彼女がフィニティについてわかっていることが少なく、一言での紹介ができなかった。エリーがわかっていることは、フィニティが山育ちであり、とんでもない魔力の持ち主であり、今後この学校に入学するであろう少女だということだけだ。両親がいないと言っていた件についても、この学校にいないということなのか、それとも存在しないということなのかもハッキリしていない。他界している可能性を考慮すると、あまり触れない方がフィニティのためだろう。

 いろいろと試行錯誤をし、エリーが出した結論はこれだった。


「この娘はチャーティー先生がスカウトしてきた魔法使いだよ」

(教室で昼食を取らせようとしていたのですが、よく考えたら北米とかだとちゃんと食堂でとるんじゃね? と思って無理やり移動させてしまった……)

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